教員紹介 総合心理科学科 心理科学専修

[ 編集者:文学部・文学研究科       2019年5月29日   更新  ]

教授 有光 興記 (アリミツ コウキ)

名   前 有光 興記 (アリミツ コウキ)
研究テーマ ●パーソナリティ心理学、臨床感情科学

 私たちは、幸福になるために、人より成功しようと努力します。そして、うまくいかないと思って不安になったり、失敗してひどく落ち込んだりします。また、うまくいっても手に入れたものを失うことを恐れたり、もっと欲しいと思って懸命な努力を続けて、幸せな気分を味わうことがありません。どうすれば不安や落ち込みから開放され、幸せを感じられるようになれるのか―それが、私の研究室のテーマです。
 これまで、“あがり”や罪悪感を経験しやすい人のパーソナリティやそれらの感情への有効な対処行動について研究を行ってきました。臨床現場では、様々な心理検査を実施し、不安症や発達症への認知行動療法を実践しています。近年は、慈悲とマインドフルネス瞑想が肯定的感情、否定的感情に及ぼす効果について研究を行っています。

教授 浮田 潤 (ウキタ ジュン)

名   前 浮田 潤 (ウキタ ジュン)
研究テーマ ●認知心理学、言語、記憶

 朝起きて服を着替えたり、電車に乗って大学まで来たり、友達と話したり、本を読んだり…こんな日常のごくありふれた行為は、あまりに当たり前すぎて、それがなぜできるのか?などと改めて考えることはしないかもしれません。しかし、これらはすべて、極めて高度に作り上げられた人間の認知機能によってはじめて可能になることなのです。一見簡単に見える行為の裏に、どんな巧妙な仕組みが隠されているのか?それを様々な実証的方法で明らかにしようとするのが、わたしが専門としている「認知心理学」という分野です。
 当たり前に思えることを改めてじっくり観察し、あれこれと考えてみることは、実はとても面白いことです。そういう営みを通して、「簡単にできることは、ただ簡単なのではなく、それを簡単にやってのけるわれわれ人間の認知機能(脳)の働きこそが素晴らしいのだ」ということを実感として伝えていければ、と考えています。

教授 大竹 恵子 (オオタケ ケイコ)

名   前 大竹 恵子 (オオタケ ケイコ)
研究テーマ ●健康心理学、健康行動、ポジティブ感情

 私の専門は、健康心理学です。健康心理学は、心身の健康の維持・促進を目指した心理学の応用領域ですが、臨床心理学をはじめ、さまざまな心理学の領域とその成果を基盤としているだけではなく、公衆衛生や疫学、社会学などの他領域とも密接に関連した研究分野です。例えば、生活習慣病に関わる喫煙や食行動を行動変容のモデルから理解し、健康増進をめざした予防的な実践活動を行っています。中高生を対象に喫煙防止教育を実施し、その介入効果を検討したり、食行動の特徴とおいしさに関する研究を行っています。また、感情の中でもとくにポジティブ感情がもつ機能に注目し、人間が持っているポジティブな個人特性と幸福感についても研究を進めています。現代社会の要請に基づいてさまざまな健康対策を考え、社会に貢献できる心理学の研究をめざしています。  

教授 小川 洋和(オガワ ヒロカズ)

名   前 小川 洋和 (オガワ ヒロカズ)
研究テーマ ● 知覚心理学、認知科学、潜在認知過程

 私たちは自分の周りの世界に有りのままに知覚しているように感じていますが、実際には知覚される世界は様々な形でゆがんでいて、物理世界と同一ではありません。それなのに、私たちが普段なんの問題もなくその世界の中で行動できている(ように感じている)のはなぜなのでしょうか?
 私たちが意識的に行っているように感じている様々な認知活動や行動は、実はその大部分が意識に上らない無意識的な処理によることが最近の研究でわかってきています。その潜在的知覚・認知過程の働きを、巧妙にデザインされた実験によってあぶり出し、メカニズムを解明することが私の研究テーマです。現在は、情報の取捨選択を行う注意メカニズム、無意識的な学習・記憶、内発的な報酬系の役割、対人印象の形成過程、無意識的思考、熟練による直感力の向上など、幅広いテーマについて研究を進めています。

教授 小野 久江 (オノ ヒサエ)

