2021.03.11.
宮古教会と結んで東日本大震災の追悼礼拝~42人が参加

森分牧師「遠くにいてもできる支援はある」などとメッセージ

 学校法人関西学院は、東日本大震災の発生から10周年となる3月11日、犠牲者を追悼する記念礼拝を、西宮上ケ原キャンパスのランバス記念礼拝堂からZoomを使ってオンラインで行いました。教職員や学生ら学院内外の関係者42名(オンライン36名、現地6名)が参加。10周年ということで、岩手県宮古市で大震災に遭い、今も現地で認定こども園園長を務める森分和基(もりわけ・かずき)牧師が、オンラインで当時の状況を振り返りながら、「遠くにいてもできる支援がある。被害者を想う気持ちをどうやって届ければいいのか考えたい」とメッセージを届けました。犠牲者に思いをはせるとともに、災害被災地の支援のあり方を考える礼拝となりました。

 関西学院は毎年3月11日、記念の礼拝を開いてきました。新型コロナ感染症の影響を受け、今年はオンラインとしたものの、宮古教会と結んで大震災の発生時刻である14時46分を迎えました。司式を務めた井上智・宗教センター宗教主事も大震災発生当時、岩手県紫波町で牧師をしていて被災しています。

 宮古教会でも約10名が参加しました。森分牧師は、当時の様子について、自らは高台にある幼稚園(当時)にいて直接の津波被害を受けなかったものの、2メートル浸水した宮古教会周辺には翌日、車が7台折り重なるように押し流されてきていて、教会の床はドロドロの状況だったと説明。小さな教会はその後、各地から集まるボランティアのセンターのような役割を果たし、約1年間、被災者に支援物資を配る基地になったという。森分牧師は災害直後に電話が集中することの弊害や、送られてくる支援物資の中身の問題などについてふれたあと、生活保護の受給者からも生活費を切り詰めて献金が届いていること、表情が消えた子どもに笑顔を取り戻すことに腐心してきたことなどを紹介し、「10年という時間を考えると、たくさんの祈り、励ましに支えられた」と振り返りました。「現場に行かなくてもサポートできることはある。良かれと思ってしたことも被災者の気持ちを傷つけることがある。10年という区切りに、被災者を想う気持ちをどうやって届ければいいのか考えたい」などと語りかけました。