2019.02.26.
第12回熊本地震現地ボランティア活動を実施

ヒューマン・サービス支援室では、学生たちの「被災地のために何かしたい」という声に応え、東日本大震災での経験を生かして、2016年7月より熊本県益城町にてボランティア活動を行っています。今回、12回目となるボランティア活動を行いました。参加した学生は21名。活動内容を参加学生が企画し、現地で実施しました。

馬水東道仮設団地

活動1日目:入浴剤作り、集会所で行われる誕生日会の準備お手伝い
活動2日目:なんでも屋さん(お宅訪問をしてお手伝い)、杉原紙で写真立て作り・小物入れ作りなど
1日目は入浴剤作りを実施しました。現地に行く前から学生たちが試作を重ねた甲斐があり、当日は子どもから大人まで多くの方と一緒にきれいな形の入浴剤を作ることができました。また、この日は月に一度の誕生日会が集会所で開催されることもあり、お母さん方と一緒におにぎりを握るなど、料理のお手伝いもしました。
2日目の午前は「なんでも屋さん」と称して、各仮設住宅でお手伝いをしました。(お風呂掃除や換気扇の掃除、花壇の手入れなど。)お手伝いのあとはお茶やお菓子をいただいてお話することができました。午後からは、兵庫県多可町で伝統的に有名な和紙の「杉原紙」を用いて、写真立て作りや小物入れ作りをしました。色合い豊かでおしゃれな作品がたくさんできました。

木山仮設団地

活動:貝殻でひな人形作り、ブックカバー作り、茶話会(折り紙)
今回は西集会所で活動をしました。貝殻で作れるひな人形を住民の方と一緒に作りました。「仮設にはひな人形を置くスペースがないから、貝殻サイズのかわいいひな人形を飾れるのがうれしい」と好評でした。また、ブックカバー作りでは住民の方に「お気に入りの1冊」を持ってきていただきました。「その本昔読んだことあるよ」「面白そうな本だね!」など、本を通じて交流することができました。

安永仮設団地

活動:ハーバリウムづくり、足湯、ハンドアロマ、茶話会(折り紙)
きれいなお花をビンに入れて飾るインテリア、ハーバリウムづくりを実施しました。既に安永仮設を出られた方も「ハーバリウムが作れると聞いてきたよ!」と集会所に集まって来られました。フェリーやホテルで学生たちが熱心に準備をしてきたハンドアロマも好評で、住民の方とじっくりお話することができました。チラシ配りをしているときに畑仕事をしている方ともお話ができて、集会所以外での交流もできたことが印象的でした。

大観峰(阿蘇市)での地震学習

活動3日目は阿蘇市の「大観峰」にて、阿蘇ホテルの和田さんにガイドをしていただき地震発生当時の状況や熊本の地形について学びました。地盤が液状化したため、温泉を宿舎に送るためのパイプが曲がり黒い土や砂利が噴出して1週間以上温泉を宿に届けることができなかったという話や、地響きのようなゴーッという音が地面から登ってくるように聞こえたかと思えば大きな揺れがきた、という話を伺いました。

振り返り

この活動では、現地での活動を通して学生自身が学びを得ることも大事にしています。そのために、活動日は毎晩振り返りを行っています。また、今回は活動3日目にじっくり振り返りの時間をとることで、これまでの活動とこれからの活動を考えることができました。「たくさんの人と出会い、話すことで互いの価値観を知り、尊重できることを体感した。」「記憶だけでなく記録に残すことの大切さを知ったので、次のボランティア参加者への引継ぎ資料を作りたい」など、それぞれが感じたことを言葉にしていました。

参加者の声

・積極的に行動することの大切さを実感することができた。何でも屋さんの時は自分から色々な質問をすることで、恋バナや日常会話をして距離を縮めることができた。また、距離を縮めることで、地震の記憶などのデリケートな問題の話も聞くことができた。フォトフレーム作りで一緒に話しながら作るのは、自分もとても楽しむことができた。また、折り紙の折り方を何人もの方に教えていただいたり、贅沢な時間だったと思う。今まであまりよく知らない人に自分から質問して話を広げたりすることはなかったので、コミュニケーションの面でも貴重な体験となった。
(神学部1年生 活動参加1回目)

・この熊本地震現地ボランティアに参加し始め、自分の周りの人に何をしているのかを伝えると、すんなりとは受け入れてもらえず、自分が行っているボランティア活動に自信が持てなくなっていた。でも、いざ活動をしてみると一緒に楽しい時間を過ごすことができ、熊本に住んでいる人たちを笑顔にできていると実感した。なので、それだけでも自分たちが活動している意味はあるのだと思った。住民さんとの会話の中で、町からの助成金が打ち切りになってしまうために、今まで行ってきたサロンが3月で終わってしまうことを聞いた。住民同士のつながりの場が失われてしまうことを聞き、心配になった。でも、こういったことも自然と話せるような仲になれたのは少しうれしい。
(経済学部4年生 活動参加4回目)

・熊本ボランティアは3回目で、1年ぶりに大観峰に行き、前回の活動(野焼き棒作り、商店街回り、仮設での活動)を思い出すことができ、とても懐かしくなりました。熊本に何度も行き、たくさんの場所に連れて行ってもらい、熊本現地ボランティアのことを思い出すことができる場所が増えていっているなあと感じました。震災の話を聞いて、日常のある一場面の時に震災が起こるんだと、改めて感じました。いつ何時何があるかわからないんだなと自然災害の怖さを再び感じることができました。私も時折、1人でいるときに震災があったらどうしようと考える時があるんですが、みんなといるときにも少し意識してみるのもいいのかなと思いました。フォトブック作りでは、写真を見返す行為をすることで仮設の方も、学生もみなさん笑顔で、笑顔の写真を見て私も癒されました。たくさんの写真があって見返すのは大変ですが、とても大切な時間だなと思いました。
(理工学部3年生 活動参加3回目)
 

今回もご協力してくださった益城町の皆さま、関係各所の皆様、本当にありがとうございました。

詳細

○実施日時
2019年2月22日(金)夕方~26日(火)朝

○参加人数
学生21名/教職員2名
1年生:8名 2年生:6名 3年生:3名 4年生:4名

○活動場所
熊本県益城町(木山仮設団地 馬水東道仮設団地 安永仮設団地)
大観峰(阿蘇市)
阿蘇 熊本空港ホテル エミナース