2016年度~2019年度に実施した熊本地震現地ボランティア。
4年間で活動に参加した学生数は延べ302名でした。(現地活動が中止となった第16回メンバーを含むと延べ318名)
このボランティアに参加した学生の皆さんは何を感じ、どんな行動をしたのでしょうか?
活動が終わった今だからこそ、インタビューを通じてじっくり振り返ってもらいました!
*記載の学年は2020年度のものです。

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竹本 みぞれさん(理工学部4年生)

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活動参加回数:3回
参加した回:第2回(2016年8月)、第8回(2018年2月)、第12回(2019年2月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
高校時代に東日本大震災ボランティアに参加したことがきっかけです。当時の活動内容は、海岸沿いのゴミ拾いでした。しかし、天候に恵まれず活動出来たのはほんの数時間で、思ったように活動出来ず、大学に入ったら絶対リベンジしようと思っていました。

どんな活動をしましたか?
主に地域の方々との交流を深めることを目的に足湯やぬいぐるみ”おのくん”作りなどの工作を行いました。

参加してみてどうでしたか?
活動した夜には振り返りの時間がありました。それは私にとってとても有意義な時間でした。グループワークを通して自分の心の整理整頓がつき、次の日の活動に挑むことができました。
一つの活動でも気持ちの持ち方によって変化していくんだろうなと思いました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
私は今まで震災ボランティアというと”ゴミ拾い”や”瓦礫撤去”などの肉体的な活動だと思っていました。しかし、熊本ボランティアに参加し、肉体的活動以外にも地域の方との”コミュニケーション”をとる精神的な活動もボランティア活動になるということを学びました。この気づきは私にとって大きいものでした。
私は3回熊本ボランティアに参加させていただきました。この経験を通して、震災が起こった際に大事なことは”人と人のつながり”ということを学びました。人と人がどんどん繋がり、地域内・外・全体がつながり、日本、はたまた日本を超えて世界と全人類がつながっていくことで、災害が起こってもより大丈夫な世界になるのではないのかなと思っていますし、自分自身も多くの人と繋がり作りをしていきたいと思うようになりました。

今に活きていることはありますか?
この熊本ボランティアでは、学部学年問わず参加でき、私はそこで魅力的な仲間に出会うことができました。ここで出会った仲間と一緒に復興イベントを開催することもできました。また、多くのことにチャレンジをしている仲間なので、自分自身も復興支援活動も然り、NPO法人にインターンなど大学生活で多くのことに挑戦できました。
今でも彼らと連絡を取り、話を聞くことで”自分も頑張らないといけないな”と思わせてくれます。

ボランティアをするうえで大切なことは何だと思いますか?
”思いやり”だと思います。やっぱり人は繊細で傷ついてしまう生き物だと思います。多くの方は、自分自身が大切に思う人に対して”思いやり”を持って接していると思います。その”思いやり”をボランティア内で出会う方々にも同様に接するということが大事なのかなと思います。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
学生だからこそ地域の方々と仲良くなりやすいのではないのかなと思います。学生と違って社会人は(偏見なのかもしれませんが)何か見えない壁があるように感じます。

最後に、メッセージをお願いします!
大学生活に限らず、人生において多くのことにチャレンジしていって欲しいと思います。
私は、ボランティアに挑戦し、その経験を通して新たな考え方・新たなことをする機会を得ることができました。実際に進路も大学院進学を辞めて就職に変更しました。
人生は何があるかわかりません。わからないからこそ、多くの人と出会い、多くの経験を積んで、後悔のない楽しい人生にしていただきたいです(私もこんなことを言える立場ではないですが、”後悔しない”ことをモットーに生きています)。

参考

第2回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第8回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第12回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

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窪田 風子さん(人間福祉学部卒業生)

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活動参加回数:2回
参加した回:第4回(2017年2月)、第8回(2018年2月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
きっかけは東日本大震災でした。地震が起こった時は中学2年生で何かしたいと思っても何もできず、テレビを見て大変なことが起こったんだと漠然と思っていただけでした。何かしたいという気持ちは大学生になっても持っていて、大学2年生の時に熊本地震が起こり、前は何もできなかったから今回こそは!と思っていました。そんな時にヒューマンサービスセンター(*1)の先輩が職員の成安さん(*2)と何かできないかと考えているから一緒にやらないかと声をかけてくれて、現地ボランティアの前に行った募金活動から携わらせてもらいました。その後、現地での活動が始まりましたが、自身の都合が合わず、第4回でやっと参加することができました。

どんな活動をしましたか?
第4回では、だご汁と餃子の炊き出しをしました。交流しながら作れたらいいだろうということで、だご汁の作り方を教えてもらったり、餃子を一緒に包んだり、楽しく実施することができました。
第8回は、同じグループに中国の四川省からきた留学生がいたので、中国伝統の組み紐を編んだりしました。

参加してみてどうでしたか?
第8回では組み紐とクイズ大会をやる予定でしたが、時間の関係でクイズ大会ができませんでした。その代わりに子供たちと外で遊んだり臨機応変に対応できて、それはそれで良かったと思います。
必ずしもプログラム通りにやらなくても、あくまで交流して一緒に楽しむことを目的とするなら、それも大切かなと感じました。
仮設だけで活動してみんなで楽しんでいると、地震があったという実感があまり湧かなかったけど、2回目に参加した時に更地が増えていたり、住民さんからお話を聞く中で、やはり内心ではまだ元に戻ってないんだと感じることもありました。
子どもたちもストレスフルな生活を強いられているので、より楽しい時間を共有し一緒に過ごすということは重要だと気付きました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
ボランティアの捉えかたが根本から変わりました。はじめは「相手に何かをしてあげること」だと思っていたけど、「ただ一緒にいる」「時間を共有する」ということが大事だったのかなと振り返り(*3)で話している時に気付きました。
「なにかしないといけない」という思いよりも、ただ目の前の人に向き合うという関わりが大切で、企画(*4)はそんな関わりを作る一手段でしかなかったんだと思います。
誰かのために何かしたいと始めたボランティアだけど、この現地ボランティアや他のボランティアを通していろんな人と出会い関わる中で、自分の世界が広がっていったり、誰かのためにやったことが実は自分に返ってきているなと感じるようになりました。

今に活きていることはありますか?
私は新しいところに飛び込むことが得意ではなく、たくさん考えて勇気を振り絞らないと新しいことを始められない性格でした。しかし、いざ熊本に行ってみると楽しいし、今も繋がっている友達にも出会えたし、チャレンジすることのハードルが熊本きっかけで下がったように思います。熊本だけではなく、他の様々な活動にも参加してみようと思えるようになりました。
よく関先生(*5)から「ボランティアは出会いのきっかけ」と聞いていたけど、最初は言っている意味が分かりませんでした。しかし、熊本などでいろんな人と出会ったことで、ひとつひとつの出会いを大切にするようになり、自分の思いや考えを言葉にして伝えるようになりました。逆に言葉にできないもやもやは一体何だろうと考え続けることも大切だと気付きました。

ボランティアをするうえで大切なことは何だと思いますか?
ひとりの人として目の前の人といかに関係を作ったり、向き合っていきたいという事が伝わるようにコミュニケーションをとる事が大事だと思います。
例えば、車椅子を押すというボランティアにしてもただ押すだけではなく、どのような配慮があると心地良いのか、子供と遊ぶボランティアであれば、室内遊びがいいのか外で走り回るほうがいいのか、その人の趣味・関心やお互いにとって楽しいことを共有したうえで一緒に過ごすということが重要です。あなたの事を知りたいですと伝わるように目線を合わせて話すとか、相手を大事に思って振る舞うということが大前提で大切なことだと思います。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
考えすぎずチャレンジできること。熊本ボランティアに参加して考える機会を与えてもらったし、考えることはもちろん大事だけど、とりあえず行動できるのは強みだし、応援してもらえるのは学生ならではだと思います。社会人になるとどうしてもきちんと考えてから行動することが求められるので。私も学生の頑張りたいという思いには、社会人として素直に応援したいと思うようになりました。とりあえず飛び込んでやってみるという意識で、このようなプログラムや挑戦できる環境があるなら恐れずにチャレンジしてほしいです!

最後に、メッセージをお願いします!
熊本のボランティアを通じて、昨日まで・数時間前まで知らなかった人と関わる中で大切な誰かに変わる、普通に生活していたら出会うはずのない人と出会い小さな思い出を積み上げていくことで、その方々に思いを馳せられるようになりました。知らない人と出会いその方が大切な人に変わっていくという経験は、自分の世界が広がると思うし、不思議な感覚だけどボランティアの魅力でもあると思います。
目の前にチャンスがあれば、あれこれ考えずにとりあえず飛び込んでみてください!!

参考

(*1)関西学院ヒューマンサービスセンター(HSC):1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた、関西学院大学の学生と教員・職員が一緒になって運営してきたボランティアセンターです。2016年からはその歴史を引継ぎ、ヒューマン・サービス支援室ができました。
(*2)職員の成安さん:ヒューマン・サービス支援室の職員。初代ボランティアコーディネーター。
(*3)企画:各回、活動約1か月前から合計3回程度の事前打合せを行い、現地でどんな活動をするか参加する学生自身が考えて準備・実施しました。
(*4)振り返り:活動日の夜は毎日振り返りを行っていました。グループワークや全体での共有を通じて、言語化すること、多様な意見を聞くことを大切にしていました。
(*5)関先生:ヒューマン・サービス支援室長、社会学部教授。

第4回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第8回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

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菅 翼さん(総合政策学部卒業生)

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活動参加回数:5回
参加した回:第4回(2017年2月)、第6回(2017年9月)
第7回(2017年11月)、第11回(2018年11月)、第12回(2019年2月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
2015年に学部が主催するフィリピンでの活動に参加しました。フィリピンは台風被害(*1)を受けた国だったので、ソーシャルビジネスを提案することで復興の力になろうという取り組みでした。その体験を経て、国内でも何か人のためにやりたいと思うようになり、そんな時に見つけたのが熊本地震現地ボランティアでした。テレビで熊本地震の中継映像を見たときに衝撃を受けたので、見ただけで終わらすのではなくて、関わりたいと思ったことが理由の一つです。もう一つは、過去に現地ボランティアに参加した学生がFacebookで写真をあげていて、それを見たことも参加への後押しになりました。

どんな活動をしましたか?
色々やったのですが、特に頑張ったのは仮設住宅にくまモンを呼んだことです!(*2)
これまでは子どもたちとお年寄りの方が一緒に過ごせる時間があまりとれていなかったので、色んな世代の方が入り混じって交流する時間がほしいというのが第一にありました。くまモンを呼べばそれができるのでは?という期待を込めて、熊本県に申請して来てもらいました。実際やってみて、子どもたちやお年寄りの皆さんが楽しんでくれただけでなく、開催した場所とは別の仮設住宅に住む人たちも来てくれたりと、これまでになく多くの人に集まってもらうことができて、みんなで楽しい時間を過ごすことができました。

参加してみてどうでしたか?
現地に行ってみないと分からないことが沢山あると思いました。
第4回の活動に参加したときは、町や民家が倒壊していたり片付けが終わっていない様子を見て、まだこういう現状なんだと驚きました。それ以降の参加回では「まちあるき」(*3)をする中で、時間がたっているのにそこにある景色は変わらず復興が進んでいない様子が知れたり、現地の方と会話をする中で地震の怖さや今抱えている不安な気持ちを聞くことができたのも、現地に行かないと知れなかったことだと思います。
「これから先どうなっていくんだろう」という漠然とした不安について話をされていたのは、特に印象に残っています。普段は元気な方がそのようにおっしゃっていたので、印象深かったです。

参加する前と後で変わったことはありますか?
考え方は+(プラス)の意味で変わったと思います。例えば、「リサーチフェア」(*4)で現地ボランティアについて伝える活動をしてみるなど発信するようになったのですが、参加前はこんなことを自分がやるようになるなんて想像もしていませんでした。現地ボランティアに継続して参加する中で、現地の人が「来てくれるボランティアの人が減っていくにつれて、熊本地震や被災のことを忘れられると思うと辛い」とおっしゃっているのを聞いて、一人でも多くの人に熊本地震のことを伝えて関心をもってもらいたいと思ったことが発信するようになった理由の一つです。
それから、「耳を傾ける力」が身に付いたと思います。その人の気持ちに本当の意味で寄り添えているかはわからないですが、そうしようという姿勢を見せることが大事だと感じます。まずはその方の横に行ってそっと座るだけでも良い、他愛のない話を聞くだけでも良いので、「この人なら話を聞いてくれそう」という安心感を抱いてもらえるように、相手の話に耳を傾けるようになりました。

今に活きていることはありますか?
やったことがないことでも、「とりあえずやってみよう!」と思えるようになりました。西日本豪雨水害ボランティアバスの活動(*5)に挑戦したり、社会人になった今では全然経験したことがない部署での仕事をしていたり、一歩踏み出す力が持てるようになりました。
なぜそう思えるようになったかというと、ボランティア自体、自分の中で参加することに壁があることだったんです。なんとかその壁を越えて参加してみると、自分でも力になれることはあるんだと気付けたことが大きかったと思います。継続して参加することで住民の方や学生同士のつながりもできて、やってよかったと感じられて、やってみることの大切さに気付きました。
ただ、そのことが社会人になった今にも明確に繋げられているかはまだ自分の中でわからずもやもやを感じています。学生の頃からもやもやを感じてはそのたびに考えて、ということをしてきましたが、次から次にもやもやが出てくるので、この感覚は永久に残り続けるんだと思います(笑)。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
するうえでというよりは、僕にとってはとにかく一歩踏み出すこと(初めてボランティアに参加すること)が大変だったので、そこだと思います。そこがしんどいというか、パワーがいる部分だと思うので、活動を経験した人の話を聞いたり一緒に考えてくれる人を見つけるのが良いと思います。
だから僕は「やりたいけどどうしようかな」と迷っている人と話すときは自分の体験談を話すようにしています。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
若さは一番大きいと思っていて、たとえば子どもたちと一緒に全力で遊べたり、知らないことがあれば積極的に聞いてみたり、くまモンを仮設住宅に呼ぶなんてなかなかファンキーなことも後先考えずにやれるのは、学生ならではだったかなと思います(笑)。あと、準備に時間をかけられるのも学生の強みですね。

最後に、メッセージをお願いします!
こんな自分でもボランティアをやってみると成長できる部分があるなと思いました。もちろんもやもやする部分もあるんですが、何より一歩踏み出してみることで自分の知らなかった世界、知識や経験、そこから広がる活動があったので、皆さんもためらわずに、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?

