2021.03.13.
国際学部の学生、卒業生が学びの過程をたどった本を2冊出版

『私たちが勉強する意味』『私たちはこう生きる』~關谷武司教授のゼミ

 「大学生活における自分たちの気づきや葛藤、決意を社会に発信したい」。開発途上国における教育開発などを専門とする国際学部の關谷武司教授のゼミで学ぶ学生と卒業生たちが、『私たちが勉強する意味 -最高に楽しかったブラックゼミ-』『私たちはこう生きる』の2冊の本を出版します。留学経験なども交え、「学ぶ意味」を徹底的に問い直した学生たちが、今後の人生における生き方や在り方を考え、そしてそこに至るまでの成長のストーリーや思いをまとめています。出版は3月末から4月中旬ごろの予定です。

毎週火曜日に実施している勉強会の様子

毎週火曜日に実施している勉強会の様子

『私たちが勉強する意味~最高に楽しかったブラックゼミ』

 『私たちが勉強する意味』は、勉強をするために入った大学で、まじめに学ぶ学生が少ないことに強い疑問を抱いた4人の女子学生が「そもそも勉強する意味って何だろう」を追い求め、悩み、成長していく自分たちの姿をそのままつづったドキュメンタリーです。關谷教授の厳しい問いかけに食らいつきながら、さまざまな文献にあたり、他大学の学生や海外の知人・友人にまで声をかけて実施したアンケートから得られた結果をもとに、勉強する意味を様々な角度から何度も考え、追い求めます。
 著者の一人、田中真央さん(国際学部4年生)は「調査や勉強会を重ねる中で、大切なのは学び続ける姿勢を持つことだと気づきました。大学という制限のない自由な環境で、どのように行動し、身に付けた知識やスキルを何のためにどう使うのか。そういったことを考えられるようになりました」と自身の変化を口にします。一緒に活動したメンバーについても「本の出版という未知のゴールに向かうことは想像以上に大変で、衝突や涙もありましたが、一緒に本気で何かに取り組める友人と出会えたことが嬉しい」と振り返ります。
 正解のない問いに対して、もがきながらも大きく成長していく彼女たちが考える「勉強する意味」とは何か。読みながら、一緒に考えてみてください。
 

出版に向けて意見を出し合う学生たち

出版に向けて意見を出し合う学生たち

『私たちはこう生きる』

 『私たちはこう生きる』は、教育学者で人生哲学を研究する伊都猛先生が学生に向けた短文メッセージに対して、關谷ゼミの学生たちが自身の経験や葛藤などを赤裸々に綴った人生訓・エピソード集です。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大学に通えなくなった日々、「何のために大学に来たのか」「なぜ大学生だけ活動が制限されるのか」という疑問や不満を感じた学生たちが、「そもそも私たちは社会や大学に意見できるほど、真摯にこれまで学んできただろうか」という考えにたどりつき、自分自身と向き合いながら「自分たちは何を大切にしたいのか、大切にすべきなのか」を追求しました。「少しでも自分たちの思いが伝わる形にしたい」と文章は全て手書きにし、「文字の印象によってメッセージの受け取られ方が変わってくる」と、使用するペンにまでこだわりました。
 それぞれの文章には、学生たちの等身大の思いや葛藤が綴られています。大学に入学した当初、英語やディベートに取り組み、アメリカ人のような装いでグローバル人材になった気でいた自分に対して『恥ずかしかった。グローバル人材を履き違えて自分は満足してたことに』、みんなと一緒のことをしていないと不安な自分に対して『私なんかが「オンリーワン」を目指していいのか』といった思いがつづられています。原稿は約200ページ。取り組んだ一人は「社会の空気に合わせた表面的な表現では誰にも響かない。でも、言葉や表現を間違えれば、それはただの愚痴や文句になってしまう。メンバーとのミーティングを重ねることで、少しずつ自分の伝えたいことが鮮明になり、自分の言葉で表現することができました」と振り返ります。
 最後に、後輩へのメッセージを聞くと、「自分がどう生きたいか、どう在りたいかを考えることで自分に必要な行動や挑戦が見えてくる。関学はその挑戦に応えてくれる。自ら学びを得るような主体的な姿勢を大切にして、大学生活を送ってほしい」と話してくれました。
 

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