2022.01.13.
畠山琢次・理工学研究科教授に日本学士院学術奨励賞

 畠山琢次・理工学研究科教授に第18回日本学士院学術奨励賞が授与されることになりました。優れた研究成果をあげ、今後の活躍が特に期待される若手研究者6名に対して贈られるもので、日本学士院が1月12日、発表しました。

 畠山教授の専門分野は有機化学。「次世代有機EL材料の開発」をテーマに研究を続けています。日本学士院は、授賞理由について「含ホウ素π共役化合物は以前から有機材料分野で注目されてきましたが、安定性に乏しい炭素−ホウ素結合を含むため、長期使用に耐える材料開発に繋がるとは思われていませんでした。一方、畠山琢次氏は有機ホウ素化合物の新しい合成法として縮合多環式骨格にホウ素原子を酸素原子や窒素原子とともに導入する反応(多重ボラFriedel–Crafts反応)を開発し、炭素−ホウ素結合を安定化させた分子群を創製しました。さらに卓抜な分子設計でホウ素と窒素とを特定の関係に配置することにより、特異なフロンティア軌道の広がりを持つ分子を合成し、優れた狭帯域発光特性を持つ材料を実現しました。これは有機EL材料分野に革新をもたらし、青色発光材料として既に実用化されています。この畠山氏の成果は有機化学のみならず他分野に波及し、産業面でも貢献大であり、今後の展開が大いに期待されます」としています。

 独立行政法人日本学術振興会の日本学術振興会賞受賞者(2021年12月16日公表)を対象に選考されました。

※日本学士院ホームページ
  https://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2022/011201.html