2021.06.23.
マルティン・エバーツ・ドイツ総領事が来校~大学院副専攻「国連・外交コース」のセミナーで、インド太平洋政策と国際問題について講義

 関西学院大学国連・外交統括センターは6月16日、ドイツ連邦共和国のマルティン・エバーツ・大阪・神戸総領事を西宮上ケ原キャンパスに迎え、大学院副専攻「国連・外交コース」オンラインセミナーを開催しました。

 エバーツ総領事は、外交官として35年にわたり、インドネシア、台湾、ブラジル、EU諸国およびサウジアラビアにて要職を歴任され、東京の駐日ドイツ大使館でも勤務されています。大阪・神戸総領事としては2020年7月に着任されました。

 今回のセミナーは、元外交官でドイツ大使も務めた神余隆博・国連・外交統括センター長が担当する大学院「国連・外交コース」の授業科目”Seminar in Diplomacy, Peace and Security”の公開授業として実施しました。本学からは、ホルガー・ブングシェ国際学部教授、ハンス・リーダーバッハ社会学部教授、アンナ・シュラーデ産業研究所准教授をはじめ、国連・外交コース履修生や学部生ら計28名が聴講しました。また、セミナーに先駆け、エバーツ総領事は丸楠恭一副学長(国際連携機構長)と懇談。小雨の中、学内関係者とともに新緑のキャンパス内を散策しました。

 セミナーのテーマは“Germany and the Indo-Pacific-challenges, Options, Strategies”。エバーツ総領事は最初に、大学を訪れたことについて「異なる分野・立場の人々との意見交換がいかに外交官にとって貴重な経験である」と説明し、「多様な人々とのディスカッション、そしてより広い視野を得るための学術的研究は不可欠で、こうした関りなくして、新しいアイデアは得られない」と語りかけました。

 そのうえで、インド太平洋政策とそれに連なり多岐にわたる国際問題について語られました。参考文献としては、近年の多国間交渉の実際に基づいて編纂された資料として、ドイツ外務省による「インド太平洋ガイドライン」とともに、2021年5月19日に発行した「多国間交渉白書」を紹介。2021年が日独交流160周年にあたり、「理想的なパートナー国として、両国の緊密な国際協力は多国間交渉における課題解決のために不可欠」と強調されました。参加者からは熱心な質問も寄せられ、エバーツ総領事は率直かつ丁寧に答えられていました。

 最後に、神余国連・外交統括センター長は「複雑な国際問題の解決にあたっては、人々が共に考え、より友好的な共存を目指す解を共に模索すべきである。関西学院大学においては、皆が平等に意見交換できる土壌があり、エバーツ総領事とこの機会を共有できたことに心より感謝申し上げる」と謝辞を述べました。