なぜ関西学院大学 社会学研究科に進学されましたか？

指導を希望した陳立行先生がいらっしゃったからです。現在、陳先生は退職されていますが、社会学研究への道を示してくださった導師であり、その人格・魅力に深く感銘を受けました。初めてお話しした際、陳先生は非常に真剣に私と人生経験や研究に対する姿勢について共有してくださいました。陳先生とお話ししたことで、社会学研究への情熱がさらに深まりました。その人間的な魅力に心を打たれ、陳先生のもとで学びたいと強く思いました。

また、キャンパス環境にも惹かれました。自然が調和した美しいキャンパスは魅力的で、独自の雰囲気を持っていると思うので、関西学院大学 社会学研究科を選びました。

どういった研究に取り組まれているか教えてください。

博士論文の題目は「中国アイドル・ファンダムのジェンダー研究―95後女性ファンの文化実践を事例として―」です。

本研究では、1995年以降生まれ、高学歴、高いメディア・リテラシーを持つ中間層家族出身の女性ファンを研究対象としています。ファン文化や女性ファンに対する家父長制的なまなざしと、愛国的ナショナリズム言説という二重の抑圧構造の下で、国産アイドル・非国産アイドルの女性ファンがオンライン空間で主流言説に受容しながら、抵抗する文化実践を考察しています。具体的には、女性ファンが「アイドルとファン」というメディア・メッセージをどのように消費・再生産するのか、また、この行為の裏にある現代中国社会における若年層女性のジェンダー意識の変化や市民意識の浸透などの社会的背景を探求しています。この研究の目的は、これらの要素が女性ファンの行動や意識にどのように影響しているかを深く理解し、さらにはファン文化が東アジア諸国でどのように異なる文化的背景や政治的要因によって形成されているか、または東アジアの文化や社会の複雑な相互関係を把握することです。

大学院生の生活がどのようなものか教えてください。

専門的な知識を深めるために、論文やレポートの執筆、文献調査、データ収集などに多くの時間を費やしています。そして、自己管理と時間の有効活用が非常に重要だと感じました。大学院では自主的に活動することが求められますので、自分で研究と生活のバランスを取りながら、学習計画を立て、研究活動を進める必要があります。社会学研究科の前期課程では、カリキュラムに組み込まれている講義が多いので、忙しかったですが、後期課程では前期課程と比べて、授業が少なく、主指導と副指導の先生のゼミがメインになるので、自己管理しながら、研究を進めています。