名   前 小野 久江 (オノ ヒサエ)
研究テーマ ●精神医学、気分障害、自殺予防、臨床心理学

 私は関西学院大学文学部におけるただ一人の精神科医として、大学生の一般教養としての精神医学と、心理学を勉強するものに必要な精神保健を教えています。世間では精神医学・精神保健の怪しい知識が氾濫しています。関西学院大学で学ぶ学生には正しい知識を持って欲しいと思っています。
 また研究面では、自殺予防を目的とした分子精神医学的研究から臨床研究までを幅広く行い、国際的な評価も得てきました。最近では、これらの研究成果をもとに、自殺予防・精神疾患の啓発活動にも力をいれ、地域精神保健への貢献を目指しています。
 臨床心理士になりたい学生や、医療関係の仕事を目指している学生が私の研究室では、頑張って勉強しています。

教授 片山 順一 (カタヤマ ジュンイチ)

名   前 片山 順一 (カタヤマ ジュンイチ)
研究テーマ ● 認知心理生理学、注意、事象関連脳電位

 われわれは「変化」に対して非常に敏感です。環境の突然の変化には注意が不随意的に引き付けられ、それを処理するための処理資源が配分されます。これは環境に適応するために不可欠なメカニズムなのです。変化に気づくためには、それ以前の環境を記憶していることが前提となります。時々刻々と入力される環境からの情報をその記憶と比較照合し、その結果ミスマッチが生じると注意が引き付けられ意識化されるのです。しかし、ミスマッチが生じるまでの過程はわれわれの意識には上りません。そのため、このメカニズムを探るには前意識段階での情報処理過程を高い時間分解能で検討可能な指標が必要となります。頭皮上から記録される事象関連脳電位(ERP)を指標として、知覚、注意、記憶といった認知過程の解明や認知機能を評価するための研究を行っています。

教授 桂田 恵美子 (カツラダ エミコ)

名   前 桂田 恵美子 (カツラダ エミコ)
研究テーマ ●子どもの社会適応、愛着、ジェンダー、家族

 育児や子どもについてさまざまな問題が取り上げられている昨今、子どもが親との安定した愛着を持っている、そして、子どもが安定した愛着を形成できる親のかかわりというものが重要だと考えています。子どもの健全な発達を念頭に、子どもの社会適応にかかわるさまざまな要因に関心を持っています。具体的には幼児の攻撃行動とその要因と考えられる愛着や親の養育行動、子ども自身の偏った認知や気質などとの関連について研究しています。また、私のもう一つの研究の柱として、ジェンダー研究があります。男女共同参画社会の現在、人々の性役割意識はかなり平等主義的になってきています。また、性格面での男性性・女性性における男女差はあまりないという研究結果が出ています。しかし、一方で性役割分業はいまだに歴然として行なわれており、そうした社会の中でおこる心理的葛藤に注目して研究しています。

教授 佐藤 暢哉 (サトウ ノブヤ)

名   前 佐藤 暢哉 (サトウ ノブヤ)
研究テーマ ●認知神経科学、空間認知、記憶

 眼や耳から入ってきた情報は、それ自体は光や空気の振動でしかありません。このような情報を、どのようにして私たちは意味ある情報として認識しているのでしょうか。日頃、何の疑いもなく見聞きしていることは、私たちの脳内での多くの処理を通して意識に上っています。また、私たちは普段、自分で気づいていないうちに色々なことをおこなっています。たとえば、いつも通る帰り道などは特に意識しないでもたどることができます。途中で寄らないといけないところがあるのに、ボーッとしていて気づくと家まで戻って来てしまっていた、などということはありませんか? 自宅まで間違えずにたどり着くのはとても複雑な行動であるはずですが、私たちは特に意識することなく、それをやり遂げることができるのです。このような私たちがおこなっている意識的・無意識的な行動を、脳における処理という点から理解することを目指して研究をおこなっています。

教授 佐藤 寛 (サトウ ヒロシ)

名   前 佐藤 寛 (サトウ ヒロシ)
研究テーマ ●臨床心理学、認知行動療法、臨床児童青年心理学

 私の専門は臨床心理学で、子どもから大人まで幅広い年齢層の心の問題に関する研究と実践に携わっています。特に認知行動療法の視点に基づいた心理学的技法を、臨床心理学、教育心理学、精神医学、スポーツ心理学といった分野に応用しています。科学者-実践家モデル(scientist-practitioner model)の考え方を大切にしながら、実践に役立てることを視野に入れた研究を行うとともに、科学的知見への深い理解からクライエントの生活の改善に貢献できる実践を展開することを目標にしています。

