2021.12.03.
「分野横断で広げる知識の守備範囲」銀シャリ・橋本直さんを迎えてトークショー

KSC独自の仕組み「分野横断型教育システム」

 神戸三田キャンパス(KSC)で11月25日、本学OBでお笑い芸人・銀シャリの橋本直さんをゲストに招いたトークショー「はみだす、まざる、スクール シリーズ1」が開かれました。KSC5学部(理・工・生命環境・建築・総合政策)が取り組む「KSC分野横断型教育システム(※)」をより多くの在学生に知ってもらおうと、教職員が企画したものです。山崎 亮・建築学部教授が司会を務め、橋本さんと分野横断に関するトークを約40分展開。橋本さんは「知識の守備範囲を広げることは、自分の価値を上げることにつながる」と語りかけました。コロナ対策として、会場のアカデミックコモンズへの入場は60名に限られましたが、YouTube Liveでのオンライン配信も含め、学生、教職員ら計100名が傍聴。学生たちは分野横断への理解を深める機会になりました。

※KSC分野横断型教育システム
所属する学部における専門分野の深化に加え、多様化する社会で活躍できるような広い視野を育むKSC独自の仕組み
 

「好きなことに挑戦すること、ダメなら撤回すればいい」

 橋本さんは登場直後から、軽快なトークを披露。「分野横断してよかったことは?」というテーマでは、「学んだことが一見関係なさそうに見えても、ある日突然役に立つことがあった。面白いネタができあがった経験がある」というエピソードを披露。「専門分野とは違うことに挑戦して、だめなら、撤回すればいい。全部無駄にはなるわけではない。複数の分野を知っていることは、変化の速い社会において必要な事。分野を横断することで、自分に希少価値を出しやすい」と学生たちにアドバイスを送りました。「学生時代に学んでおいたらよかったこと」では、「本をたくさん読む。これに尽きると思う。本には著者の英知が詰まっている。読むことで、分野横断ができる。大学生時代はお笑いに夢中で、気づくことができなかった。皆さんが知識の守備範囲を広げてくれれば、お笑いを違った角度から見ることができる」と話しました。山崎教授との絶妙な掛け合いで、会場は何度も笑いに包まれました。

止まらない質問 「新たな発見もあった」

 質疑応答では会場から多くの質問が寄せられました。経済学部で4年間学んだことではなく、お笑いを仕事にすると決めた理由について聞かれると、「人生、いつ何が起こるかわからない。だから、好きなことをやってみた。直感を信じて進む。ダメなら方向転換すればよい。4年間を無駄にしたくないという気持ちが大きくなりすぎないように。積み立てではなく、掛け捨て保険くらいの気持ちでいるのが良い。大学を卒業したあとの人生の方が長いのだから。今まで勉強したことが少しかすっている別の分野の仕事で活躍できるかもしれない。だから一つの事に固執せずに、ごきげんに生きてほしい」とエールを送りました。終了後には「分野横断は私も挑戦してみるべきだと感じました。変化の激しい時代で一つにこだわるのではなく、分野をはみ出すことで自分の価値を高めたり、新たな発見ができたりもするんだなと思いました。ありがとうございました」というコメントも寄せられました。

 この日のイベントではトークショーに先立ち、教員-学生による対談「KSCにおける分野横断のこれまで/これから」も開催。KSCで学ぶ学生たちが、どのように分野をはみ出し、異分野とまざり続けていくのかを、すでに実施された分野横断型教育プログラムのレポートや、学生のプレゼンテーション、教授陣のトークを通して振り返り、考察しました。コーディネータを務めた藤原明比古教授・工学部物質工学課程は「学生の皆さんが分野横断の学びの第一歩を踏み出す勇気を応援したい」とエールを送りました。