Hydrogen Energy Research Institute (HyERI)

0.所長挨拶

 2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、電力分野の脱炭素化は不可欠であり、水素発電が注目を集めています。海外の安価な再生可能エネルギーを用いて製造・液化した水素を輸入する水素サプライチェーンの構築が進められていますが、水素の供給コストが課題の1つです。大きな割合を占める液化コストの低減に対する取り組みも行われていますが、本コストをゼロにすることは原理的に不可能であり、発想を転換し、冷熱という形で液体水素に蓄えられている液化エネルギーを、気化・昇温する際に有効活用することで経済的なメリットを得ることができれば、実質的に水素の供給コストを下げることが可能となります。
このような背景から、我々は液体水素を冷媒とした高温超電導発電機の研究開発に取り組んでいます。本研究開発をステップアップし、超電導発電機を実用化してカーボンニュートラルの実現に貢献するためには、液体水素試験拠点の構築が必要であり、本Instituteはその実現に向けて活動を進めて参ります。将来的には、超電導発電機の開発拠点としてだけでなく、水素サプライチェーンの構築を目指す企業や大学の共同研究・教育の場として活用し、水素を活用した脱炭素エネルギー社会の実現に貢献します。

 

1.インスティテュート概要

水素が拓く、持続可能な未来へ ― HyERI

2025年4月に設立されたHydrogen Energy Research Institute (HyERI)は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、水素エネルギーに関連する研究・開発・人材育成を推進する関西学院大学の研究拠点です。多くの産学官のステークホルダーとの連携を通じて、社会に新たな価値を創出します。

2.活動内容

液体水素の冷熱を活用した超電導発電機の開発拠点としてだけでなく、水素サプライチェーンの構築を目指す企業や大学の共同研究・教育施設を構築し、水素を活用した脱炭素エネルギー社会の実現に貢献します。

目指す活動

産学官共創モデルの形成

神戸市と連携し、神戸空港島での研究拠点の構築を視野に入れ、既存キャンパスでは成し得なかった大規模な研究環境をフィールドに、液化水素を活用した研究領域で世界トップレベルの研究成果を生み出します。

水素社会の実現に資する人材の育成

企業や研究機関などから専門人材を積極的に招へいし、水素を扱うことができる人材の育成や、リスキリングも含めた博士人材育成に努めます。また、地域のニーズに沿った人材育成プログラムにも積極的に協力し、地域の課題解決に貢献します。

各キャンパスとの連携

神戸三田キャンパスで培った先端的な研究をさらに発展させ、各キャンパス間の相互関係の進化にも繋がるような活動を展開します。

3.メンバー紹介

所長:大屋 正義(工学部 准教授)
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副所長:田中 裕久(工学部 教授)
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研究員:西立野 修平(総合政策学部 教授)
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客員研究員:
 神谷 宏治(国立研究開発法人物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究センター 副センター長)
 東川 甲平(九州大学 システム情報科学研究院電気システム工学部門 准教授)
 仲村 直子(大学共同利用機関法人自然科学研究機構核融合科学研究所 核融合科学学際連携センター 特任准教授)
 松永 信之介(岐阜工業高等専門学校 電子制御工学科 講師)
 白井 康之(京都大学 名誉教授)

 

4.お問い合わせ

Masayoshi-Ohya★kwansei.ac.jp (★を@に置き換えてください)