2020.02.28.
関西学院大学と富士通、5Gを活用した遠隔教育の実証実験を実施
関西学院大学(注1)と富士通株式会社(以下、富士通 注2)は、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals。以下、SDGs)目標4の「すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供」の実現に向け、院内学級で5Gを活用した遠隔教育の実証実験を2月28日に実施しました。本実証では、高速かつ低遅延の5G伝送により、院内学級で学ぶ生徒に向けた水族館の校外学習を行いました。
今回、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ 注3)から5G基地局などの設備の提供協力を受け、国立研究開発法人 国立成育医療研究センター(以下、国立成育医療研究センター)内の東京都立光明学園そよ風分教室(以下、光明学園そよ風分教室 注4)と国営沖縄記念公園(海洋博公園)沖縄美ら海水族館(以下、沖縄美ら海水族館)を接続し、水族館職員によるジンベエザメの特徴や生態に関する解説や餌やりの観察を実施しています。
関西学院大学と富士通は今後も、5GなどのICT技術を活用することで、遠隔授業の実現を目指していきます。
◆実証実験の概要
1. 目的
SDGs目標4の実現を目指して、5Gによる高精細映像伝送、VRやWeb会議システムといった技術などを用いて、水族館と院内学級をリアルタイムで結び、遠隔教育・仮想体験学習の有効性を実証し、校外学習への参加が困難な生徒が海や生き物への学びを深める機会の提供を支援します。
2. 実施日 2020年2月28日
3. 実施場所
光明学園そよ風分教室
沖縄美ら海水族館 黒潮の海 大水槽
4. 実証内容
5G基地局などの設備と富士通の「FUJITSU Network リアルタイム映像伝送装置 IP-HE950」により、沖縄美ら海水族館の高精細な映像をリアルタイムに伝送することで、遠く離れた教室内にいながら校外学習を実施できるかを検証しました。
<主な授業内容>
・水族館職員によるジンベエザメの特徴・生態の解説
・4Kの高精細ライブ映像でのジンベエザメへの給餌観察
・VRを活用した魚目線でのジンベエザメの観察(ダイバーによる360度カメラの事前録画映像)
・VRを活用した魚目線での各種サメの観察(水中ドローンと360度カメラによる事前録画映像)
5. 各社の役割
関西学院大学 教育学部 丹羽研究室: 富士通との共同企画、授業内容監修
富士通: 関西学院大学との共同企画、映像伝送システム構築、水中ドローンによる360度水中映像撮影
NTTドコモ: 5Gプレサービスのネットワーク環境および対応端末の提供
国立成育医療研究センター: 実証場所提供
光明学園そよ風分教室: 遠隔教育、仮想体験学習授業の実施
沖縄美ら海水族館: 実証場所提供、遠隔授業特別講師、ダイバーによる360度水中映像撮影
◆商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
【注釈】
注1 学校法人関西学院 関西学院大学:
本部所在地:兵庫県西宮市、学長:村田 治
注2 富士通株式会社:
本社:東京都港区、代表取締役社長:時田 隆仁
注3 株式会社NTTドコモ:
本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉澤 和弘
注4 東京都立光明学園そよ風分教室:
所在地:東京都世田谷区、統括校長:田村 康二朗
<<本件に関するお問い合わせ>>
■富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・当社指定の休業日を除く)
■関西学院大学
教育学部 丹羽研究室
電話 0798-52-4434
受付時間: 9時~17時(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
広報室
電話 0798-54-6017
受付時間: 8時50分~16時50分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
12月には横浜市の病院内学級で実施
水中ドローンとVRで、水族館の様子を視聴・学習
5GやVRなどの先端技術を活用して、病院に入院中の児童生徒たちに対する遠隔教育の共同研究に富士通株式会社などと取り組んでいる丹羽登・教育学部教授は12月、Virtual Ocean Project 製作委員会の協力のもとで、横浜市の八景島シーパラダイスと神奈川県立こども医療センター内にある神奈川県立横浜南養護学校を結び、遠隔地からの水中ドローン操作とVRのバーチャルYouTuberを使って実証授業をしました。
生徒たちは病院内にある教室にいながら、特別活動の一環として非日常的な体験(校外学習等)をするもので、「海洋環境を考える」がテーマでした。生徒たちは360度カメラで水槽内を観察し、順番に水中ドローンの操作を体験。その後、水中で出合った生物が生存の危機にさらされていることを学習し、将来も水中生物が生存していくためには、どのようなことが必要かということを、シーパラダイスにいるVtuberとクイズ形式でやり取りしながら学びました。
今回(2月28日)はそれに続くもので、遠隔授業や疑似体験、仮想体験の実証実験を繰り返しながら、実用化を目指しています。実証実験につきましては、写真等の提供もできます。
【横浜南養護学校での遠隔校外学習】
文部科学省は「新時代の学びを支える技術活用推進方策(最終まとめ)」で、遠隔教育の充実を求めており、その中では、入院中の子ども教育への活用(添付P1)、疑似体験等の活用(添付P2)を進めることを求めていますので、それに添った先行研究となります。
「遠隔地からの水中ドローン操作とマイクロプラスチック問題のVTuberを使った学習」
場 所:神奈川県立横浜南養護学校・八景島シーパラダイス
日 時:12月4日(水)
対 象:神奈川県立こども医療センターに入院中の生徒(中学1年生 6名)
※重心病棟に入院中の子どももいますが、今回は上記の子どもだけが対象です。
授業名:海洋環境を考える ・・・特別活動として実施
内 容:八景島シーパラダイスの大水槽の様子を見て、館内の紹介をした後、バーチャルYouTuber(VTuber:イルカくん)が八景島シーパラダイスから生徒に語りかける。VTuberは、カメラに映った人の動きを自動的にバーチャルなイルカくんの動きに変換。イルカくんが、水中ドローンの操作を説明する。生徒が順にイルカくんのアドバイスを受けながら、大水槽で水中ドローンを操作する。数人が操作したのち、イルカくんが海洋汚染の話を始める。
イルカくんからの質問・・・>生徒に問いかける
生徒からの質問・・・・・・>イルカくんが答える
今後の海洋汚染、特にプラスチック汚染について考える