参考

(*1)フィリピンの台風被害:2013年11月8日、台風ヨランダ(アジア名ハイエン)がフィリピン中部の島々を襲い、甚大な被害をもたらしました。
(*2)くまモンを呼んだ:熊本県に協力を依頼し、熊本県のPRマスコットキャラクターである「くまモン」が仮設団地に来てくれました。くまモン体操やゲームなどを通じて住民の方々や関学生との交流を行いました。
(*3)まちあるき:町の様子を見ながら、震災の被害や震災がもたらした影響などを考えるために実施しました。現地の住民の方にガイドしていただく回もありました。
(*4)リサーチフェア:総合政策学部で行われた「知」の祭典『リサーチ・フェア2017』に出展し、写真などの展示を行い現地の様子をボランティアに参加した学生自らが伝えました。菅さんの発案により実現した出展でした。
(*5)西日本豪雨水害ボランティアバス:2018年7月の豪雨の影響で水害の被害にあった岡山県倉敷市真備町へボランティアバスを出して支援活動を行いました。菅さんは第1回の活動に参加しました。

第4回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第6回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第7回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第11回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第12回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

熊本現地ボランティア参加学生が熊本の現状を報告 News お知らせリンク

西日本豪雨水害ボランティアバスの活動を実施 News お知らせリンク

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大森 優花さん(法学部4年生)

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活動参加回数:2回
参加した回:第13回(2019年6月)、第14回(2019年8月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
様々な災害の報道を見て、災害ボランティアをしてみたいと思っていました。また、熊本は震災前に旅行した経験や、好きな漫画の作者の出身地で、その方の積極的な復興支援を知っていたことから、特に関心を持っていた地域でもありました。
そんなとき、教学Web(*1)で第13回の募集を見つけたので、応募しました。3年生になって時間割に余裕ができたことも参加を決めた理由の一つです。

どんな活動をしましたか?
集会所では、七夕飾り作りやスイカファチェ作り(*2)など、活動時期やメンバーにちなんだ参加型のイベントを開催しました。第13回の活動時には住民の方からのご提案で、急遽トマトパスタを作ったのも印象的な思い出です。
戸別訪問では、窓掃除をしたり、ゆっくりとお話を聴いたりしました。

参加してみてどうでしたか?
「災害支援」として、できることは沢山あると知りました。
参加前はがれき撤去などの力仕事のイメージがありましたが、私が参加した回は発災から3年以上経っていました。そのため、集会所でのイベントなど「心が元気になるような活動」と、掃除や電球交換など「生活の中の困りごとを解決できるような活動」を企画(*3)しました。どこまで役に立てるのか、不安も大きかったですが、住民の方々からの温かい笑顔と言葉を受け、間違っていないのだと安心しました。
そして初めて参加した時は、私がこんなに楽しんで良いのだろうか、と戸惑いもありましたが、周りの人達の表情を見て「共に楽しむ」ことも大切なのだと感じました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
人との出会いで視野が広がったことです。活動に参加して、熊本の方々はもちろん、学部や学年の異なるボランティア参加メンバー、支援室の皆さん、ラジオでお世話になった近藤さん(*4)など、様々な方と繋がることができました。それまで知らなかった考え方や話を聞くことで、新たに知る世界があり、活動前とは違う所にも目がいくようになりました。
また、復興についてより具体的にイメージできるようになり、ボランティアのあり方に対する考えも変化しました。現地で実際に震災について見聞きして、復興は住居や道路などの形式的な整備が進んだらそれで終わり、ではなく、震災前とは違う生活になるということを感じることができました。そしてボランティアは、復興の進度に合わせた活動を考えることや、実施に向けた事前準備、そして事後活動も大切な活動だということを実感しました。
そして熊本により関心を持つようになり、関連ニュースを積極的に読むようにもなりました。

今に活きていることはありますか?
自分の思いを伝えるために、以前より積極的に動くようになったことです。活動で関わった方々に自分の思いを伝えた時に、大きな反応が返ってくることが多かったことから、「発信する力」の大きさや可能性を実感できました。だからこそ私自身、積極的に動こうと思うようになったのだと思います。
現地での活動後には、冊子制作・チャペルアワー(*5)・ラジオ番組、そしてこの体験記など、様々な方法で学んだことや感じたことを伝える機会に参加しています。家族や友人にも活動で知ったことなどを話しました。
また、別のところで、中学生時代から多くの方に知ってもらいたかった平和学習についての講演会も企画・実現することができました(*6)。このボランティア活動での繋がりがあったからこそ動き出せたので、感謝しています。

ボランティアをするうえで大切なことは何だと思いますか?
何が必要か考えて、行動することです。
「必要なことを考える」部分については、語り部の永田さん(*7)が「(被災者の方が)自分でできることまでボランティアがやってしまうと、かえって被災者に元気がなくなる」というようなお話をされていたことから更にそう思うようになりました。必要なことを考えるためには、まず相手や現地の状況を知ることも大切だと思います。
また、実際に「行動する」ことも大切です。初めは何が正解かわかりませんでしたが、自分で動いてみないとその答えも感じ取れないですし、相手にも何も伝わりません。誠意を持ち、思い切ってアクションを起こしてみるのが良いと思いました。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
この熊本地震のボランティアは、大学として2016年から継続していたため、「関学生だから」と安心して迎え入れていただけたように感じます。そして実際に交流する中で「関学生」というひとまとまりではなく、私たち学生ひとりひとりとの「出会い」も楽しんでいただけたと思います。
また、互いに何も知らない者同士だからこそ、普段話さないようなことを話していただけたとも思います。私は活動中に、被災した経験の他に戦争体験についても詳細なお話を聴き、現在の生活を見つめ直す機会にもなりました。
また、HPやラジオなどを通じて、現地の生の声や状況、活動について広く発信できることも強みだと思います。

最後に、メッセージをお願いします!
「1と0は違う」、私が大切にしている言葉の一つです。何かを一度でもやってみると、印象が変わったり、視野が広がったり、新たな出会いがあったりします。私はこの活動に参加して、この言葉が持つ意味を再度実感しました。例えば、現在も参加メンバーや現地でお世話になった方と連絡を取っていますが、これも初めの「1」があってこその繋がりです。また、「話を聴く」、「被災地の商品を買う」など、一人でもできる、ちょっとした行動でも人の支えになり得ます。
何かしたい、というような漠然とした気持ちさえあれば、ぜひできること、やりたいことを考えてみませんか。調べたり、誰かに相談してみるのもヒントになると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。この体験記をきっかけに、熊本、災害、復興、ボランティア、何か一つでも関心を持っていただけたら嬉しいです。

(*1)教学Web:関西学院大学の学生・教職員が使える学内ポータルシステム。
(*2)スイカファチェづくり:留学生も活動に参加しており、韓国のスイーツである「スイカファチェ」を住民の方と作り交流しました。
(*3)企画:各回、活動約1か月前から合計3回程度の事前打合せを行い、現地でどんな活動をするか参加する学生自身が考えて準備・実施しました。
(*4)近藤さん:西宮市のコミュニティFM、さくらFMでラジオ番組を制作しました。防災番組「いつもおそばに」のパーソナリティの近藤栄さんにご協力いただきました。
(*5)チャペルアワー:1時限と2時限の間に各学部で行われるチャペルアワーでボランティアの紹介や体験談の報告を行いました。
(*6)平和学習についての講演会:大森さんが所属する司法試験研究部が主催のオンライン講演会「他者を赦せなくなるとき、知っておきたい『赦す』という勇気がもたらす奇跡~戦争体験者らの決断~」(2020年12月15日開催)。
(*7)語り部の永田さん:第14回の活動では、益城町で語り部をされている永田忠幸さんに案内していただき、当時の様子を伺いました。

参考

第13回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第14回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

ラジオ番組「いきなり熊本ラジオ!~現状とこれまでの振り返り~」 関連ページへのリンク

ラジオ番組「kumsmo to heart 未来へつなぐ支援」 関連ページへのリンク

熊本地震現地ボランティア参加メンバーが作った冊子を公開! 関連ページへのリンク

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今村 康佑さん(国際学部3年生)

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活動参加回数:1回
参加した回:第12回(2019年2月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
大学生になって自分がやりたいこととして、留学や勉強などたくさん思い浮かぶことがあったのですが、その中の一つにボランティアがありました。高校生の時は部活で忙しくてボランティアができなかったので、大学ではやるぞ、と心に決めていました。そんな時にボランティアweek(*1)の図書館展示で熊本地震現地ボランティアのことを知り、参加を決めました。
2018年のボランティアweekは食堂が真っ黄色になっていたこともあり、インパクトが大きかったですね(笑)。

どんな活動をしましたか?
僕は子どもが好きなので、現地でたくさんの子どもたちと遊んだことが印象に残っています。元気な男の子たちと外で暴れまわっていたという感覚です(笑)。元気いっぱいの子どもたちが遠慮なく全力で遊ぶためには、僕たちも一緒に全力で遊ぶことが大事だと思うし、それが僕たちだからこそできることなのかなと思いました。

参加してみてどうでしたか?
企画(*2)をする中で、誰でも参加できるような気軽さや、男性の方も女性の方も、ご年配の方もそうでない方も、みんなが楽しめることをやるのが大事だと思いました。具体的にはハーバリウム作りや貝殻でひな人形づくりなどをしたのですが、好評で、形に残るものでもあるし、色々お話もしながらできたので良い企画になったと思います。
ただ、やってみて、子どもたちも同じように一緒にやることは難しいと気付きました。子どもたちとは単純に一緒に遊んで、大人の方とは企画を通じてお話するのが良いかなぁと。

参加する前と後で変わったことはありますか?
子どもたちと接してみた感想として、被災を経験していない子どもたちと大きく変わることがあるわけではないし、被災経験があるから特別な存在というわけではないと思うようになりました。
あとは、僕自身が直接被災を経験したことがなかったので、参加前は自分の家がなくなって大変なんじゃないかとかネガティブな部分のイメージしかなかったのですが、行ってみて現地の方と話してみると「最近手芸にはまってるんだよ」とか、子どもたちは普通に遊んでいたりとか、日常を大切に生きていることが伝わってきました。こういう気付きがたくさんあったので、ボランティアを通じて何かを「与える」というよりは「与えられて帰ってきた」という印象があります。

今に活きていることはありますか?
参加してみないとわからない世界があると思いました。留学もボランティアも大学に入って初めて経験しましたが、ニュースやネットの情報だけを見てそれだけで判断せず、自分の経験を踏まえて考えられるという意味で視野が広がりました。
住民の方と話すうちに、震災があったから不幸だというわけではなくて、日常を大切にして幸せに生きようという様子が伝わってきたりとか、仮設住宅の様子が知れたのもそうですし、あとは仮設団地にスーパー(*3)があることにもびっくりしました。
やっぱり直接「見た」「聞いた」ということが印象深くなる理由なんだと思います。

ボランティアをするうえで大切なことは何だと思いますか?
3つプロセスが大事だと思います。
➀行動する、アクションすること:きっかけは何でも良いけど、行動しないと何も始まらないので「面白そうだな」と思ったらとにかくやってみることが始まりだと思います。
②共感する:僕たちが学生としてこんなことをやっていますよということを伝えることで共感してもらえるし、逆に住民の方々がどう暮らしているか、どう思っているかを感じ取るのも共感だと思います。
③発信する:やったことを自分たちだけの経験にするんじゃなくて、多くの人に伝えることで、他の人にとって➀の「行動する」につながるきっかけが作れます。こうしてインタビューに答えさせてもらうのもそうだし、生協祭の出展(*4)など、僕たちにできる形で伝えていくことが大事だなと。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
発信力があることだと思います。被災した地域がいまどういう現状か、どんなことが求められているか、それを多くの人に知ってもらうための発信が学生の得意分野ではないでしょうか。
特に被災した地域に住む方がご高齢の方が多い場合は、自分たちで発信することがどうしても難しいと思うので、若者である学生が行って現状を伝えていくことが大事だと思います。
発信源が利害関係等が特にない学生であることで、感じたことや体験したことの話などが伝わりやすかったり、親しみやすさや共感をうみやすい等良いこともあると思います。
僕の考えでは、活動に行っただけだと何もできていなくて、行った後に何をするかがボランティアとして大事だと思っているので、特にこの「発信」という部分は僕自身が大事にしていることでもあります。

最後に、メッセージをお願いします!
行動しないと意味がないと思うので、何より行動を大事にしてほしいです。
共感や発信をしていても行動ができていないと知れないことや伝わらないこともあるので、やっぱり行動やなぁと思います。
その行動があったうえで、戦争とかとも同じで「新しい語り手」がうまれないとその教訓は止まってしまうと思うので、どんどん語り継いでいくことが大事だと思います。
今はコロナ禍で行動するといってもどうしようか悩む人もいるかもしれませんが、オンライン環境の中でも情報をインプットするツールはあるし、面白そうなオンラインイベントの案内があったらとりあえず参加してみるとか、関心があるものを目にしたら参加するというのをまずは一つやってみるとその先が広がると思います。
参加しないといけない理由もないんですが、参加しない理由もないと思うので、それだったら参加したほうがお得だと思います!

