2022.01.12.
長野県の小学校とコラボしたチョウの保全活動に「トム・ソーヤー奨励賞」~江田慧子・教育学部助教が事務局長のミヤマシジミ研究会

「絶滅危惧種ミヤマシジミを守ろう~里山の小学生が小さな命をつなぐ体験活動」

関西学院大学からZOOMで授業を受ける伊那西小学校の子どもたち

関西学院大学からZOOMで授業を受ける伊那西小学校の子どもたち

 教育学部の江田慧子(こうだ・けいこ)・助教が事務局長を務める「ミヤマシジミ研究会」の活動が、安藤スポーツ・食文化振興財団(事務局・大阪府池田市)主催の「第20回記念トム・ソーヤースクール企画コンテスト」で「トム・ソーヤー奨励賞」に選ばれました。長野県伊那市立伊那西小学校との協働で企画した「絶滅危惧種ミヤマシジミを守ろう~里山の小学生が小さな命をつなぐ体験活動」。3年生と一緒に絶滅に瀕している小さなチョウ、ミヤマシジミについて生態を調べ、さまざまな保全活動に取り組んだことが評価されたもので、昨年12月27日に発表されました。

授業に取り組んだ江田慧子助教(右)と教育学部の森蓮音さん

授業に取り組んだ江田慧子助教(右)と教育学部の森蓮音さん

 「トム・ソーヤースクール企画コンテスト」は、自然体験活動にとって大切な「企画力」の向上を図るために、全国からユニークで創造性に富んだ自然体験活動の企画案を公募して実施。表彰のうち、トム・ソーヤー奨励賞は、企画内容がユニークで、他団体への刺激や参考となり、さらなる飛躍が期待できる団体に贈られます。

 小学生と取り組んだのは、ミヤマシジミの保全活動を通じ、幼虫のエサであるコマツナギの苗の植栽や、産卵方法、休眠卵を産む日長条件、蝶の冬越しなどを学習し、環境意識を高めようという内容。活動の一つとして、江田助教は、本学の教育学部理科室から小学校に向けて、「減っている生きものと増えている生きもの」と題したオンライン授業を計6時限行い、子どもたちにミヤマシジミと増えている竹について考えてもらいました。竹を有効に使う方策として、「竹のペン立て作り」も遠隔で指導しました。こうした活動が、「地域独自の教材であるミヤマシジミの保全をテーマに、地元をはじめ、大学などの外部機関と連携してきめ細かな指導案を作成した上で、体系的な活動を展開した」と評価されました。
 

 受賞の知らせを受け、江田助教は「子どもたちが自然に触れ合う機会が減る一方で、生きもの、特に昆虫に関してはメディアでも取り上げられ、関心が高まっています。今後とも、自然での直接体験活動を充実させながら、オンラインでも行える授業や講座に取り組んでいきたい」と話しています。