2021.11.26.
田和正孝・文学部教授が人文地理学会学会賞(学術図書部門)を受賞~著書『石干見の文化誌-遺産化する伝統漁法-』

田和教授

田和教授

田和正孝・文学部教授の著書『石干見の文化誌-遺産化する伝統漁法-』(昭和堂、2019年)が、2021年度の第21回人文地理学会学会賞(学術図書部門)に決まり、11月20日、オンラインで開催された人文地理学会の総会で発表されました。 

長崎県島原半島での石干見すくい祭りの様子

長崎県島原半島での石干見すくい祭りの様子

石干見(いしひび)とは、沿岸部に石などを積み、潮の満ち引きを利用した伝統漁法。『石干見の文化誌-遺産化する伝統漁法-』は、長年にわたり漁村研究に携わってきた田和教授が、約30年にも及ぶ資料収集と、国内と台湾における現地調査をもとに、この伝統漁法の構造や利用形態、地域文化との関係や今後の保全と活用を論じた研究書です。石干見を通じた人間と環境との関係を多面的に考察し、失われつつある文化を地理学的な視点からとらえる方法を示したことが評価されました

著書「石干見の文化誌ー遺産化する伝統漁法-」と記念品/表彰状

著書「石干見の文化誌ー遺産化する伝統漁法-」と記念品/表彰状

田和教授は「受賞を聞いたときは、涙が出るほど嬉しかった。地理学のみならず、人類学や民俗学といった隣接分野の研究者から評価を受けたことは、大変喜ばしいこと。聞き取り調査等のフィールドワークによって明らかになった研究成果が、地理学の発展に寄与すれば本望です」と話しています。