参考

(*1)ボランティアweek:毎年12月に開催している、「ボランティア」について多くの人に広めたり考えを深めたりするイベントです。2018年は「関学をジャック!!!」と題して食堂などキャンパス内のいたるところに「ボランティアって何?」と書かれた黄色いポスターを貼りました。
(*2)企画:各回、活動約1か月前から合計3回程度の事前打合せを行い、現地でどんな活動をするか参加する学生自身が考えて準備・実施しました。
(*3)仮設団地にあるスーパー:テクノ仮設団地内に「イオン」が仮設スーパーを開店していました。木山仮設団地への仮設集約により、2020年6月6日に閉店しました。仮設に住む多くの人々の暮らしを支える取り組みだと注目されていました。
(*4)生協祭の出展:熊本地震現地ボランティアに参加した学生有志のメンバーでチャリティーイベントとして「レモネード大作戦」「うまイモん甘酒」等の企画で出店しました。

ボランティアweek2018実施報告 News お知らせリンク

第12回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

学生有志による活動 関連ページへのリンク

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栗林 千佳さん(理工学研究科M1)

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活動参加回数:3回
参加した回:第4回(2017年2月)、第6回(2017年9月)、第8回(2018年2月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
誰かの役に立ちたいという思いがあり、ボランティアには以前から興味があったのですが、参加するきっかけも勇気もなかったんです。でも、同じ学科で仲が良い友達が第2回の現地ボランティアに行っていて、私もやってみようと思ったのがきっかけでした。
その後も現地の方とのつながりが1回で途切れてしまうのは嫌だと思って継続して活動に参加しました。3回の活動に参加した後は、ボランティアのメンバーとしてではなく、個人として現地の方との関係性を継続したいという思いから個人的に現地を訪れるというやり方に切り替えました。

どんな活動をしましたか?
①仮設住宅で住民の方と交流する
②まちあるきで被災のことを知る
③南阿蘇で観光について考える
という3つを中心に活動しました。
仮設での活動はたくさんの現地の方と関わることができたので特に印象に残っています。初めて参加した時(第4回)は熊本の名産でもある「だご汁」作りを通じてたくさん交流しました。あえて現地の名産品を作ったことで、住民の方々から作り方を教えてもらう場面もあったことが良かったです。
まちあるきは現状を「見て、学ぶ」ことができたので印象に残っており、阿蘇大橋が崩落した現場の見学については複数回活動に参加したことで景色の変化についても気付くことができました。

参加してみてどうでしたか?
もちろん、現地の方々と一緒に過ごせて楽しかったということが一番にくるのですが、すごくもやもやしたというのも率直な感想です。被災地に支援に行っているものの、すごく好意的に受け入れてもらっているという状況があまり自分の中で整理できなくて。現地の方々が「被災者」として自身のことを受け入れているからこそボランティアを好意的に受け入れて迎えてくれているのかな?とも思うのですが、私自身はボランティアとして現地の方々のご厚意に甘えるこの接し方で良いのだろうかともやもやした覚えがあります。もし逆の立場で、私自身が被災者だったら「ボランティアを受け入れたくない」という思いも沸くのではないかなと思っていて、だから違和感を覚えたのかもしれません。 思い返してみると、ボランティアとしてではなく個人的に現地の方に会いに行くようになったのも、このもやもやがあったから関わり方を変えたんだと思います。

参加する前と後で変わったことはありますか?
熊本のことが身近に感じられるようになったことです。熊本で台風や大雨の影響があったと聞くと、現地の方の顔と名前が思い浮かぶようになり、大丈夫かなと心配するようになりましたし、そういう意味で身近になりました。 もう一つは、ボランティアに対するイメージが変わったことです。敷居が高いイメージだったのですが、気軽に参加できるものなんだということがよく分かりました。自分でもできることがあるんだと思えたのは大きかったですね。
あと、色んなボランティアの仕方があることも知れました。がれき撤去から心のケアまで、活動は幅広くあるんだなと。 後日違うイベントに参加した時に、写真洗浄の活動をしているボランティアの人と出会ったのですが、こういう活動もあるんだ、と驚きました。色んな関わり方ができるのはボランティアの魅力だと思います。

今に活きていることはありますか?
この質問、難しいですね(笑)
大学院で熊本の地下水を研究テーマにしているので、間接的にではありますが活きていることかなと思います。
あと今も現地の方との繋がりがあることは自分の中で影響が大きくて、年賀状を送ったり電話をしたり、直接現地へ会いに行ったり、年に1回はやり取りをするようにしています。話したいなぁ、会いたいなぁと思う気持ちと、「忘れられたくない」じゃないけれど、どういう風にしたら覚えていてもらえるかというのは考えますね。関学生だけでも300人くらいが現地の方と会っているわけだし、現地の方からすると他にも多くのボランティアさんと関わっていると思うので、その中でいかに覚えてもらえるかは意識しています。やはり覚えていて欲しいので。
そのうえで、どういう状態が「現地の方と繋がっている」といえるのか、今も悩みます。「繋がり」はこれまでも、これからも大切にしたいと思います。

ボランティアをするうえで大切なことは何だと思いますか?
心とか気持ちはもちろんなのですが、「ボランティアに行く目的」が大切だと思っています。
それは相手にとっての目的でも良いし自分にとっての目的でも良いと思います。
実は私が現地で活動した時に「何しにボランティアにきたん?」と現地の方から言われ、はっきり答えられなかったこともあって。目的を考えて行くことは大事だなと実感しました。
あと個人的には参加して出会ったからにはできる限りその関係性を継続したいと考えているので、中途半端な関わり方をしないようにしています。だからこそしっかり関わりを持てるように、どんな人と繋がるか、どのタイミングで関わるかを考えて行動するようにしています。
 

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
「学生だから」現地の方に受け入れてもらえたということは大いにあると思います。
個人として行くよりも身分が分かっている分安心して受け入れてもらいやすいし、大人とも子どもとも接しやすい年齢なので、関わる世代の幅の広さも要素としてあると感じます。
被災地に子どもの遊び場がないという背景などもあるので、無邪気に子どもたちと遊ぶことも学生に求められていることだと思います。

最後に、メッセージをお願いします!
私自身がそうだったからという視点でしか言えませんが、ボランティアは現地の方々のためにする、現地を知るためにする、ということだけではなく、自分自身について知ったり考えるきっかけにもなる活動だと思います。なので、機会があれば活動に行ってほしいです。
私の場合は自分が「被災地」や「被災者」をどう捉えていたかとか、人との繋がりを大切にしたいという信念があるんだなとか、そういう気付きがありました。
自身の得意不得意や、やりたいこと・やりたくないことを知るために、現地へ行って活動してみるのも良いのかなぁと思います。

参考

第4回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第6回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第8回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

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神保 千琴さん(法学部2年生)

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活動参加回数:2回
参加した回:第13回(2019年6月)、第15回(2019年11月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
入学した時にキャンパスライフABC(*1)の学生CO(*2)のブースに熊本地震現地ボランティアの応募チラシが置いてあり、活動内容などの説明を聞いて興味を持ちました。
実際に被災地に行って災害ボランティアをする機会は滅多にないし珍しいと思い、友達と一緒に応募し参加しました。

どんな活動をしましたか?
戸別訪問ではコーヒーを淹れて住民の方とお話をしたり、集会所ではハンドアロマやおはぎ作りをしました。子供と交流する時間も多く、お絵かきや鬼ごっこもしました。
色んな活動の中でも第15回の活動で行った窓ふきが印象に残っています。思っていたよりもたくさんの依頼があり、1人につき1軒担当しました。窓ふきが終わってからはお宅に上がらせてもらい、お茶をいただいたりお話もできてより深い交流ができました。

参加してみてどうでしたか?
いい意味でイメージと違いました。被災地というと何となく暗いイメージがあり、自分は被災してないのにどのように交流したらいいのだろうと不安がありました。しかし地震から3年経って、被災者の方はとても前向きな気持ちに移っていて驚きました。被災者の方から生の声を聞くことができたのは、とてもいい経験だったと思います。
3年経ったらもう復興しているだろうと思っていたけど、まだ道路など直っていないところもあり、次の家をどうしようなど3年経ったからこその新たな悩みや課題も生まれていました。
またボランティアで子供と関わるのが初めてだったので、始めはどう接したらいいのかわかりませんでした。しかし教育学部の学生が子供と交流しているところを見て真似をしてみたりと、参加学生から学ぶこともありました。
 

参加する前と後で変わったことはありますか?
災害ボランティアは災害だけがメインだと思っていましたが、被災地で高齢者や子供と交流し関わることで、災害以外のジャンルへの興味も広がりました。
お祭りで子供向けのブースのお手伝いに参加したり、老人ホームなどの高齢者施設で交流するというような活動にも参加するようになりました。

今に活きていることはありますか?
災害への意識が高まりました。家族で話し合い避難所を決めたり、今後の災害に備えるきっかけになりました。先日の熊本豪雨など災害関連のニュースにより興味を持つようになったり、今でも熊本で関わった方に連絡を取ったりしています。現地に行ったり、連絡を取ったり、情報発信したりと考えるだけではなく行動に移すことが大切だと思います。

ボランティアをするうえで大切なことは何だと思いますか?
熊本での活動中、企画の内容にとらわれすぎて思い通りに進まないことがありました。班の活動で自分が提案した企画を行ったので、きちんとやり遂げないといけないという意識が強く、作業に集中しすぎて被災者の方とコミュニケーションを上手にとることができませんでした。交流の時間をきちんと持つことが大切だと実感したので、住民の方とのコミュニケーションを大切にするよう心掛けました。
また、活動に参加した学生同士で新たな災害支援の企画(うまイモん甘酒(*3)、ラジオ制作(*4)など)を考えて実行するときに声をかけてもらい、そこでも活動の幅が広がりました。現地に行くだけではなく人とつながること、活動を継続することも大切だと思います。
 

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
遠くから来た知らない学生だからこそ本音を言えたり、心配事を話せたりしたのかなと思います。身近な人の大半は被災しており、お互いに苦労しているので話すのも難しいと思います。被災地につながりのない学生だから相談に乗ったり話を聞くことができました。
また被災地での経験や被災者のお話を聞いて、うまイモん甘酒のような企画につなげることができたり、この熊本体験記のようにいろいろな形で多くの人に発信できるのは学生ならではなので、大切な機会だと思います。

最後に、メッセージをお願いします!
この体験記をきっかけに災害ボランティアはもちろん、他のジャンルのボランティアにも興味を持ってほしいです。
まだボランティアを経験したことがない人は、ボランティアの世界に一歩踏み出したら今まで出会ったことのない人との交流だったり、経験したことのない貴重な体験ができると思うので、ぜひ新しいことにチャレンジしてほしいと思います。
ボランティアをやったことがある人は、違うジャンルの活動にも挑戦するきっかけになれば嬉しいです。
 

参考

(*1)キャンパスライフABC:新入生向けのオリエンテーションで、ヒューマン・サービス支援室からもボランティア紹介や相談コーナーを出展しました。(2020年度から名称が『KGLIFE』に変更しています。)
(*2)学生CO:学生コーディネーターの略称。ボランティア紹介やイベント啓発活動を通じて関西学院大学のボランティアの活性化に取り組んでいます。
(*3)うまイモん甘酒:熊本地震現地ボランティアに参加した学生有志のメンバーでチャリティーイベントとして出店しました。
(*4)ラジオ番組制作:西宮市のコミュニティFM、さくらFMでラジオ番組を制作しました。

第13回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第15回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

チャリティー活動「うまイモん甘酒」 News お知らせリンク

ラジオ番組「いきなり熊本ラジオ!~現状とこれまでの振り返り~」 News お知らせリンク

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沖本 祐基さん(文学部4年生)

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活動参加回数:1回
参加した回:第9回(2018年6月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
1年生の時に震災のイベントに参加をしていたり、地元の広島で豪雨災害があったりで、ずっと災害系のボランティアに参加したいと思っていました。1年生の頃、学生CO(*1)として活動している時に支援室の職員に災害ボランティアに興味があるということをよく話していたら、この熊本のボランティアのことを教えてくれました。1年生から応募していたけど2年生になってやっと参加できました。

どんな活動をしましたか?
第9回は「何でも屋さん」という企画を初めて実施した回で、その内容を考えた班でした。住民さんから家を訪問して些細なことでもいいからお手伝いできるような企画をしてほしいという要望があり、メンバーで話し合って実施しました。
実際に訪問してみると、キッチンの換気扇のフィルターを変えてほしいとか畑仕事を一緒にしてほしいなどの依頼をいただきました。

参加してみてどうでしたか?
学年・学部を問わず色んな人と関わることができて、熊本から帰ってきても繋がっているのは嬉しいです。そして、行く前よりも災害に対する姿勢が変わりました。今までは震災が起きても他人事になってしまう自分がいて、そんな自分を変えたいと思い熊本ボランティアに参加しました。住民の方との会話や参加学生との意見交換を通して、他人事ではなく自分事として考えるようになったし、現地に行かなくても何らかの形でできることを考えるようになりました。
募金活動や友達に災害について話題を振って話してみたり、その出来事を風化させないために些細なことからでもやってみるという姿勢に変わりました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
ニュースなどで『熊本』というワードがあったら「なんかあったの?」と思って積極的に調べるようになりました。何もなかったら安心するし、自分事として自分の地元のような感覚を持つようになりました。
他にも避難所や防災関連のイベントに参加するようになりました。西宮市や神戸市の避難訓練に運営スタッフとして参加したり、実際に災害が起こった時のために知識や経験を増やしたいと思い様々なイベントに参加しています。
また、熊本の食べ物が美味しいということを知り、熊本の商品を沢山買うようにもなりました。
スイカが苦手だけど、現地の方がスイカを出してくれてせっかくだし食べようと思って食べてみたら、とても美味しくてびっくりしました。そこからスーパーで熊本産のものを見つけたら買いたくなります。

今に活きていることはありますか?
現地の方と関わるうえで、孤独を感じている人や心を閉ざしてしまって話せない人などもいますが、人の気持ちを汲み取って聞き入れて形にしていくことが大切だと思います。その中でも特に「傾聴力」が一番大事だと気付いたのがこの熊本のボランティアでした。
初めは現地の方と普通に話せると思っていたけど、実際に行って話してみると会話がかみ合わないことがありました。話すことよりも相手の話を聞くことが大切で、話を聞きながら相手はどんな気持ちで、どういう思いで話しているのかを考えるようになり、以前よりも人の話を聞くことができるようになったし、相手の話の本質を見極めてコメントを返せるようになりました。この「傾聴力」は他のボランティアや介護施設でのアルバイトでも活きていると思います。

ボランティアをするうえで大切なことは何だと思いますか?
まず楽しむこと!どんなボランティアでも自分が暗かったら連鎖してその場の雰囲気全体が暗くなってしまいます。自分から楽しいと思うことを見つけに行く、そして誰よりも自分が楽しむことを意識しています。そこから周りの人の楽しみの力になるように行動するということが大切だと思います。
ボランティアに関わらず行動する時は必ず意識していますが、特にボランティアはこれが一番です!

