2021.08.06.
「Challenges for SDGs!」をテーマに高校生31人が討論~世界市民明石塾を開催

明石康・元国際連合事務次長が基調講演

 将来グローバル・リーダーを目指す高校生に対し、国際的な視野と主体的な課題解決力、コミュニケーション力をつけてもらうことを目的にした「関西学院世界市民明石塾」が8月4、5日、西宮上ケ原キャンパスをベースにオンラインで開講されました。今年のテーマは「Challenges for SDGs!~地球の未来~Future of Our Planet」。関西を中心に大分、愛媛、福井からも参加があり、計31人の高校生が、地球規模の気候変動や海の豊かさ、陸の豊かさなどについて課題を出し合い、これからの取り組みについて議論しました。
 

 最初に、塾長の明石康・元国際連合事務次長(元関西学院大学客員教授)がオンラインで基調講演。「SDGsは加盟国の条約とは違い、国際的な合意事項。加盟国の閣僚が毎年、成果を話し合うことになっており、NGOや企業など民間セクターが達成度などを政府に働きかけることも期待されている。これからの国連を支える大きな流れがSDGsの取り組み。この大きな流れをきちんと把握し、将来の地球を一緒に真剣に考える作業が必要になる」と問題を提起しました。
 高校生たちはその後、「地球と私たちの未来:21世紀のライフデザインとSDGs」「現役国連職員との対話セッション『気候変動・災害と人道支援』」をテーマに、坂野晶・一般社団法人「ゼロ・ウェイスト・ジャパン」代表理事や吉田明子・国連人道問題調整事務所(OCHA)神戸事務所所長らから話を聞き、意見を出し合いました。2日目には、前駐日カナダ大使のマッケンジー・クラグストン特別任期制教授の英語による講義「Environmental Action Taken in Canada~Climate Change and the Need to Build Climate~Resilient Cities」を聴き、「産業は地球温暖化の原因か?」をテーマに日本語と英語で討論しました。
 
 

 最後に、グループごとに話し合ったうえで、先進国と途上国の間の問題など世界の現状を分析し、「21世紀を担う世界市民」として現状を変えていくことや、SDGsに基づき経済、環境、社会のバランスが取れた誰一人取り残さない平和な22世紀を目指すといった内容を「地球の未来に関する青年の声明」として提言にまとめました。