2021.04.01.
西宮上ケ原キャンパスで大学・大学院入学式(2021年度春学期)~14学部に約5800人、大学院に約550人が入学

感染対策を講じたうえで挙行

関西学院大学は2021年度春学期入学式を4月1、2日、西宮上ケ原キャンパスの総合体育館で行いました。新設の理学部、工学部、生命環境学部(理工学部から改編)、建築学部を含む14学部に約5800人が入学しました。昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で式典を中止せざるをえませんでしたが、今年は座席の間隔を十分に取るなど感染拡大防止対策を講じ、かつ、従来の3回を4回に分けて実施しました。

村田治・関西学院大学学長は式辞で、祝福の言葉を述べた後、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響やポストコロナ社会における世界の変化について見通しを説明し、「SDGsへの関心が示しているように、世界の価値観が大きく変わろうとしています。自己自益の追求だけでなく、社会貢献へ参画する方向に、世界の価値観が転換しつつあります。関西学院には、初代学長のC.J.Lベーツ先生の提唱したスクール・モットー“Mastery for Service”があり、ベーツ先生はこの言葉に続けて『我らは弱きを欲しない。強からんこと、主たらんことを願う。しかし我らが主たらんと願う目的は、己れ個人の富を積むことではなく、世に仕えることでなくてはならない』と自己を修養するために強くあれ、自分の利益のためだけでなく世界人類のために自分を鍛え強くあれ、と訴えられています。ポストコロナの社会に求められている価値観ではないでしょうか」と語りかけました。

そのうえで、「世界が大きく変わるポストコロナ時代を見据えて、新たな価値を創造する力、対立するやジレンマを克服する力、責任ある行動をとる力などの変革を起こすコンピテンシー(能力・資質)が求められるでしょう。これらを身につけるには、大学時代に何でもよいですから徹底的に打ち込むものを持つことです。実行して欲しい重要な点は、必ず複数のことにチャレンジすることです。AIに関する学習、勉学とクラブの両立、専門の勉強と海外留学や学外での活動、複数の学部にまたがる勉強というように、必ず二つのことを同時にチャレンジしてください。イノベーションや創造性は、異なった領域に属する知識や知恵が結合した時にしか生まれません。大学の在学中に、自分自身にチャレンジし自己を鍛え、世界に羽ばたいて世界人類の幸福に貢献するという『高い志』を持った『Mastery for Serviceを体現する世界市民』に育ってほしいと心から願います」と激励しました。

舟木讓・関西学院長は祝辞で、コロナ禍で表面化した経済や国家間を超えた格差や垣根について説明。「92年前に関西学院が『上ケ原キャンパス』に移った時の院長がベーツ先生です。ベーツ先生は、“we have no fences”と残しました。現在も西宮上ケ原キャンパスは開放的ですが、移転当時の『上ケ原キャンパス』は形状から壁や垣根がありませんでした。たんなる形状だけの話ではなく、教職員と学生、学問分野を分かつ垣根もなく、大学と社会、国境という垣根すら意識させないラーニングコミュニティを表し、大学そのものや人々が目指す姿を現しています。関西学院に関わる人々の性格、能力、育ってきた環境、さらには国籍、言語、民族も違います。その違いは壁や垣根ではありません。関西学院大学での生活で、多様性が持っている豊かさに気づき、自分の内にある能力を掘り起こし、格差や垣根を取り除ける力を身につけてください」と激励しました。

2021年度春学期の大学院入学式が4月3日、西宮上ケ原キャンパスの総合体育館であり、約550人が入学しました。