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
沢山の居場所ができて、そこで新しい事にチャレンジできました。
なんでもいいから新しい事に飛び出せるのは学生だからこそだと思います。学生は自由な時間があるからこそ、このボランティアにも参加できたし、もう一度熊本を訪れたいという思いからプライベートでも熊本を訪れて現地の様子を見ることもできました。

最後に、メッセージをお願いします!
熊本地震現地ボランティアに参加したかったと思う人はいると思うけど、プログラムが終わってしまい、コロナの影響で以前よりボランティア自体やりにくくなっていると思います。でも、学生だからこそ今できることを全力でやるのが一番だと思います。コロナ禍でもできること、楽しいことはたくさんあると思うので、ボランティアに限らずやりたいことを全力でやってほしいです。
もしボランティアをやってみたいと思っているけど一歩踏み出せない人は、家族や身近な友達にボランティアってどう思う?とか、一緒にやってみない?と声をかけてみるのも一つの方法だと思います。少しずつ進んでみたらいいと思うし、進んでみたらいろんな道につながると思います。ゆっくり進んで行きましょう!

参考

(*1)学生CO:学生コーディネーターの略称。ボランティア紹介やイベント啓発活動を通じて関西学院大学のボランティアの活性化に取り組んでいます。

学生COとは 関連ページへのリンク

第9回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

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光枝 玄さん(経済学部卒業生)

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活動参加回数:1回
参加した回:第6回(2017年9月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
大学3年生のときにテレビの中継で熊本地震の様子を見て、自分にもできることはないかなと気になっていました。大学4年生になったときにこのボランティアのことを知り、ちょうど日程があうタイミングだったので、実際に現場がどうなっているのか見てみないとわからないよなという思いもあり参加しました。

どんな活動をしましたか?
老若男女問わず楽しめる企画(*1)を考えたいと思い、カラオケ大会をしました。皆さん期待していた以上に笑顔で参加してくださったので、カラオケにしてよかったなと思いました。
もう一つは、現地で形のあるものを残すことで思い出にしていただきたいと思い、くまモンの貼り絵を作りました。関学と熊本がつながるツールの一つになったんじゃないかと思います。

参加してみてどうでしたか?
阿蘇大橋が崩落した現場を見たときは衝撃的でした。自然ってこわいなと実感しましたし、自分が普段見ている何気ない景色は当たり前じゃないんだと思うようになりました。
現地の住民の方と接してみて、小さい子どもたちが外で遊びたいんだなという感じが伝わってきたり、仮設の中で不安を抱えていることなどが言葉や暮らしの様子から見えてきました。僕は東日本大震災の被災地にヒューマンサービスセンター(*2)の活動で行ったことがあるのですが、神社の倒壊であったり、海や山など自然の猛威により被害がでていることなど、東北の風景と重なるところもあると感じました。
最近はニュースで熊本が復旧・復興していっていることを聞いたので、また現地へ行ってみたいな、温泉にも入りに行きたいなと思っています。

参加する前と後で変わったことはありますか?
熊本の地名をニュースで見たりしたとき、身近に感じるようになりました。また、僕は旅行が好きなので色んな地域に行くこと自体はあるのですが、旅行とボランティアの違いも知ることができました。旅行だとあまり人とじっくり関わる機会がないのですが、ボランティアで行ったら人と接するのが中心になるなぁと。
あと、東日本大震災の被災地である気仙沼との共通点を感じたり、今後の熊本がどう変わっていくのかを意識するようになりました。気仙沼には何度も足を運んでいるのですが、少しずつ街の様子が変わってきて活性化している部分もあるので、熊本もそうなっていくのかな、自分の目で見たいなと考えています。

今に活きていることはありますか?
現地に足を運んで自分の感じたことは言葉にすることを大事にしよう、と改めて思えたことです。旅に行くたびに日記を書いたり風景の写真を撮影するようにしています。熊本に行ったときは日記を始める前ではありましたが、自然が多いことやその美しさを記録に残しつつ、震災という形で人におそいかかることもあり、自然に敬意を払って日々を過ごすことが大事だというような感覚を持っています。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
一番印象に残っているのは、高校1年生の時、東日本大震災の支援活動で南三陸に行ったときに聞いた「ボランティアはしにいくのではなく、させていただくもの」という言葉です。僕たちはボランティアとして特別な感覚で行ったとしても、現地の方は普段の生活をしている中なので、あまり特別なことをするのではなく自然体で関わることが大事なんだと思います。「してあげる」だと上から目線で違和感もあるので、「させていただく」くらいの感覚を持っていた方が自然に関われるんだと思います。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
社会人になってみて思うこととして、色々と物事を見たり行動する質は上がったと思うのですが、学生時代のほうが時間はあったと感じます。本を読むとかでも良いし、何でも良いので、まわりに流されず自分がやりたいと思うことがあればそれをやったらできることも増えるのかなと思います。僕自身、地域にまつわる本を読んだり、ゼミで地域活性化について学んだことが結果として今につながっていたりします。他にも、積極的に行動できることや自分の意見をじっくり整理できることもそのうちの一つだと感じています。

最後に、メッセージをお願いします!
参加する前は「自分が参加しても良いのかな?」という不安があると思うんですが、したいと思うんだったらそう思ったときにできるだけ早く参加したほうが良いと思います。ボランティアをきっかけに色々なことを考える材料にもなりますし、僕自身やってみたことで、現場に行って学ぶのも大事だなと気付きました。僕自身も初めは今まで経験したことがない違った環境に適応できるんかなという心配があったんですが、1回現地に行ってみたい・見てみたいという気持ちが勝ったので参加してよかったと思っています。ぜひ、気になることがあれば気になるうちに挑戦してみてください。

参考

(*1)企画:各回、活動約1か月前から合計3回程度の事前打合せを行い、現地でどんな活動をするか参加する学生自身が考えて準備・実施しました。
(*2)関西学院ヒューマンサービスセンター(HSC):1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた、関西学院大学の学生と教員・職員が一緒になって運営してきたボランティアセンターです。2016年からはその歴史を引継ぎ、ヒューマン・サービス支援室ができました。

第6回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

ヒューマンサービスセンターの歴史 関連ページへのリンク

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墨谷 遼介さん(法学部2年生)

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活動参加回数:1回
参加した回:第15回(2019年11月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
自分の中で災害に興味があったわけではないですが、学生CO(*1)として支援室で活動している時に熊本ボランティアのチラシが置いてあったので興味を持ちました。応募前の夏休みに学生COの先輩にボランティアに誘ってもらったり、いろんな団体の活動や交流会に参加をしていたので、ちょうどボランティアへの関心が高くなっていた時期でもありました。学生COとしてボランティア情報を紹介するだけではなく、自分も行ってみようと思い参加しました。

どんな活動をしましたか?
集会所で住民の方と交流をするのがメインの活動でした。アイスクリームの棒を3本組み合わせてペンで色を塗ってデコレーションをしてクリスマスツリーの飾りを一緒に作ったり、ツリーの組み立てやイルミネーションの設置をしました。その日は集会所の住民さんが少なく、急遽近所の幼稚園に訪問し、園児たちとツリーの飾りを一緒に作るなどの交流もできました。別日には寒くなる季節だったので、暖を取れるものをということであずきを使った手作りカイロも作りました。子供たちも懐いてくれて遊んだり勉強を教えたりもできました。

参加してみてどうでしたか?
活動に参加するまでは、災害ボランティアというとがれきの中に行って力仕事をするイメージでしたが、実際はそうではなくて考えることがいっぱいありました。地震の発生から時間が経っている中で行く意味は何なのかを考えたり話したりしながら活動をしていました。
被災してつらい思いをされているのは確かだけど、実際に住民さんと関わって、今を一生懸命たくましく生活をされているんだと感じました。住民の方同士でお話されている様子や子供たちの遊ぶ様子を見ていると、皆さんの日常を感じることができ、その中に自分もささやかながら活動で関われたので充実感にもつながりました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
熊本の話題に注目するようになりました。台風や大雨のニュースなど実際に行ったことで、他人事ではなく自分の中で意識をするようになったと思います。
たくさんの人が関わるボランティアだと一人ひとりの交流が希薄になりがちですが、意識して声掛けをしてみたりするなど、ボランティアをする中で人との交流を丁寧に行うようになりました。また、被災した・被災していないは関係なく、その人その人ときちんとした関わりを持つことを意識するようになりました。
熊本現地ボランティア活動を経験したことで、これまで参加した活動を振り返り、もっと一人ひとりの交流を大切にできたんじゃないかなとも思います。

今に活きていることはありますか?
色んな活動の中で関わる人たちを大切にすることです。ボランティアは子供からお年寄りまで幅広い人がいて縦の関わりが多いですが、今は同世代の人たちとの横のつながりも大切にしたいと思うようになりました。
ボランティアをしていく中で、自分一人だけで活動ができるわけではなく、協力してくれる現地の住民の方や子供たちがいるからこそ自分たちが考えてきた企画が形になるんだと感じることができました。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
実際に活動する時に目の前のことに一生懸命になる、そんな姿を恥ずかしがらずに取り組むことが大切だと思います。ボランティア活動で関わる人は温かい人が多く、自分も前向きに自然体で活動することができました。ボランティアをする上で一緒に活動している仲間や住民の方とコミュニケーションを取ることを大切にしたうえで、その場で起こるひとつひとつの出来事に真正面から向き合うことが大切だと思います。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
大学でこのような機会が与えられること自体、学生ならではだし、学生COとして活動をしている中でチラシを見つけられたのもそうだと思います。
社会人になると事前にメンバーが集まってミーティングや準備をして活動に臨むことが難しくなると思います。
自分がどのように関われるか、考えながら活動できたことは学生だからこそだと思うし、大学生は良い意味で色々なことにチャレンジできてのびのび活動できるし、幅広い年代の人から受け入れてもらいやすい存在だと思います。

最後に、メッセージをお願いします!
被災地の人たちとのつながりの中で、相手の人のことを考えて活動する大切さを学びました。災害ボランティアはいろんな形で支援ができます。こうだからこうしないといけないというような正解はなく、色々考えながら住民の方と交流し向き合いながら活動してほしいと思います。
ボランティアをしたいけど一歩踏み出せないという人は、なぜ踏み出せないのか理由を考えてみてほしいです。まだボランティアをやったことのない人は、実際にやってみたら楽しいし充実している活動で、終わってから活動を振り返ると良い経験だったと感じると思うので、難しく考えすぎずにまず参加してほしいです。
何か不安なことやわからないことがあれば支援室に来て僕や学生COに相談してほしいし、少しでも興味や関心があるなら自分のその思いにまっすぐ向き合ってほしいです!

参考

(*1)学生CO:学生コーディネーターの略称。ボランティア紹介やイベント啓発活動を通じて関西学院大学のボランティアの活性化に取り組んでいます。

学生COとは 関連ページへのリンク

第15回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

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小谷 若菜さん(商学部3年生)

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活動参加回数:3回
参加した回:第11回(2018年11月)、第13回(2019年6月)、第15回(2019年11月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
初めて参加したのは2018年の第11回の活動でした。当時1年生だった私はサークル活動や部活動などの団体に属していなかったこともあり、「何か新しいことに挑戦してみたい」と考えていました。ちょうどその時、教学web(*1)でこのボランティアの募集を見つけたので応募しました。参加した一番の理由は、知らないことを自分の目で見てみたい、確かめたいと思ったからです。

どんな活動をしましたか?
私は第11・13・15回の計3回参加しました。毎度、一緒に参加するメンバーの個性を活かした企画を行うことが多かったです。仮設団地の住民の方と餃子を作ったり、ダンスをしたり、小豆でカイロを作ったりもしました。

参加してみてどうでしたか?
様々な活動をしましたが、その中でも継続して行っていた戸別訪問が印象に残っています。実際に住民の方が住んでいるお部屋にお邪魔させていただく貴重な機会でした。またその場でじっくりと住民の方とお話をしたことにより、体験したことがない大きな地震を身近に感じました。そして実際に、熊本地震で大きな被害を受けた益城町を車で見て回りました。道路のゆがみを見たり、まだまだ手入れが行き届かない土地を見て町の現状を知りました。そういった状況であっても、熊本の方々はボランティアにきた私たちを毎回元気に、パワフルに迎えてくれました。ひとりひとりが思いやりにあふれており、熊本に訪れる度に元気を頂きました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
ボランティアをするからには「頑張らないといけない」という気持ちがずっとありました。しかし仮設団地の代表の方に「楽しんでね、そうすれば周りの人も自然と楽しくなるから」とおっしゃっていただき気持ちが楽になり、仮設団地の住民の方々と話す時間を心から楽しもうと思えました。またそうすることで、仮設団地に遊びに来ていた子どもたちとも会話が弾み、熊本から帰る時には似顔絵のプレゼントまでもらいました。今でもすっと大切にしています。
そして熊本地震現地ボランティアを通して最も変わったことは、こうして自分が熊本地震やボランティアについて伝える側になったことです。ボランティア経験は少ない私ですが、活動後もチャペルでの活動報告をしたり、生協祭で熊本のサツマイモを使った甘酒を提供(売上は寄付)したり、熊本の今の状況や魅力を伝えるラジオ作成(*2)に関わったり、様々な機会を通じて伝えることにチャレンジするようになりました。

