2018.09.10.
第10回熊本地震現地ボランティア活動を実施

ヒューマン・サービス支援室では、学生たちの「被災地のために何かしたい」という声に応え、東日本大震災での経験を生かして、2016年7月より熊本県益城町にてボランティア活動を行っています。今回、10回目となるボランティア活動を行いました。参加した学生は18名。活動内容を参加学生が企画し、現地で実施しました。
 

まちあるき

熊本地震で最も被害の大きかった益城町をまち歩きしました。前半はガイドの宮崎さんに震災直後のことを説明していただきながら、後半は班ごとに自由に歩きました。まちを歩きながら、震災によって壊れたものを写真におさめながら、その背景にあるもの(住民同士の交流が減った、など)を考えました。

馬水東道仮設団地

活動1日目:昔遊び(カルタ、万華鏡作り、けん玉など)
活動2日目:マニキュア体験

1日目は「昔遊び」と題して、万華鏡作りやけん玉などを通じて住民の方と交流しました。読み札と絵が大阪にゆかりのあるものになっている「大阪わいわいカルタ」を実施したところ、「私も大阪に住んでいたことがあるから懐かしい」「この間の大阪北部地震大丈夫だった?」など話のきっかけになっていました。
2日目はマニキュア体験を実施しました。女性の方はもちろん、男性の方にも「普段嫁がやっているから僕もやってもらおうかな」と体験していただきました。集会所での体験だけでなく、個別にお宅を訪問してお手伝いもしました。帰る間際に「また次もきてね」「11月も楽しみにしてるね」とお声がけいただき、学生たちは活動を継続したいと強く感じていました。
 

安永仮設団地

活動:パンケーキ作り、茶話会
たこ焼き機を用いてまんまるの「パンケーキボール」作りをしました。チョコレートやホイップクリームなど、トッピングを選ぶところから楽しんでいただきました。茶話会ではいろいろお話する中で、地震や台風など、災害による被害が多くて心配だという声があがりました。「こんなものが役に立ったよ」など、住民の方からアドバイスをしていただきました。
また、ご厚意により仮設住宅の中を案内していただき、壁の薄さや部屋の狭さによる住みにくさを教えていただきました。
 

振り返り

この活動では、現地での活動を通して学生自身が学びを得ることも大事にしています。そのために、活動日は毎晩振り返りを行っています。今回も活動の中で印象に残っていることや自分たちの活動の改善点などを班ごとに共有しました。「ボランティアができることを改めて考える機会になった」「子どもと関わるボランティアの難しさを感じた」など、それぞれが感じたことを言葉にしていました。

参加者の声

・2年以上たった今でも漂う「未解決」の課題があるにも関わらず、日々メディアなどでしか情報を得られていないために気付けていないことが予想よりもはるかに多くありました。現地の人にしか分からない震災の被害の大きさを改めて「知る」ことができた今、自分に何ができるかを考えたら、身近な人でもいいので「伝える」ということに重点を置いて、災害が身近にあることを想定して生活したいと思いました。
(総合政策学部・1年生)

・現地に行かないと本当にわからないことがたくさんあることを知りました。目の前にいる人の背景を知り、役割を通じて、できあがった関係を大切にする。継続的につながることが大切。
ただ、ボランティアとしての在り方が今後本当に問われていくなぁと思いました。ボランティアがいることで、逆に現地の人の負担になっていないか。ボランティアに終わりがあるのか。答えのない問題はすごく難しいです。ただ、自分は今回初めて参加してみて、貴重で、今後に活かせるすごくいい経験をさせてもらったのは確かです。
(法学部・1年生)

・現地の人々のニーズとして、踏み込んでいいラインが個々人で違うことから、「踏み込まないでほしい」というものがあると知った。大人と子供の仲が思った以上に悪いことを知って衝撃だった。遊ぶ場所が解決されることでお互いのストレスが大きく緩和されると感じた。今回で2回目の参加だったか、参加するたびに新たな発見を得られ、とても有意義な時間を過ごせている。卒業までにもう一度は参加して、さらに新しい気付きを得たいと思った。
(経済学部・4年生)

今回もご協力してくださった益城町の皆さま、関係各所の皆様、本当にありがとうございました。
 

詳細

○実施日時
2018年9月6日(木)夕方~10日(月)朝

○参加人数
学生18名/教職員4名
1年生:5名 2年生:6名 3年生:3名 4年生:4名

○活動場所
熊本県益城町(木山仮設団地 馬水東道仮設団地 安永仮設団地)