2021.06.14.
国際学部の卒業生らが『私たちはこう生きる』をKindleで公開
経験や葛藤を書き込み、大切だと思うことをつづったエピソードを集めています
国際学部の卒業生ら有志が、「何のために大学に入学したんだろう?」「なんとなく日々を過ごしてはいるけど、このままでいいのかなあ」という思いから、学ぶことの大切さや苦しさ、楽しさなどについて考え、これからの生き方をまとめた短文集『私たちはこう生きる』が、Amazonの電子書籍Kindleで公開されました。教育学者で人生哲学を研究する「伊都猛先生」が学生に向けて短文メッセージを送り、その問いかけに対し、学生たちが自身の経験や葛藤を書き込み、大切だと思うことをつづったエピソードを集めています。(3月13日付ニュースの続報です)
取り組んだのは、今春、学部を卒業した学生を中心に10人。素直な気持ちを書き込みたいと匿名にしていますが、文章は背景を説明するコラムを除いて全て手書きにし、「文字の印象によってメッセージの受け取られ方が変わってくる」と使用するペンにまでこだわっています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大学に通えなくなった日々、「何のために大学に来たのか」「なぜ大学生だけ活動が制限されるのか」という疑問や不満を感じた学生たち。「そもそも私たちは社会や大学に意見できるほど、真摯にこれまで学んできただろうか」という考えにたどりつき、自分自身と向き合いながら「自分たちは何を大切にしたいのか、大切にすべきなのか」を追求しました。それぞれの文章には、学生たちの等身大の思いや葛藤がつづられています。
「グローバル人材?」と先生から問いかけられたのは、「天井最中」。高校時代から、英語やディベートに取り組み、大学に入ってもアメリカ人のような装いでグローバル人材になった気でいた自分に対して、「恥ずかしかった。グローバル人材を履き違えて自分は満足してたことに」「自分の育ってきた環境、ルーツ、自分自身をよく知ってこそ 他の誰かのことが理解できる」とつづります。
先生は問いかける。「人生で一番健康で美しい時の自分をなぜ人工的な化粧で隠すか」「利用しているつもりが利用されているインターネット 一日中手にしてないと落ち着かないスマホ 何を馬鹿なことに自分の貴重な時間を浪費してるのか」。これには「晶」が答える。「『綺麗』になるために右に倣っている自分がいる」「歯列矯正とか、脱毛とか やりたいことにかかるお金をザッと計算してみたら 気が遠くなったことがある」「私は一体、誰のために『綺麗』になりたくて 誰の意思で美容にお金を『かけないと』って思ってるんだろう」
先生から「経験なしで学びが勝つのは評論家 経験はあるが学びがないのは井の中の蛙」と問われた「七種恵」。「知識は十分!という気持ちになって、半年間ボランティアでネパールへ」出かけたことを振り返る。「初日から頭を殴られたような衝撃を受けた」「理想ばっかり追い求めて、現地の現実を何も知らなかった」「蛙にならないためにも 苦労して得た学びを次にちゃんとつなげよう」とつづっています。
さまざまな思いを本にまとめた学生たちは「大学生だけでなく、受験勉強をしている高校生にも読んでほしい」と話しています。書籍化も目指しています。
本文は161ページ。Kindle版の購読料は税込み250円。
Amazon販売ページ
https://amzn.to/2Sgr4As
本を書いた経緯についてまとめた手作り動画も公開しています。
前編:
https://youtu.be/e-gE_VEjIdo
後編:
https://youtu.be/3ylKstdW3NQ