2020.10.17.
牛突き大会の継承や絶景スポットのアピール方法など離島の課題解決策を探る

教育学部で島根・隠岐高校の隠岐ジオパーク研究オンライン発表会

高校の教室で発表する生徒たち

高校の教室で発表する生徒たち

 島根・隠岐高校の生徒たちが約1年かけて取り組んだ研究成果を発表する隠岐ジオパーク研究オンライン発表会が10月13日、教育学部の学生や教員が参加して行われました。高校の教室から7チーム23人が、隠岐の島町の南西部にある都万(つま)地区に残る牛突き大会の継承策や絶景スポットとして注目される「前の洲」のアピール方法などについて報告。本学からは昨年「教育課題探究実習」で同高校を訪れた学生や教員が聴き入りました。

 この発表会は昨年、生徒たちが関西研修旅行の一環で本学を訪れて初めて開催。学生や教員たちと意見を交換しましたが、今年は研修旅行が中止になる一方、本学の学生が同高校へ出向いていた探究実習もできていません。生徒たちの研究への助言もオンラインで実施していました。

動画作成のために生徒たちが描いた絵コンテ

動画作成のために生徒たちが描いた絵コンテ

 研究のフィールドとした都万地区は、過疎化が進み、農業・漁業の後継者不足や高齢化が顕著な地域。生徒たちは、高齢化や後継者の問題をはじめ、食文化や伝統文化・行事の伝承、交通対策、観光振興など幅広い課題の研究に取り組んできました。

 「牛突きを守る」班は、毎年9月1日に行われる伝統行事「八朔牛突き大会」を次世代に受け継ぐために自分たちができることは何かを考え、全国の牛突き(闘牛)文化と比較したり、牛突き保存会長へ聞き取りをしたりし、若い世代へ動画でアピールしようと計画していることを報告。入れたいシーンや撮り方を詳細に検討して絵コンテを作成していました。また、南米ボリビアのウユニ塩湖のような写真が撮れるスポットとして知られるようになった「前の洲」の「知名度UPについて」班は、アピール方法について検討。課題として、①交通手段②アクセス方法の伝達③周辺の環境整備――の3点を指摘しました。①については1人乗り電気自動車「ジオコムス」の導入を考え、モデルコースや料金プラン等について検討。②・③についてはパンフレットの作成や看板設置などを提案しました。

 7チームが発表した後、大学側からはそれぞれについて、「伝統文化がどのようにして守られてきたかを考え、それを動画に反映させてほしい」「地域との相乗効果が期待できるアイディアを出してほしい」といったコメントがあり、波江彰彦准教授が全体講評として「新型コロナの影響もあって不完全燃焼の面もあったと思う。その思いを持って、周りの大人を巻き込みながら、自分たちの提案の実現に向けて最後までやり切ってほしい」と語りかけました。

 その後、大学や教育学部の紹介のほか、学生からは大学生活についての紹介もあり、大学に来ることができなかった生徒たちにメッセージも送られました。