2021.03.09.
ヤマネの学習を通じ、島根・隠岐と三重・尾鷲の小学校がオンライン交流

湊秋作・教育学部教授が指導~環境保護と開発の課題などを意見交換

ニホンヤマネ(ヤマネ・いきもの研究所提供)

ニホンヤマネ(ヤマネ・いきもの研究所提供)

 「森の妖精」ともいわれるニホンヤマネ(国の天然記念物)を3年以上、学習教材の一つとして活用してきた三重県尾鷲市の尾鷲小学校と島根県隠岐の島町の中条(なかすじ)小学校の児童が2月19日、オンラインで互いの活動や学習成果を発表しあう交流会を開きました。国内のヤマネ研究の第一人者で、両校に指導に出かけていた関西学院大学の湊秋作・教育学部教授(ニホンヤマネ保護研究グループ会長、「ヤマネ・いきもの研究所」代表理事)が企画したもので、約350キロ離れた両校の子どもたちはWEB画面を通して、地域のことやヤマネについて学んだことを披露し合いました。 

 参加したのは、尾鷲小学校の6年生87人と、中条小学校の5、6年生21人。それぞれ、最初に自分の地域の気候や特色、特産物、方言などについて紹介。その後、ヤマネに関する学びの成果を発表しました。5年間にわたって取り組んできた尾鷲小学校の6年生は、ヤマネが好む植物を学校で栽培していることや建設中の高速道路に関して必要性とヤマネが生息する森への影響などについて報告。総合学習でヤマネの調査などに取り組む中条小学校の児童は、冬眠中のヤマネを見つけたこととともに、隠岐にいる珍しい動物としてオキサンショウウオやオキノウサギを紹介し、地域に豊かな森があることの大切さなどをアピールしました。 

 湊教授は「遠く離れている学校で学びの内容・方法が異なっても、リモートを通して、同じヤマネを学んでいることで交流できた。ヤマネが生息する森が近くにあることはすばらしいこと。これからもヤマネに関する学びを通じて、子どもたちが成長してほしい」と話していました。