今に活きていることはありますか?
まずは自分で情報を集めることの大切さに気付いたことです。現地でお話を聞かせていただくことは勉強になります。ただ、まずは自分で情報を集めてみたうえでお話を聞くことにより自分が持っている先入観や少しの違いに気づくことができるのだなと思いました。
また、この熊本地震現地ボランティアで関わったメンバーからは、主に活動後の振り返りの時間(*3)で様々な考えを聞かせてもらいました。現地の人に聞いた話が同じでも、そういう風にとらえることもできるのかと、新たな価値観を学ぶことが多かったです、だから今でも、物事を見るとき考えるときは、できるだけ広い視点で見てみようと意識しています。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
常に感謝の気持ちを忘れてはいけないなと思いました。私たちはボランティアをする側で熊本に行きましたが、熊本の仮設団地の皆さんの協力があるからこそこの活動が成り立っています。ボランティアをする側、受ける側という風に見るのではなく、「どちらも支援者」だということを学びました。ボランティアにルールや形式はなく、正しいことをしているのかは分からないけれど、次につなげたいという思いで活動をしていました。そしてこうした活動を友達や後輩にも紹介して、支援の輪がつながっていきました。大切なことは、こうしたつながりを絶やさないこと、つまり「継続」だと実感しています。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
学生だから特別何かできたということはないと思います。しかし、思い返してみると現地の方が「普段は見せないんだけど」とおっしゃり、仮設団地のお部屋の様子を見せていただいたり説明をしてくださりました。また、「普段はあまり話さない若い子たちと話せて嬉しい」とも言ってもらえました。
特別なわけではないけれど、私たちが来ることを楽しみにしてくださったことはとてもあたたかい気持ちになりました。お話をして少しでも寄り添うことができていたのかなと感じました。

最後に、メッセージをお願いします!
第13~16回の熊本地震現地ボランティアに参加した学生で、このボランティア活動で考えたことなどを書いたひとりひとりの思いが詰まった冊子を製作しました。ぜひ読んでみてください。そして様々な形のボランティアがあるということを、この記事を読んでくださった皆様にお伝えできていたら嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。

冊子「私たちと熊本の4年の歩み~熊本地震現地ボランティアを通じて考えたこと~」 PDFリンク

参考

(*1)教学web:関西学院大学の学生・教職員が使える学内ポータルサービス。
(*2)西宮市のコミュニティFM、「さくらFM」でラジオ番組を制作しました。
(*3)振り返りの時間:活動日の夜は毎日振り返りを行っていました。グループワークや全体での共有を通じて、言語化すること、多様な意見を聞くことを大切にしていました。

第11回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第13回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第15回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

熊本×西宮!学生有志によるチャリティー活動「うまイモん甘酒」 News お知らせリンク

ラジオ番組「熊本のみんなは元気だモン!~熊本地震発生から3年を迎えて~」 News お知らせリンク

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野地 啓太さん(国際学部2年生)

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活動参加回数:1回
参加した回:第14回(2019年8月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
お母さんの地元が熊本県で、親戚が熊本の野菜や果物を自宅へ送ってくれたりもしていたので、熊本県に関心がありました。でも僕自身は九州に行ったことがなかったので、一度行ってみたいと思っていました。
そんな時にたまたま教学web(*1)で現地ボランティアの参加者募集情報を見つけて、参加費も安かった(*2)ので、これなら自分も参加できると思い、申し込んだのがきっかけでした。

どんな活動をしましたか?
戸別訪問で1軒1軒お宅に訪問して、お茶立てをして住民の方に飲んでいただきました。あるおばあちゃんのお宅に行ったとき、「足がわるくて集会所にも行けないので来てくれて嬉しい」と喜んでくれて、お孫さんの話などしてくれました。 お孫さんと僕たちの年代が同じくらいだそうで、一緒に話すだけでも楽しいと言ってくれて嬉しかったです。お孫さんの写真なども見せてくれて、話がとても盛り上がりました!

参加してみてどうでしたか?
参加する前は、熊本はもう復興しているんじゃないかと思っていましたが、実際に現地に行って細かく見てみると道路がデコボコになっていたり、道端の溝の部分が崩れていたりと完全には復興出来ていないのかなと実感しました。
断層見学のときには「ここからここまで断層が動いたんだよ」と教えてもらいましたが、そのズレの大きさが思っていたより大きかったので、地震でこんなに地面って動くんだと衝撃を受けました。
それから、現地の方々は僕が想像していたよりもとてもオープンに歓迎してくれて色々な話が聞けたので、参加して自分のためにもなったし、交流できてよかったなと思いました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
参加前の僕のイメージだとボランティアは災害が起きた後に家の片付けとかをすることとかだと思っていたのですが、参加してみると発災から2年以上経った後とかに心のケアに繋がるような交流活動ができたので、ボランティアの概念が大きく変わりました。交流を通じて親しくなることで、体験したことや自分の思いなどを現地の方からお話が聴くことができて、感情などいろんなことを共有できる場があるのが良いなと思いました。発災から時間が経ったからこそ話してもらえること、話したいこともあるのかなと感じました。
もう一つは、参加してみたことで自分がイメージしていた熊本の現状と、実際の現状がズレていたので、行ってみないとわからないことが多いと実感しました。
阿蘇大橋の崩落現場では山肌が剥がれ落ちたままだったり、地震当時のままで残っていることは衝撃でした。新しい橋の建設などは進んでいたけれど、その周辺の景色とかが当時ニュースでみたまま残っている部分もあったので、自分の目で見ないとわからないことだと思いました。

今に活きていることはありますか?
日本各地で起きる災害のニュースにボランティア目線で関心を持つようになったことです。このタイミングでは家屋の掃除や片付けのボランティアが求められていて交流はまだなのかなとか、時期による現地の方のニーズまでイメージできるようになりました。
活動の振り返りのときに一緒に行った学生メンバーが言っていたのですが、自分は料理ができるからそれを活かそうと思って行ったけれど、そのタイミングで求められていることは泥かきだった、ということが起きる場合もあると聞いたので、現地の状況や住民の方が必要としていることを知って活動に参加することが大事だなと思います。
それから、参加した学生メンバー同士での繋がりも今も続いています。友達には話せなくても一緒にボランティアに参加したメンバーになら話せることもあります。なぜそんな深い絆ができたのか考えてみると、活動中に「受け身じゃなくて自分から行動しよう」とみんながアクティブに考えて動いていて、尊敬しあえたことが要因だと思います。今もSNSで気軽に連絡しあう関係性でいられるので、そういう仲間ができて良かったです。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
「自分から率先して行く」ことと、「現地のニーズに合わせる」ことだと思います。自分の得意を活かした活動をすることも重要だけど、現地の人からこうしてほしいという声を聞いたならばそれに合わせて活動することも大事で、そのためには直接相手の声を聞くのが良いと思います。
また、震災を経験された方から話を聞くことも今後のボランティアを考える上で大事なことだと思います。この時期はこんなことが困ったよ、これは準備しておいたほうが良かったと思うよ、等を聞くことで備えにもつながるので、交流活動の意義はそこにもあると思います。
災害ボランティアは特に予期せぬことも起こったりするので、できる限り準備はしたうえで柔軟に動けるようにすることと、「やるぞ」という気持ちを自分でしっかり持っておくこともポイントですね。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
時間の余裕があることは学生ならではかなと思います。長期休みとかがっつりあるので集中的に活動ができるというのは実感しました。
それから、現地ではめっちゃ元気な子どもたちもたくさんいたのですが、一緒に遊べたり話したりできたのは大人と子どもの狭間にいて体力がある学生だからかなと思いました。
他にも、現地に行かなくてもボランティアサークルで放課後に災害とかボランティアについて話し合ったり知識をつけたりできるのも学生ならではですね。

最後に、メッセージをお願いします!
とにかく一度ボランティアを体験することが重要だと思うので、率先して活動に申し込んで参加することが大事だと思います!
そうすることでボランティアのことも知れるし、災害ボランティアに参加したら災害のことについても知れるので、それが一番の近道だと僕は感じています。
今はコロナの影響でなかなか現地に行けないかもしれませんが、まず「コロナが落ち着いたら絶対行く!」と決めておいて、その上で事前情報を収集するのも良いと思います。災害現場ではどのような被害が出ているのか、どこが復興していてどこが復興していないのかとかを調べて知っておくと、いざ現地に行った際に自分が知っていた情報やイメージとのギャップが自然に見つかると思うので、まずは今できる範囲で情報を集めてみてほしいです。
最後に、ボランティアは一回きりじゃなくて何回も続けることによって意味が出てくると僕は思うので、継続することでできる深い繋がりをこれからも作っていきたいと思います。
まずは皆さんボランティアに参加してみてください!

参考

(*1)教学Web:関西学院大学の学生・教職員が利用できる学内ポータルサイト。
(*2)参加費:学生の皆さんの金銭的負担を減らすため、泊数に応じて3,000円もしくは5,000円の参加費(飲食代等別途必要な部分もあり)に設定していました。

第14回熊本地震現地ボランティア活動News お知らせリンク

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韋 浩楠さん(法学部4年生)

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活動参加回数:2回
参加した回:第6回(2017年9月)、第11回(2018年11月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
1年生の時に、教学web(*1)で第6回熊本地震現地ボランティアの募集情報を見つけました。前に中国で地震が発生した時、日本から色々と支援していただいたので、自分も活動に参加することで少しでも恩返しができるかもしれないと思いました。また、過去に熊本の活動に参加した留学生の方からも参加して良かったと聞いて、参加を決めました。初めてのボランティアなので不安もありましたが、大学の教授や職員さんも引率してくれたので、安心できました。

どんな活動をしましたか?
私は第6回と第11回に参加しました。第6回に参加した時は被災地でまちあるきを行い、現地の状況について学びました。仮設住宅での活動について、第6回では大人の方と茶話会をしたり、子どもと水遊びをしたりしました。第11回では、私の母国である中国の料理「水餃子」を現地の方と一緒に作りました。ポスターも自分で作りましたが、いい評価をいただけて嬉しかったです。

参加してみてどうでしたか?
第6回の時は初めてのボランティアだったので、わからないことがたくさんありました。でも、先輩たちとボランティアコーディネーター(*2)のおかげで、充実した活動ができました。第6回の時は自分が不十分な点があったことに気付いたので、もう1回参加したいと思いました。
そんな思いから2年生の時、第11回の活動に参加しました。第11回では、私が提案した企画を実現することができて、すごく達成感があり、嬉しかったです。第6回の反省を生かして自ら積極的に行動することもできました。この2回の活動を通して、自分自身の成長にも気付きました。
さらに、熊本のことを多くの人に伝えたいという思いから、ラジオ番組(*3)を作って活動のことを発信することもできました。このように充実した活動ができたので、現地の方々はもちろん、一緒に活動した学生メンバーの皆や、ヒューマン・サービス支援室の教職員の方々にも感謝しています。

参加する前と後で変わったことはありますか?
私は元々人見知りの性格ですが、活動を通して、初対面の方にも自分から話しかけることができるようになりました。そして、他の学部の学生とも知り合い仲良くなって、熊本の活動中だけでなく大学内で助けてもらうこともありました。このように色々な良い影響を受けたので、キャンパスライフがもっと楽しくなりました。
さらに、熊本地震現地ボランティアがきっかけで「関関COLORS」(*4)という地域支援のボランティアサークルにも所属しました。
同じゼミ、もしくは同じサークルのメンバーの中にも熊本現地ボランティアに参加した学生がいたので、熊本のことが共通の話題になり盛り上がることもありました。このようにボランティアに参加したことで、たくさんの出会いがあったことが一番大きな変化だと思います。
他にもスーパーで果物を買う時に熊本県産を優先的に買うようになるなど、熊本に対しての思いが強くなったことも自身の中で変化したことだと感じています。

今に活きていることはありますか?
一緒に活動した学生メンバーとの繋がりが大きいです。現地でのボランティア活動、そして一連のプログラムを通じて、本当に仲良くなりました。私のことを色々な面で助けてくれました。皆さん積極的で、優秀な方ばかりです。一緒に活動した先輩方はもう卒業されたのでなかなか会えないですが、またいつか会えることを楽しみにしています。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
「ボランティアを楽しむこと」が大切だと思います。これは一緒に活動したボランティアコーディネーターの方から教えていただいた言葉です。第6回の活動に初めて参加した時に、ボランティアに対して重く考えてしまうこともあって、仮設の方との会話が自然にできなかったことがありました。やはり自分自身が楽しまないと、相手も楽しむことはできないと感じました。 相手のことを尊敬し、話をよく聞き、同じ目線で話すことも大切だと感じています。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
学生だからこそ、高齢者から子どもまで幅広い年齢層の方と交流することができるんじゃないかなと思います。学生はそれぞれが学んでいることがあって、また過去に経験してきたことも含めて、ひとりひとり違った自分なりの活動ができると思います。できることはたくさんあると思います。

最後に、メッセージをお願いします!
記事を読んでいただいてありがとうございます。この記事を読んで、少しでもボランティアに対して興味を持っていただけたら嬉しいです。私は大学生になってから挑戦した色々なボランティアの経験から、自分が本当にやりたいことを見つけました。もし将来やりたいことがまだ見つかっていない方は、ボランティアを含め、大学で色々な経験をして本当にやりたいことを見つけるのが良いのではないかと思います。ボランティアでは、様々な出会いがあります。
私は4年生になり引退してしまいましたが、3年生まで所属していたボランティアサークル「関関COLORS」ではメンバーを募集しているので、関心がある方はそちらにも入会してもらえると嬉しいです!