教授 嶋﨑 恒雄 (シマザキ ツネオ)

名   前 嶋﨑 恒雄 (シマザキ ツネオ)
研究テーマ ●思考、学習、実験心理学

 我々を取り巻く世界は情報に満ちています。我々はこれらの情報を取捨選択し、組み合わせ、新しいものを創り出し、それらを適切に利用し、この世界の中で生きています。“思考”や“問題解決”という言葉から皆さんはすぐに入学試験や受験勉強などを連想するかも知れません。それらも確かに“思考”の一つの側面ではあります。しかし、我々の生存そのものも間断のない“思考”や“問題解決”に支えられていると考えることができます。
 私は「思考心理学」とよばれる領域のなかで、このような問題解決や推論がどのような過程を経て行なわれるのか、またそのために必要となる新しい情報の獲得・生成、すなわち学習がどのような過程を経てなされてゆくのかということについて、実験心理学的な観点からの研究を行なっています。また、このような情報処理の過程を計算機上で再現する研究(計算機シミュレーション)にも関心を持っています。

教授 中島 定彦 (ナカジマ サダヒコ)

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名   前 中島 定彦 (ナカジマ サダヒコ)
研究テーマ ●学習心理学、行動分析学、比較認知科学、ヒトと動物の関係学

 パヴロフの犬の話はだれでも聞いたことがあるでしょう。ベルの音を鳴らして餌を与えるということを繰り返すと、そのうちベルの音だけで、犬は唾液を流すようになります。これが条件反射(古典的条件づけ)と呼ばれるものの一例です。古典的条件づけは、経験による行動変容の一種で、われわれ人間から無脊椎動物にいたるまでほとんど全ての動物が有している学習メカニズムです。このように人間を含めた多くの動物に共通する学習メカニズムを実験的に解明することが私の研究課題です。
 われわれ人間を含めて、動物は環境から得た情報を処理する認知機能を有していますが、この認知機能がどのように進化してきたのか、現存の各動物種の認知機能はどのような特徴をもっているかを比較検討する「比較認知科学」も専門としています。また、ヒトと動物のさまざまな関係についても心理学の立場から研究しています。

教授 成田 健一 (ナリタ ケンイチ)

名   前 成田 健一 (ナリタ ケンイチ)
研究テーマ ●生涯発達心理学、精神的健康、質問紙法

 発達を広く一生の問題として捉える生涯発達心理学的視点から、広義の精神的健康を自己報告式の質問紙によって測定することに興味を持っています。高齢社会と言われて久しいわが国ですが、高齢者と言ってもその実情は様々です。私たちはその実情をあまり知らずに、したり顔で評論しがちです。では、実際に青年期〜成人期〜老年期など、それぞれの時期によって,精神的健康に関連する心理学的な諸概念はどのように変化するのでしょうか?また構成概念を測定する指標として何が適当なのでしょうか?自己報告式の質問紙は測定が簡単であるため、安易に使われやすいものです。同じ言葉を使えば、年齢群が異なっていても同じように測定できるでしょうか?人の持つ多様性が花開く老年期における精神的健康や関連する構成概念を、他の時期との比較の上で、どのように測定するかという問題は難しくもあり、面白いものだと感じています。

教授 米山 直樹 (ヨネヤマ ナオキ)

名   前 米山 直樹 (ヨネヤマ ナオキ)
研究テーマ●臨床心理学、行動療法、応用行動分析

 私の専門領域は臨床心理学で、主に不登校や発達障害のお子さんへの支援の在り方について実践・研究を進めてきました。そこで用いてきた方法論は学習論に基づく行動療法や応用行動分析を中心とした行動論的アプローチと呼ばれるものです。これは問題の発生原因を本人の内面のみに求めるのではなく、あくまでも環境と個体との相互作用上に生じた不具合として捉え、双方に働きかけることで問題の改善を試みるという特徴をもっています。従って、臨床場面における効果測定の際には、具体的・客観的定義を基にした観察可能な対象を取り上げて取り組むようにしています。最近は大学内のプレイルームにおいて、発達障害のお子さんを対象とした個別支援の研究を行っている他、地域の特別支援学校や発達相談機関と連携して、ご本人やご家族への支援方法の開発や分析を行っています。