2021.05.21.
「分野横断で多彩な学びを実現」YouTuberヨビノリたくみさんがKSCでクロスセッション
分野横断の意義、人気YouTuberと楽しみながら考える
神戸三田キャンパス(KSC)で5月18日、人気YouTuberのヨビノリたくみさんをファシリテーターに迎え、新設の理系4学部(理・工・生命環境・建築)とリニューアルした総合政策学部の教員5名が語り合う「クロスセッション」が開かれました。KSC再編・学部開設を記念した3大イベントのトリを飾る催しで、「大学で学んでおきたかったこと」「KSCでできる分野横断の可能性」をテーマにディスカッションを繰り広げました。コロナ対策として、会場のアカデミックコモンズへの入場は抽選で選ばれた1年生80名に限られましたが、YouTube Liveでのオンライン配信も含め、在学生、教職員約250名が話題の展開を楽しみながら、分野横断の意義について考えました。
KSCに広がる「人生の選択の幅が広がる学び」
セッションに参加したのは、理学部物理・宇宙学科の平賀純子教授、工学部物質工学課程の藤原明比古教授、生命環境学部生命医科学科の矢尾育子教授、建築学部建築学科の原哲也教授、そして総合政策学部国際政策学科の西立野修平准教授。
イベント開始直後から、たくみさんの軽快なトークで何度も笑いが起きました。「大学で学んでおきたかったこと」というテーマでは、プログラミングやデータサイエンスの必要性が強調され、平賀教授が「天文学では衛星で観測したデータの解析手法を自分で考えることが醍醐味。まさに、データサイエンスなのです。自分の思考を実現するツールとして、ぜひ学んでほしい」と語りかけました。また、原教授は「生物学は建築の構造を考えるうえで参考になる」と話し、たくみさんから「建築と生物が結びつくとは思いもしなかった」と驚きの言葉がでました。
「KSCでできる分野横断について」のテーマでは、AI活用やベンチャービジネス、都市デザイン、環境など、話題性のある先端的な科目が学部の垣根を越えて学べる「KSC分野横断科目群」について、藤原教授が紹介。「都市開発や環境分野など、製造業以外への就職も可能になる。人生の選択の幅が広がる学びです」と、新たな教育システムの意義を説明しました。たくみさんも「実際に自分の研究を始めるまで何が必要かはわからない。だからこそ、いろいろな学びやツールに触れ、何ができるかを知っておくことが重要」と分野横断の必要性について強調していました。
止まらない質疑応答 違った視点や意外な意見を得られた
質疑応答では、会場とオンライン双方から多くの質問が寄せられました。総合政策学部の女子学生が「高校時代は数学や理系科目をあまり深く学んでこなかったが、これから学ぶ必要はあるでしょうか」と質問すると、藤原教授が「大学の学びや自分の研究を進めていく中で必要だと感じた時点で、戻って深く学べばよい」と回答。たくみさんも深くうなづいていました。
理学部の女子学生が「何に突き動かされて研究を続けているのですか」と質問すると、西立野准教授が「時間と労力を使うなら、社会のためになりたい。そして、自分が世界に認められることの喜びの二つです」と回答しました。
また、生命環境学部の女子学生が「なぜ企業ではなく、大学で研究する道を選んだのですか」と投げかけると、矢尾教授が「企業の研究所でも大学と変わらない研究ができるが、大学の方が自分の専門分野を追究でき、教育にも携われるため大学を選んだ」と自身の経験を紹介。学生たちはメモを取りながら熱心に耳を傾けていました。
イベントは約80分、あっという間に終了となりました。オンラインの参加者からは「分野の違う教授からの様々な違った視点や意見を得ることができ、それに対して意外に感じたり、考えを深められたりと、とても貴重な機会を得られた」というコメントも寄せられました。終了後も、聞きたいことがある多くの学生のために、たくみさんは時間の許す限り、質問に答えてくれていました。