参考

(*1)教学Web:関西学院大学の学生・教職員が使える学内ポータルシステム。
(*2)ボランティアコーディネーター:ボランティアについて専門的な知識を有し、多様な人や組織が相互に対等な関係でつながれるように調整する役割を担う存在のこと。ここでは関西学院大学のコーディネーター(職員)のことを指しています。
(*3)西宮市のコミュニティFM、「さくらFM」でラジオ番組を制作しました。
(*4)関関COLORS:大阪府池田市栄町商店街にある空き店舗を運営・活用している、関西大学と関西学院大学の学生による地域支援を行う学生団体。

第6回熊本地震現地ボランティア活動News お知らせリンク

第11回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

ラジオ番組「熊本のみんなは元気だモン!~熊本地震発生から3年を迎えて~」 News お知らせリンク

関関COLORSホームページ 関連ページへのリンク

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森 美月さん(人間福祉研究科M2)

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活動参加回数:7回
参加した回:第2回(2016年8月)、第3回(2016年11月)、第5回(2017年6月)、第7回(2017年11月)
第9回(2018年6月)、第12回(2019年2月)、第16回(2020年2月※現地活動は中止)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
私は福岡県出身で、発災直後から父が熊本に入って支援に関わっていたことや熊本県在住の友人がいたことから、自分も何かしたいと思っていました。そんな時にヒューマン・サービス支援室から活動参加者募集の案内が出ていたので、自分も関わろうと思って参加したのが一番初めの第2回の活動でした。
私は合計7回の活動に関わりましたが、継続し続けた理由は夜の振り返りの時間があったからです。関先生(*1)から問いかけられて、グループで話し合いをしましたが、私が1年生の時、一緒のグループで話していた先輩が答えがない問いかけに対してすごく真剣に考えておられて、でも自分はまだそこまで考えられなくて、もやもやが溜まっていきました。このもやもやに向き合って考え続けたい!と思い、何度も活動に参加して行動することと考えることを大切にしてきました。

どんな活動をしましたか?
印象的だったのは避難所で行った足湯です。やる前は話が続かなかったらどうしよう、と思っていましたが、住民の方が「命に係わる体験をした」ということを教えてくださったり、「自分の息子のことが心配なのよ」と家族の実情などを話してくださる場面もありました。心を許して話してくださったのかなと思います。
第3回の活動では、テクノ仮設団地での出来事が印象に残っています。小学生の子どもたちと砂利の道の中で鬼ごっこをしたのですが、本気で走り回って筋肉痛になったことが思い出深いです(笑)。あの時一緒に遊んだ子どもたちも今は中学生になっているんだろうな~と思うと、どんな生活をしているのか気になります。

参加してみてどうでしたか?
初めて参加した時から被災地にいるという感覚はなく、「支援してあげている」というよりも熊本に住んでいる方々と企画(*2)を通じて交流する、お話する、という感覚でした。活動中はとにかく自分自身が楽しんで盛り上げて、というように行動することに自ずと集中していました。 一方で夜の振り返りの時間(*1)では、私たちが企画で関わったことで熊本の方々にとってどんな意味があったのか?ということを徹底して考えるという風に切り替えていたと思います。 何度も活動に参加することで悩むこともありましたが、私自身は「色々考える間にやらないのではなく、とにかく行動して、やってから考えよう!」ということに気付くことができました。考え出すとキリがないので、とにかく行く!行ってから悩めばいい!という発想を得ることができたことは良かったですね。

参加する前と後で変わったことはありますか?
意識の向き方やアンテナの張り方が明らかに変わりました。災害が起こったときに流れてくる報道が目に留まる、そこに住んでいる人たちのことが心配になる、自分も何かできるかなと考えるなど、もし熊本の活動に参加していなかったらここまでは気に留めていなかったと思います。

今に活きていることはありますか?
ボランティアを通じて交流することで実現できる「居心地の良さ」を知れたことです。仮設住宅の集会所ではすごくアットホームな雰囲気ができていて、学生と住民の方は初めて会うはずなのにそんな感じがしない、そんな空気感があるその場に自分がいれたこと自体が今に繋がっているなぁと思います。それぞれが思い思いにコミュニケーションをとりながら関わりがうまれることを「笑顔が伝染する」と表現していた参加メンバーもいましたが、まさにその通りだと思いました。何かの理由や目的のために関わるのではなく、ただその時間を一緒に過ごすというボランティアだからこそできたことだったのかな、と私は思います。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
「目を見て話す」ことや「うなずく」ことです。初めましての人と関わるからこそ、私たちが危険な人物ではないですよということを伝えるためにも、相手の話に関心を持っているという気持ちを伝えるためにも、聞く・話す姿勢は特に意識していました。
初めて活動に参加した時はまだ私もそこまで意識できていなかったのですが、実際に熊本に行ってみると住民の方々から私たちに関心を持ってくれて、「普段どんな勉強をしているの?」など、色々な話をしてくれました。そんな経験から学び、聞く・話す姿勢を意識するようになりました。
もう一つは、とにかく「活動に行く」ということです。行ってみて、行った先の方々や環境から学ぶことが大切だと思います。あれこれ悩んで行かないということになるより、考えすぎずに行動してみることで見えることもある、と私は感じます。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
「若者や元気な子たちがきてくれたら嬉しい」と思っていただけたからこそ、現地の方々に温かく受け入れていただけたり期待感を持っていただけたということはあったと感じています。
学生は大人と比べてしまうと、抜けている部分があったりやらかしてしまうこともありますが、一方でそのゆるさや無邪気さがあるからうまれる楽しい会話もあると思います。高齢者の方から孫のようにかわいがっていただいたりもしたので、振り返って考えてみると、現地の方々にとって学生は「緊張することなく、心を緩めて関わることができる存在」だったんじゃないかなぁと思います。
 

最後に、メッセージをお願いします!
もしかしたらボランティアに行くことへの不安を感じている人もいるかもしれませんが、私は「1回行ってみたら次が見える」と思います。故・日野原重明先生(*3)の「今抱いている悩みや不安も行動がなんとかしてくれる」という言葉を知って、とても共感しました。まさにボランティアはその言葉通りの活動だと思うので、少しでも気になったり心の中に留まること(もやもやした感情など)があれば、行動してほしいです。
現地に行くことだけが行動なわけじゃなくて、情報を知ることや、情報を持っている人に連絡してみる・会ってみることも1つの行動です。そうそう、私たちにはヒューマン・サービス支援室というボランティアの情報源があるので、悩んでいる人はとにかく支援室の電話番号0798-54-6061に電話しましょう!繋がったら、もう勝ちです!(笑)
1回行動してしまえば、その活動先で出会った方から聞いた話などから関心が広がって、次はこんなことをしようとか発想が膨らんでまた行動するようになって、体験と体験が繋がっていく感覚が得られるようになっていくんじゃないかなぁと思います。この感覚にハマってしまうともうやめられません(笑)。
もしそんな感覚を抱いている人がいたら、私と一緒に何かやりましょう!(*4)

参考

(*1)関先生からの問いかけ:活動日の夜は毎日振り返りを行っていました。引率教員の関嘉寛支援室長(社会学部教授)から参加したメンバーに対して「短期間で活動するボランティアの意味は?」「家族や友人にこのボランティアで○○してきたよ、と言うとしたらどう表現する?」など様々なテーマで問いかけが提示され、グループワークを通じて考え、言語化することを大切にしていました。
(*2)企画:各回、活動約1か月前から合計3回程度の事前打合せを行い、現地でどんな活動をするか参加する学生自身が考えて準備・実施しました。
(*3)日野原重明先生:関西学院中学部出身、2008年から関西学院初等部教育特別顧問。聖路加国際病院の理事長などを歴任されました。
(*4)森さんと話してみたい人はヒューマン・サービス支援室までご連絡ください。

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第7回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク
第9回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク
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浜田 百香さん(商学部3年生)

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活動参加回数:1回
参加した回:第11回(2018年11月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
友人が第9回の活動に参加していて、活動の話を聞いて私も行ってみたいと思ったのがきっかけでした。その友人は高校から仲がいい同級生なのですが、私が全然知らなかったボランティアに参加したことを聞いて、色んな所にアンテナを張って行動していることに刺激を受けました。
もう1つの参加理由は、私自身、ボランティアってなんだろうと考えたときに「これ」と明確に言える言葉がなかったので、自分の目で見て、足を運んで考えたいなと思ったからです。

どんな活動をしましたか?
住民の皆さんと簡単なダンス(*1)を踊ったり、『なんでも屋さん』としてお掃除を手伝ったり、水餃子を作って皆で食べたりしました。私はチアの経験があるのでダンスを提案しましたが、中国からの留学生の子が水餃子作りを提案したりと、参加した学生メンバーが個性を活かして「自分にしかできないこと」としてその人ならではの内容を考えて活動することができたと思います。

参加してみてどうでしたか?
ダンスについて、最初は「難しそう」と言われたのですが、やり始めると皆さんが自然な表情を出してくださって、その表情がきらきらしていて、すごく嬉しかったです。 また、一緒に行ったメンバーや先生方の中には何度も参加している人がいて、その人たちが仮設についた瞬間にハグをされるなど熱烈な歓迎を受けている様子を見て、仲の良さや絆の深さを感じました。会っている回数は少ないのに、こんなに絆が深いのは何回も活動をやってきたからこそだと思うし、その継続による関係性があったからこそ自分も繋がることができたのかと思うと積み重ねの大切さを感じました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
参加する前は自分一人がこれに参加しても何も変わらないんじゃないかと思っていて、自信がない人間でした。でも実際参加してみて現地の人と関わったときに、「来てくれるだけで嬉しいんだよ」「隣にいるだけで、お話するだけで嬉しいんだよ」と言ってもらえて、こんな私でも誰かの心の支えになれたんだな、と思えたことがすごく自信になりましたし、私にもできることがあると思えるようになりました。 それから、私が参加した第11回の活動の時に小学生の女の子と仲良くなったんですが、第13回のときにもその女の子が来てくれたそうで、その時「ももかお姉ちゃんは今日いないの?」と言っていたということを聞きました。誰かの記憶に自分が残っているということが知れて、それも自信に繋がりました(*2)。

今に活きていることはありますか?
ボランティアへの関心が高まりました。日本のことだけじゃなく海外にも目を向けてみようという意識も芽生えたので、去年の夏休みにカンボジアの小学校建設ボランティアに参加しました。住んでいる地域や環境が全く違う知らない人たちと関わることの大切さに気付けた貴重な経験でしたが、熊本の活動でその魅力を知っていたからカンボジアの活動にも参加しようと思えたのだと思います(*3)。 それから、災害への意識も高まりました。私はおばあちゃんと二人で暮らしているのですが、熊本の経験の話をしたり、大きな地震が起きたときのために普段から備えるようになりました。おばあちゃんに熊本の話をすると「そんなこと知らなかった」「テレビで分からないことがあるね」と言ってくれて、うんうん、と頷きながら聞いてくれました。私だけでなく、おばあちゃんの災害に対しての意識も高まったと思います。実際に行った人にしか話せない言葉があるし、話すことで雰囲気が伝わるんだなと感じました。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
「相手の立場にたつこと」です。第11回の目標(*4)が『スマイルファクトリー はじける笑顔つくります!』だったので、どうやったら住民の方に笑顔になってもらえるのか、何をしたら楽しいと思ってもらえるのかを考えていました。ただ、相手を喜ばせなきゃと無理に思うのではなくて、自分の感覚に従って「~したい・してあげたい」という姿勢が大事だと思います(*5)。具体的な経験でいうと、窓掃除のお手伝いをした時に、言われていないけれど別の窓も掃除をすると喜んでもらえました。相手の立場に立つことができたからこそ気付いたことだったと思います。 もう1つ、「自分の言葉で伝える」ことも大切だと思います。経験してきたことは人それぞれだと思うので、それを踏まえて話すことでその人にしか伝えられない言葉として伝わっていくと思います。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
発信力が強いことだと思います。大学生は学部や学年という繋がりだけでなく、サークルやアルバイトなど複数の所属があるので、活動の経験を話せる場所が多いです。沢山の人に話せるからこそ、興味をもってくれる人も絶対いると思います。実際私もサークルで熊本の話をしたら興味を持ってくれた人が2人いて、それぞれ第12回と16回の活動に参加してくれました。熊本の話がきっかけで仲良くなったりもして、繋がるきっかけになっていました。

最後に、メッセージをお願いします!
気になることがあったら、自分の目で見ることが大切だと思います。ちょっとでもボランティアに興味があると思った方にはぜひ参加してほしいです。きっかけは何でもいいと思うんです。私は「誰かのためになりたい」とか「ボランティアってなにかな」というきっかけから始まりました。参加しても何もできないし影響力もないんじゃないかという不安はありましたが、やってみたことで気付いたことが沢山ありました。どれだけ相手に寄り添えるかが大切で、その気持ちがあればできることがある、ということに参加したから気付くことができました。 それから、私はこの活動に参加したから出会えた仲間がいると思っています。今でも当時一緒に活動した同級生や卒業生とも連絡を取り合っていて、たまに会ったりしています。私にとってそんな仲間と出会えたことは人生の財産です。そんな風に人と繋がるきっかけにもなったので、もちろん「人の役に立つ」こともできるけど、それ以外の面でも得られるものが大きいのがボランティアだと思いますし、ボランティアの素敵なところだと思います。

参考

(*1)ダンス:浜田さんは映画「チア☆ダン」で有名になった福井商業高校のチアリーダー部『JETS』に所属していた経験もあり、仮設住宅の皆さんとのダンス体験会を企画しました。
(*2)第13回の活動に参加した友人が浜田さんに教えてくれたそうです。参加回を超えて繋がりができていることも熊本地震現地ボランティアの特徴です。
(*3)こぼれ話:「カンボジアの活動に実際参加してみて、心が温かい国だなと思ったし、“貧困”というイメージを持っていたけれど、関わってみたらそんなことも感じる瞬間もないくらい幸せそうに暮らしている姿を見て、関わってみないと分からないことがあると改めて感じました。」
(*4)目標:各回、活動の目標を参加メンバー全員で考えています。企画を考える際、この目標を達成するためにはどうすれば良いか?を意識して取り組みました。
(*5)こぼれ話:「“have to(~しなければいけない)”ではなく、“want to(~したい、してあげたい)”の姿勢が大事ということを『JETS』時代に学んだので、それがボランティアの場面でも繋がりました。」

