[ 文学部 ]地理学地域文化学専修GEOGRAPHY AND AREA STUDIES

メッセージ

この世界の「多様性」を多角的に考察

地理学地域文化学とは何でしょうか。ひとまずは「地理学」と「地域文化学」に分けてみましょう。地理学は、地図や統計などを利用しながら世界のさまざまな自然や産業、文化を学んでいく分野だと言えます。私たちの専修では、人文地理学の立場から、文化や社会といった人文現象を扱っています。地域文化学については、私たちの専修の文化・社会志向と結びついています。地域文化学とは、1つの学問分野というよりは、文化人類学や民俗学などの知見を踏まえた、国内外のさまざまな文化・習俗についての幅広い研究を意味します。

地理学と地域文化学、共通するのはこの世界の「多様性」への関心です。さまざまな人々、文化、マチやムラといった多様性に関心を持っていることが不可欠な素養となります。また、この世界は歴史的に作られてきたので、世界の成り立ちを考える上で歴史的なセンスも必要でしょう。

地理学地域文化学を学ぶのであれば、自らの力で多くの旅をし、多くの人に会い、多くの本を読んでもらいたいと思います。私たちの専修では、世界の多様性を重視し、新たな世界の見方を自ら模索する人に対して、そのための助力を惜しみません。

教員紹介

ツーリズム文化史、風景論の系譜、地理思想史Research keywords

荒山 正彦 教授

16世紀以降数多くの探険家や博物学者たちがおこなった世界周遊は、19世紀から大きく様相を変えます。太平洋や大西洋などの海洋の定期船航路の開設、陸上では鉄道網の整備、またスエズ運河の開通(1869年)など。ヨーロッパとアジアの移動はたいへん便利になり、世界を旅行するツーリストが次第に増加します。

ツーリストの増大に伴って、その目的地となる地表面の事物も、意味や価値の変化を経験しました。このように、ツーリズムという現象を生み出した近代社会そのもの、そして19世紀以降に再編成される空間の諸相を、地理思想史の課題として取り組んでいます。

村落地理学、グローバリゼーション、近代Research keywords

花木宏直 准教授

日本の農林水産業や農山漁村は、近代に大きな変化がみられました。たとえば、住民が海外へ移住し、彼らを介して商品作物を海外へ輸出することで、生産活動が拡大しました。一方、日本の野菜・果実の多くは近代に導入された外来種であることや、近代より海外産の米や豆類などが庶民の日常食として普及していた点も注目されます。

つまり、日本の農林水産業や農山漁村の特性を、閉鎖的空間での内発的発展ではなく、近代のグローバリゼーションの文脈に位置づけ捉えていく必要があります。私は、このような視角から、近代日本の農林水産業や農山漁村の特性および変容過程について実証的研究を進めています。

文化地理学、地域・民俗文化、工芸Research keywords

濱田 琢司 教授

現在の日本における地域の文化や民俗の多くは、大正から昭和初期にかけて見られたさまざまな動き、例えば、民俗学や民具学などの学術的な動きや、民芸運動や郷土玩具趣味のような文化的・趣味的な動き、農民美術運動などの社会運動的要素を持った動きなどのなかで、価値あるものとして位置づけられ、その文化的価値を継承したものとなっています。

私の研究は、伝統的とされる手工芸(とくに陶芸)を事例として、こうした文化の価値付けと、その地域への影響の検討です。また、無形文化財のような制度的な枠組み、民俗学・民芸ブームなど観光/メディアに関わる事象、ファッションと伝統との関わりなどについても研究しています。

社会地理学、都市、移動Research keywords

山口 覚 教授

人々はさまざまな人間関係のなかでどのように生き、自己や他者をいかに理解するのでしょうか。私は社会地理学の立場から、移動する人々、都市に生きる人々についていろいろな観点から調べています。これまでは鹿児島や高知、沖縄出身者の県人会などを手がかりに、出郷者が都市で生み出してきたネットワークを調査してきました。高度経済成長期に国家プロジェクトとして実施された「集団就職」という労働力移動現象にも関心があります。

また、スコットランドにおける移民の生活や宗教活動、難民認定に関する情報も集めています。このようなさまざまなテーマを通して、都市、国家、移動、人間関係について考えています。

授業紹介

空間と社会
近年、景観法成立を始めとして風景をめぐる議論が活発になり、伝統的な風景の保存や創出、再生産も盛んになっています。フィールドワークを行いながら風景を社会的な所産として捉え、風景をあらためて問い直します。