2021.01.14.
「Withコロナと災害~どう創るニューノーマル」をテーマに「復興・減災フォーラム」開催

1月9、10日~2日間で延べ約250人聴講

災害復興制度研究所主催

 地震や水害など過去の被災地の経験やその中で得られた知恵を共有する「2021年復興・減災フォーラム」が1月9、10日、関西学院西宮上ケ原キャンパスの関西学院会館で開かれました。関西学院大学災害復興制度研究所が毎年開催しているもので、今年は新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないなか、「Withコロナと災害~どう創るニューノーマル」をメーンテーマに、9日に全国被災地交流集会「円卓会議」、10日に基調講演とパネル討論を行いました(日本災害復興学会共催、朝日新聞社後援)。発言者や講師の一部はオンラインで参加し、2日間合わせて延べ約250人(Zoom聴講者も含む)が聴き入りました。

 全国被災地交流集会「円卓会議」のテーマは、「Withコロナと災害ボランティア~立ちすくむ社会から見出す新たなつながり」。第1部では、コロナ禍のなかで発生した2020年7月の豪雨災害の際、現地で活動した熊本学園大学、熊本大学、大分大学、秀岳館高校(熊本県)の学生・生徒が現地での取り組みを報告。それを聞いて、関西の学生がどのように感じたかを話し、何ができるのかについて議論しました。本学からは熊本地震現地ボランティアの経験者2名が登壇しました。

 第2部では、コロナ禍における支援のあり方について、阪神淡路大震災や中越地震、東日本大震災後に現地で活動した方々と、被災地で活動を行う支援団体の人たちが話し合いました。コロナ禍においては「対話」の機会が減っていることを危惧する一方、外部の支援に頼れない状況が26年前の阪神淡路大震災とも共通する部分があるという意見も出されました。被災者を中心とした支援はボランティアの原点であることが確認されました。

 2日目は、最初に株式会社日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんが「Withコロナと災害~どう創るニューノーマル」をテーマに基調講演。新型コロナウイルスの現在の感染状況とともに、災害に対して地域がどのように対応しているのか、どう対応したらいいのかについて語りかけました。

 その後、「新たな社会の再生に向けて~現場からのメッセージ」と題したパネル討論がありました。災害復興制度研究所顧問の岡田憲夫・京都大学名誉教授をコーディネーターに、東日本大震災後に福島県飯館村のアドバイザーを務め、現在はコロナ禍で飲食店や介護事業所などで感染症専門医と対策レッスンに取り組む西澤真理子さんと、東日本大震災後に千葉県から岡山県、さらには鳥取県智頭町に移り住み、ビール醸造とパン製造販売に取り組む渡邉格さん、麦倉哲・岩手大学地域防災研究センター教授、栗田匡相・関西学院大学准教授が話し合いました。それぞれが、異業種の現場に身を置かれる立場において、小さな現場で動き続けることの大切さ、そして、考える・行動することが大切であることが共有されました。

 詳しくは、1月16日付朝日新聞朝刊で紹介される予定です。