第11回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

ラジオ番組「熊本のみんなは元気だモン!~熊本地震発生から3年を迎えて~」 News お知らせリンク

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植田 隆誠さん(総合政策学部2年生)

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活動参加回数:2回
参加した回:第15回(2019年11月)、第16回(2020年2月※現地活動は中止)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
高校生の頃、熊本地震の数週間後に熊本県を通る機会があったのですが、割れてボコボコになった高速道路やブルーシートが被せられた家の光景を見て衝撃を受けました。
大学生になり、自分も少しでも現地の方の力になりたいと思い参加しました。

どんな活動をしましたか?
第15回では、戸別訪問で窓・網戸の掃除をしたり、肩たたきや将棋などを行いました。第16回は現地での活動が中止になってしまった(*1)ので、皆で住民の方々へメッセージを書いて送りました。準備していたコーヒー作りや自転車の整備等を熊本では行えませんでしたが、その分気持ちを込めてメッセージを考えました。

参加してみてどうでしたか?
活動が楽しかったと思う反面、災害の厳しさを知る機会も多くありました。活動中、私はとても明るくて元気な小学生に出会ったのですが、その子のお父さんに聞いた話がとても印象的で忘れられません。その方によると、地震のことをその小学生はほとんど覚えていないということでした。地震のことは子どもにとって衝撃が大きすぎる出来事で、動揺しすぎてその時の記憶がほとんど無いのだそうです。今でもこの話を思い出すと胸が痛くなります。
直接現地を訪れることの大切さや自らの思い込みの怖さを知ったと同時に、地震の恐ろしさを改めて感じました。自分のこれまでの考え方が大きく変わったこともあり、熊本地震現地ボランティアに参加した意味があったと強く感じています。

参加する前と後で変わったことはありますか?
たくさんの人との繋がりが出来ました。ボランティア活動を通じて出会った他学部、他大学の学生や職員の方々と今でも関わりを持つことが出来ており、情報共有をしたり講習会へ参加させて頂いたりしています。多くの知識や考え方を聞くことができ、それが自分への良い刺激となっています。
また、災害が自分に関係のあることだと捉えるようになりました。インターネットで被災地の状況やボランティアの受け入れ情報等をチェックしたり、自分の周りで地震が起きた時のことをイメージして行動することが出来るようになりました。

今に活きていることはありますか?
私がボランティア活動に参加するのは第15回の熊本の活動が初めてでしたが、自分にも出来ることがあるということに気づかされました。この気づきは、その後の第16回や他の活動の参加への意欲にも繋がったと感じています。小さな事でも継続的にボランティア活動に参加することが大切だと思い、今は2019年台風19号の被害で汚れてしまった写真の洗浄ボランティア(*2)も行っています。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
コミュニケーションを積極的にとる事が大切だと思っています。現地の方々との交流ももちろん大切なのですが、それと同じくらい大切なことが一緒にボランティアをしているメンバー同士での情報共有や意見交換だと感じます。より現地の方々に喜んでいただける活動にする為には欠かせないことですし、自分たちが後で得られる達成感も変わるのではないかと思っています。


学生だからできること、できたことは何だと思いますか?
まずこの熊本地震現地ボランティアに参加できたこと自体、関西学院の学生だから出来たことです。参加して得ることができた新たな出会いや学びを通じて、自分の時間をこの活動に費やして本当に良かったなと感じています。
また、学生は住民の方々に元気を届けることが出来ると感じました。企画(*3)を成功させるために一生懸命な私達でしたが、住民の方々と関わっていくうちに求められていることはそこではないのだと気づきました。もし企画が上手くいかなくても、住民の方々に喜んで頂き元気を届けることが出来れば、それはそれで成功と言えるのではないかと思いました。失敗を恐れず、元気に活動することが私達学生に出来ることだと思っています。


最後に、メッセージをお願いします!
なんでボランティアなんか行くの?と聞く人がたくさんいます。実際、私もこのボランティアに参加するまではそう思っていました。災害なんて自分には関係のないことだと思っていたのだと思います。しかし、私が実際ボランティアに参加してみると「まさか自分が被災するなんて」という言葉を何度も耳にしました。その時、誰にでも被災する可能性はあるのだと実感しました。いつ自分達が被災するかはわかりませんが、その認識を持って備えをすることは自分や自分の周りの人を守ることにも繋がります。まだ参加したことのない人には一度現地(災害現場)でボランティア活動をしてみてほしいです。きっと新しい気づき、考え方を得られると思います。

参考

(*1)第16回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となりましたが、代わりに現地の方々へのプレゼント製作を実施しました。
(*2)写真の洗浄ボランティア:ヒューマン・サービス支援室が連携している、認定NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク主催の台風19号被災地長野県支援ボランティアに植田さんが参加しました。植田さんの「現地で汚損した写真を洗浄したい」という思いから、主に神戸三田キャンパスの支援室へ有志の学生が集まり、写真洗浄を実施しました。
(*3)企画:各回、活動約1か月前から合計3回程度の事前打合せを行い、現地でどんな活動をするか参加する学生自身が考えて準備・実施しました。

第15回熊本地震現地ボランティア活動を実施 News お知らせリンク

第16回熊本地震現地ボランティア活動を実施 News お知らせリンク

認定NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク 外部サイトへのリンク

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菅 夏海さん(社会学部卒業生)

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活動参加回数:5回
参加した回:第6回(2017年9月)、第10回(2018年9月)
第11回(2018年11月)、第13回(2019年6月)、第15回(2019年11月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
高校生の時に東日本大震災のボランティアに参加したことがボランティアを始めたきっかけです。自分が被災地でできる事は何もないと思っていたけれど、行ってみると楽しんでもらえて、ボランティアは楽しいなと感じたので大学生になってもやりたいと思っていました。
大学に入学した年に熊本地震が発生して、支援室が現地ボランティアの参加者募集をしていたので、東日本大震災の時と同じような活動ができるかなと思い参加しました。
初めて参加して以来、現地の住民さんや一緒に活動に行ったメンバーとも仲良くなり、つながりを継続したいと思ったので何度も活動に参加しました。

どんな活動をしましたか?
老若男女が楽しめるイベントを考え、カラオケ大会やおはぎ作りなどを行いました。また、印象に残っている活動は戸別訪問です。会って数日の人の家に行くことはあまりないと思いますが、おもてなしをしてくれて、集会所では聞けなかった話なども聞くことができました。

参加してみてどうでしたか?
活動が楽しいというのが1番の印象です。住民さんが料理を作ってくれたり一緒に作ったり、ボランティアをしに行っているのにおばあちゃんの家に来たような感覚もありました。自分がただ楽しいというだけでなく、向こうからも「ありがとう」や「また来てね」など良いレスポンスが返ってきたのも良かったなと思います。また、何度も参加していると、住民さんに覚えてもらえることがあったのも嬉しかったです。住民さんが「若い人が熊本のことを忘れず関心を持ち続けて来てくれるのが嬉しい」と言ってくれて、ただ関心を持つということにも意味があるのだと気づきました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
短い期間で住民さんと仲良くなれるとは思っていなかったけれど、また来てねと言ってくれたりまた会いたいと思える関係にお互いになれたのかなと思います。活動が終わってからも災害について関心を持つようになり、現地へ行くだけではなく、様々な災害支援活動に関わるようになりました。防災ゲーム企画(*1)や生協祭の出店(*2)なども積極的に参加し、『うまイモん甘酒』では運営メンバーとして活動しました。

今に活きていることはありますか?
まず、一緒に熊本に行ったメンバーや一緒に生協祭に出店したメンバーなどたくさんの友達ができました。そして、社会に出てからも大切な「相手視点」の考え方をボランティアで学びました。熊本の活動では住民さんが何をしたら喜んでくれるのかをよく考えていました。それによって、「相手の立場に立って考える」という考え方の基礎ができました。社会人になった現在も活きており、営業職で働く中で相手のニーズに合った提案をするように意識をしています。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
「してあげる」ではなくて「一緒にする」ということです。一方的にお菓子を作ってあげるとかではなく、一緒にお菓子を作ったり空間作りをしていくことで住民さんも一緒に活動しているという意識が芽生えたのかなと思います。これはボランティア活動で人とのつながりや関係作りをする上で大切なことだと感じました。
集会所ではいつもお弁当を食べていましたが、第15回の活動では住民さんと一緒にお昼ご飯を作りました。住民さんから学生みんなに作り方などを指示していただき、どちらがボランティアをしているのかわからない状況でしたが、集会所に集まった全員で和気あいあいと活動ができました。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
仲良くなること、素直に話を聞くことができるところだと思います。
心のケアをする専門家、〇〇大学の偉い先生など専門知識を持っている人にしかできない支援もありますが、そのようなものがない学生だからこそ上下関係なく対等に関わることができたし孫みたいに思ってくださる方もいたのだと思います。住民さんと壁を作らず、ほどよい距離感で関わることができました。

最後に、メッセージをお願いします!
ボランティアというと意識が高い人が行くとか、善い行いをしなければならないと思っている人も多いかもしれないけど、ただ行くだけで喜んでもらえます。
自分自身が一緒に楽しむことで現地の人の楽しいという気持ちにもつながります。学生という若い層が関心を持ち、現地に行って楽しいことをするのは自分が思っている以上に現地の人のパワーにつながります。
ボランティアをしようか迷っている人は、コロナが落ち着いて活動ができるようになったらぜひ一度行ってみてほしいです。

参考

(*1)西宮市主催で小学生のお子さんがいる家庭を対象とした「防災クイズ&運動会」を実施し、企画の内容は本学の学生が考えました。
(*2)生協祭の出店:熊本地震現地ボランティアに参加した学生有志のメンバーでチャリティーイベントとして「レモネード大作戦」「うまイモん甘酒」等の企画で出店しました。

西宮市主催の防災クイズ&運動会を関学生が企画! News お知らせリンク

学生有志による活動 関連ページへのリンク

第6回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第10回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第11回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第13回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

第15回熊本地震現地ボランティア活動 News お知らせリンク

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城戸口 智也さん(人間福祉学部4年生)

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活動参加回数:1回
参加した回:第10回(2018年9月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
僕はサークルや団体に所属しておらず、夏休みに特にやることもなくて暇だったので、何かしたいなぁと思っていました。
そんなとき、たまたま武田先生(*1)からのメールで熊本の活動を知って、行ってみようと思い申し込みました。

どんな活動をしましたか?
住民の方と一緒にそうめんを茹でて食べたり、子どもたちとボール遊びをしたりしました。仮設住宅を見るのは人生で初めてのことだったので、こんな感じで暮らしているんだなぁということが知れたのは貴重な経験でした。

参加してみてどうでしたか?
仮設団地は狭い中で色んな人たちが生活しているので、そこから新しい繋がりができている、つまり震災がきっかけでできた繋がりがあるのかなと感じました。
住民の方が「せっかく仮設で知り合った人と仲良くなったのに、家が再建したら皆と離れてしまうことが寂しい」と言っているのを聞いて、自分の家に戻れるのは良いことだと思う一方で、せっかくできた地域との繋がりが薄れていってしまうことは寂しいことで、難しい問題ですね・・・。

参加する前と後で変わったことはありますか?
参加する前は災害に対して当事者意識はなかったんですが、参加したことで自分事として考えるようになりました。活動初日にまちあるき(*2)をしたのですが、まだがれきが残っていたり修復していない建物があったり、震災から2年が経っているのにこれだけ被害が残っているのは知らなかったので、まだまだ課題があることに気付きました。あるものが急になくなるってこういうことなのかな、と思うようになりました。僕は今、当たり前のように家で暮らしているけれど、災害が起きたら一気に景色が変わってしまうんだなと。日ごろから備えておかないと、という
意識が芽生えました。


今に活きていることはありますか?
活動をきっかけに職員の岡さん(*3)や学生CO(*4)との関係性が続いていて、ゆるい繋がりができたことは自分にとって大きいです。「自立とは、依存先を増やすことである」という言葉(*5)をネットの記事や本で知りましたが、自分自身もそれを大事にしています。一人だけだとできないこともたくさんあるけれど、誰かと一緒ならやりたいことができる可能性が高くなったり、情報交換ができたり、特定の誰かではなく複数の人に頼ることができると思っています。ボランティアや社会貢献について情報が知りたい時や、最近自分が感じたことを話そうと思ったときにはヒューマン・サービス支援室に行き、岡さんや学生COに聞いてもらえるので、先ほどの言葉に重ねると依存先の1つになっています。他にも生協祭の出店(*6)に声をかけてもらったり、友人が増えたことも今に繋がっているなと感じます。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
そんなに意気込まないことが大事だと思います。「人を助けたい」とかをそれほど思う必要はなくて、遊びにいくような感覚で、ちょっと友達増やしたいな、とかでも良いからとりあえず気軽に行ってみたり始めて見るのが大事だと思っています。友達が「一緒に行こう」って言ってくれたから行こうかな、くらいの感覚でも良いと思います。行ってみたら関心も人との繋がりもできるけれど、行かなかったら何もないままなので。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
「現地の方々に受け入れてもらいやすい」ということは感じました。子どもたちにとってはお兄ちゃんお姉ちゃんのような存在になれるし、高齢者の方々には「若者がくるとエネルギーをもらえる」と言ってもらえたりしたので、若い学生世代の強みを感じました。特に僕たちが行った仮設住宅では学生世代の住民が殆どいなくて、地域外の大学等に行くため地元を離れた若者も多いと聞きました。だからなおさら僕たちが行くことで喜んでいただけたんだと思います。益城町だけでなく、日本は地方であればあるほど動ける若者がいない状況だと思うので、学生ボランティアが行く意味があると感じています。


最後に、メッセージをお願いします!
ボランティアをしようと思うきっかけは何でも良いので、とりあえず参加してみてほしいです。それと同時に、1回ボランティアして終わりではなくて、参加した時に出会う人との繋がりや地域の繋がりは大事にしてほしいです。僕自身、ボランティアがきっかけで居場所が見つかり、色々な人と繋がることができました。この記事を読んでくれた方にもぜひ、「参加すること」と「関係性の継続」を大切にしてほしいと思います。
それから、ヒューマン・サービス支援室には「ふらっとおしゃべりしにいく」くらいの感覚でぜひ行ってみてください!

参考

(*1)武田先生:人間福祉学部長の武田丈先生。2016年度~2018年度ヒューマン・サービス支援室副室長、2019年度ヒューマン・サービス支援室室長。
(*2)まちあるき:馬水東道仮設集会所館長(当時)の宮崎律子さんに案内してもらい、まちを歩きながら震災によって壊れたものを写真におさめて、その背景にあるもの(住民同士の交流への影響など)を考えました。
(*3)職員の岡さん:ボランティアコーディネーターの岡秀和。第9回~15回引率職員。
(*4)学生CO:学生コーディネーターの略称。ボランティア紹介やイベント啓発活動を通じて関西学院大学のボランティアの活性化に取り組んでいます。
(*5)「自立とは、依存先を増やすことである」:当事者研究をしている熊谷晋一郎先生(東京大学先端科学技術研究センター准教授)の言葉。
(*6)生協祭の出店:熊本地震現地ボランティアに参加した学生有志のメンバーでチャリティーイベントとして「レモネード大作戦」「うまイモん甘酒」等の企画で出店しました。

第10回熊本地震現地ボランティア活動を実施 News お知らせリンク

学生コーディネーター 関連ページへのリンク

自立とは「依存先を増やすこと」(全国大学生活協同組合連合会 HPより) 外部サイトへのリンク

学生有志による活動 関連ページへのリンク

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濱本 杏奈さん(経済学部2年生)

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活動参加回数:2回
参加した回:第14回(2019年8月)、第16回(2020年2月※現地活動は中止)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
お姉ちゃんが第11回(2018年11月)の活動に参加していました。当時私は高校生だったのですが、姉から活動の様子や内容を聞いて「自分もやってみたい」と思っていたので参加を決めました。 また、私は学生CO(*1)に所属しているのですが、これまではボランティア経験があまりなかったので、この活動に参加することで「ボランティアってこういうものだと私は思うよ」と自分なりに語れるようになりたいと思ったことも理由の1つでした。

どんな活動をしましたか?
第14回では語り部の永田さんからお話を聞いたり、住民の方のお宅へ訪問して地震発生当時の話を聞いたり学ぶ時間も多かったです。仮設住宅の活動では韓国からの留学生も一緒だったのですが、「スイカファチェ」という韓国のスイーツ作りを通じて交流したことが印象的でした。
第16回はコロナの影響で現地には行けなかったのですが、今できることとして現地の方々へ手紙を書いたり、写真立てを作ってプレゼントを贈りました。

参加してみてどうでしたか?
現地での活動(第14回)では、毎日新しい気付きがありました。断層を実際に見てみたり、阿蘇大橋の崩落現場に行ってみたりしたことで、現地に行く大切さが分かりました。住民の方に地震当時のお話を伺ったとき、「生きた心地がしなかった」とおっしゃっていました。 車庫が潰れている写真なども見せていただいたことで、いざというときのために備えておくことの大切さも感じました。
また、このボランティアでは毎晩「活動の振り返り」の時間がありましたが、その時間が濃かったです。泣きながら語っている仲間もいたことが印象的でした。皆で話し合うことも多く、その日の課題が分かって次に活かそうという姿勢で取り組むことが出来ました。
その時間を一緒に過ごしたことで参加した学生メンバーと仲良くなり、今でも一緒に授業を受けたり、遊びにいったりと関係性が続いています。

参加する前と後で変わったことはありますか?
災害ボランティアに興味を持つようになり、色んなことに挑戦できました。
具体的には、学外の防災イベントの実行委員をしたり、支援室主催の講座への参加やワークショップの企画をしたり、台風19号(2019年)被災地支援で栃木県へ行ったりしました。図書館や本屋さんに行った時も、何気なく熊本地震の書籍や文献を見るようになりました。
また、これまでは熊本地震があった日(4月14日、16日)は普通の日として過ごしていましたが、今年からは熊本ボランティアのInstagram(*2)で発信するなど、意識するようになりました。

今に活きていることはありますか?
防災意識が高くなったことです。家族にも防災について伝えるなど、南海トラフ地震を想定して「備える」ようになりました。それから、新たな課題が見えるようになりました。私は障害者の方の介助をするアルバイトをしていますが、熊本ボランティアに参加したことをきっかけに障害者や高齢者など被災時に逃げ遅れる可能性がある方の避難について考えるようになりました。
ボランティアを通じて色々な発見をすることで、多様な課題に関心をもてるようになったと思います。

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
私が一番大切だと思うのは、自分が気付いたことや新しい発見を記録に残すことだと思います。私はノートに書いていたのですが、「あ、こんなことがあったな」「こういうこと気付いたよな」と、忘れかけていたことも思い出すことができて良かったと思います。自分の中だけに留めず、発信することも大切だと思っています。SNSだと自分の友達も見ているので、「この子こういうことしてるんや」と思ってもらえて輪が広がっていくし、今の時代だからできることだと思います。発信という形で行動に移すことで自分の中で「一歩進めたかな」という実感も得られています。最近、私の友人が黒人差別問題についての動画をシェアしていて、それがきっかけで関心を持つようになったのですが、その実体験からも行動・発信って大事だなと思いました。
もう1つ大切なことは、無理はしないことだと思います。活動する中で色々な話(災害支援だと被災当時の様子や現地の方の思いなど)を聞くと苦しくなっちゃうときもあると思うので、寄り添う気持ちもすごく大事だけど、自分のことも大事にしたいし、大事にしてほしいと思います。

学生だからこそできること、できたことは何だと思いますか?
「自分たちにしか聞けないこと」があったかなと思います。急に全く知らない人が来ても現地の方は話しにくいと思うのですが、私たちは第1回(2016年7月)から関西学院大学と熊本の繋がりがあったので、「関西学院大学の学生」として関係性ができていたからこそより深いお話などが聞けたと思います。
また、大学に帰ってきてからもチャペルアワー(*3)での活動報告や冊子の製作(*4)、ラジオ番組制作(*5)など、伝える場があるからこそ発信についても考えるようになったと思います。

最後に、メッセージをお願いします!
この記事を読んでいただきありがとうございます。 これをきっかけに、少しでも熊本や災害のこと、ボランティアについて興味を持ってもらえたなら嬉しいです。私はボランティアに参加したことで今までの自分のことを振り返ったり、新しいことに気付くことができたり、色々な人と出会うことが出来ました。そういったボランティアの魅力についても知ってもらえたらと思います。
学生有志メンバーで発信しているInstagram(@kgu_kumamoto)のフォローもお願いします! 

参考

(*1)学生CO:学生コーディネーターの略称。ボランティア紹介やイベント啓発活動を通じて関西学院大学のボランティアの活性化に取り組んでいます.
(*2)熊本ボランティアのInstagram:有志の学生メンバーで作ったInstagramのアカウントです。
(*3)チャペルアワー:1時限と2時限の間に各学部で行われるチャペルアワーでボランティアの紹介や体験談の報告を行いました。
(*4)冊子の製作:第13回~16回の参加メンバーで活動を伝えるための冊子を作成しました。
(*5)ラジオ番組制作:西宮市のコミュニティFM、さくらFMでラジオ番組を制作しました。

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熊本地震現地ボランティア参加メンバーが作った冊子を公開! News お知らせリンク

ラジオ番組「kumamo to heart 未来へつなぐ支援」 News お知らせリンク

第14回熊本地震現地ボランティア活動を実施 News お知らせリンク

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吉村 冴さん(総合政策学部3年生)

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活動参加回数:2回
参加した回:第14回(2019年8月)、第15回(2019年11月)

熊本地震現地ボランティアに参加した理由・きっかけは?
私は海外ボランティアの団体に所属していますが、活動する中で「日本でもいろんな問題があるよね」と言われることがあり、国内でも活動してみたいと思っていました。そんなときに友人からこの活動に誘われて、やってみようと思いました。

どんな活動をしましたか?
参加した2回で共通して、仮設住宅を戸別訪問したり、集会所で料理を作ったり、ミニゲームをしたりしました。第14回では語り部の永田さん(*1)から聞いたお話も印象的でした。

参加してみてどうでしたか?
2回目に現地に行った際、1回目に会った住民の方と再会することができました。その方とは今でも電話をしたり手紙を送る関係性が続いていて、深い関係になれたことが嬉しいです。「いつかまた熊本にきてね!」とメッセージをもらっているので、早く会いに行きたいです。 それから、現地で熊本の歴史として大昔に大きな地震があったことなどを聞いて、歴史を過去のストーリーとして他人事として捉えるのではなく、当事者意識を持って歴史から学ぶことが大事だということに気付きました。

参加する前と後で変わったことはありますか?
参加する前は、災害で大変な思いをしている人たちを励ましてあげよう!と思っていました。災害のことが「他人事」だったんだと思います。 参加した後、全くイメージが変わりました。私たち学生以上に笑顔の方や明るい方もたくさんいて、自分自身が被災者の方に先入観や偏見を持ってしまっていたことに気付きました。勝手な決めつけのせいで相手を傷つけてしまうこともあると思うので、「〇〇ですよね!」じゃなくて、「どう思っていますか?」と相手に寄り添ってその人のお話を聞こう、と考えが変わりました。
また、防災への意識も大きく変わりました。現地で事前の備えが大切だという話を聞いて、両親と防災について話す機会をつくりました。 「南海トラフ地震もくるかもしれないし、熊本ボランティアでも備えが大切だって学んだから防災グッズを買おう」と伝えたら、「冴がそんなに本気で言うなら」と防災グッズを買ってくれました。
他にも、土地や道路の区画再編の影響を受けて困っているという話を聞いて、現地の方に寄り添うには政策面について学ぶことも大事だと気付いたので、途上国の問題についてケーススタディを通じて学ぶゼミに入るなど、このボランティアの経験があったことで変化したことがたくさんあります。

今に活きていることはありますか?
「何かの事柄をどうとらえるかは自分次第」ということを学びました。 語り部の永田さんからお話を聞いたとき、「地震のせいで」ではなくて「地震のおかげで」という言葉を使っていることが衝撃的でした。 それは、「熊本地震があったから、このボランティアを通じてあなたたちと繋がれたんだよ」ということでした。
また、仮設住宅の活動で私が関わったある住民の方は、幼少期から両足が不自由で、松葉杖で生活していました。戸別訪問に伺った際、私は先入観として「可哀想」だと思ってしまいました。しかし、話しているうちに、趣味がドライブだということ、積極的にイベントを行っているということ、日々の生活を楽しんでいるということが分かりました。 お2人と関わったことで、どんな時でも現在の状況を楽しむことの大切さを学びました。
今、新型コロナウイルスの影響でなかなか人と会えず、学校にもいけないという状況です。でも、私は熊本ボランティアでの学びを活かして、コロナの「おかげで」いつもやろうと思っても後回しにしていた読書や就活、家事の手伝いなど自分なりに今できることと向き合うことができています。 

ボランティアをする上で大切なことは何だと思いますか?
「視点を合わせること」です。相手に元気になってもらおう!とか、かわいそうだから、笑顔にさせてあげよう!など、相手を変えようとすることは一方的な支援になってしまう危険性もあると思います。ありのままの現地の方の状態を受け入れて、「そうなんですね」と話を聞くことで寄り添う姿勢、聞く姿勢がボランティアでは一番大切だと思います。 また、自分がやろうとしているボランティアは相手の方が望んでいることか?を確認することも大切だと思いました。随時状況を調査して、柔軟に変化していくことでミスマッチを防ぐことができると考えています。

学生だからこそできること、できたことはあるでしょうか?
住民の方に「学生に求めることは何ですか?」と聞いたとき、「何もないよ、来てくれるだけで十分だよ」と言われました。その時、とても和やかな笑顔を見せてくださったので、ちょっとした話をするだけでも心の支えにつながるのかもしれないと思いました。 特別なことをする必要はなくて、純粋な気持ちで寄り添うことが私たちにできることだと思います。

最後に、メッセージをお願いします!
「ボランティアって何なん?」「偽善じゃないん?」そういう疑いがある方こそ参加して欲しいです。ボランティアの答えはたくさんあると思いますが、参加してみないと答えすらわからないので、参加して、ボランティアの答えを自分自身で見つけて欲しいです。 私は、参加する前は「所詮はボランティア」と心のどこかで思っていました。でも参加してみたことで、思っていた以上に熊本の人たちにとって私たち学生とのつながりは深く、存在が大きいことを実感し、ボランティアの魅力を感じました。 現地へ行くことで、メディアだけでは分からない、そこに暮らす人たちの感情の部分に触れることができます。自分自身で確かめに行ってほしいと思います。
いきなりボランティアはハードルが高いという人も、何らかの方法で行動してみてほしいです。例えば、この記事をSNSでシェアする、友人や家族に話してみる、熊本出身の友人がいたら話を聞いてみる、防災グッズを買う、熊本ボランティアのInstagram(*2)をフォローする、DMやコメントで感想や質問を送ってみるなど、ぜひ行動してみてください! 

参考

(*1)語り部の永田さん:第14回の活動では、益城町で語り部をされている永田忠幸さんに案内していただき、当時の様子を伺いました。
(*2)熊本ボランティアのInstagram:活動に参加した学生の有志メンバーで作ったInstagramのアカウントです。

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