[ 文学部 ]英米文学英語学専修ENGLISH LITERATURE AND LINGUISTICS

メッセージ

英米文学、英語学の学びを通して視野を広げる

英米文学英語学専修というところでは、英会話の学習だけを毎日やっているわけではありません。英米文学(イギリス文学とアメリカ文学)、そして英語学(言語学)というものを通して、英語力を鍛錬しながら、物事と世界を広く緻密に読み解く力を養うのが英米文学英語学専修です。

英米文学分野においては、イギリス、アメリカ(時にはカナダ、オーストラリア)の文学作品や文化の分析、解釈、批評を通して豊かな視野と人間性を育てていきます。英語学分野においては、英語(日本語やそのほかの外国語も含まれます)という言語を理論的、数学的に分析することで、言語の性質や言語を使用する人間そのものの解明をめざしています。

大学での4年間は、高校時代までに抱いている具体的な職業目標や価値観を揺り動かし、時にはそれを崩し、また組み立てなおして、もっと広い見地から世の中を読み解くことができるようにする時期だといえます。心を揺り動かす教育で、自分の力で考えて問題解決を行なう力を養ってほしいと思います。

教員紹介

Theoretical Linguistics, Architecture of Universal GrammarResearch keywords

浦 啓之 教授

人間言語は、単語の音や形態のレベルでは互いに非常に違っています。けれども、文の構成法を観てみると、どの任意の2つの言語を取り出しても、数学的には極めて類似している事が判ります。これは、人間であれば誰しも言語の構造に関する普遍的能力を生得的に持っているからです。

この生得的・普遍的能力とは一体どのような構成内容を持ち、人はそれを実際にどのように行使することによって言語を生成しているのかを、多様な言語の構造を分析し共通点を見出すことで、生得的・普遍的言語能力の構成を解明します。

初期近代、文化、演劇・詩Research keywords

小澤 博 教授

文学・政治・宗教・科学の諸領域が交錯する場には、どのような特殊歴史的イマジネーションが生まれ、どのような精神活動が刻まれているのだろうか。私の研究対象の16世紀初頭から17世紀末にかけてのイギリスは、中世的な世界から初期近代への変動の中で、政治、社会、文化のビッグ・バンを体験しました。

また、中世後期から王政復古に至る時代の演劇や詩には、ヨーロッパ世界の拡張と異文化との交渉、中産階級の台頭といったコンテクストの中で読み解けます。初期近代イギリスの文学的想像力を、新しい感覚の精神史として捉え直しています。

シェイクスピア、翻訳、坪内逍遥Research keywords

Daniel Gallimore 教授

私の本来の研究は、シェイクスピア劇の日本語翻訳をめぐるものですが、この分野に含まれる翻訳理論・シェイクスピア研究・詩学・演劇研究などにも興味をもっています。特に、シェイクスピアの他者性(otherness)を日本語でどのように再現しているのかを検討しています。

博士論文では、シェイクスピア喜劇『夏の夜の夢』の四つの主要な日本語翻訳の詩学を扱いましたが、現在はシェイクスピア翻訳の先駆者であった坪内逍遥の業績を研究しています。現代イギリス詩(Philip Larkin など)やシェイクスピアの韓国における受容に関する論文も書いたことがあります。

形式意味論、時制、比較言語学Research keywords

楠本 紀代美 教授

言語学とは、人間言語のさまざまな側面を科学的に分析する学問です。私の研究は、論理学・数学の方法をもとに言語の意味を解析していく、形式意味論という領域に属するものです。特に時制(現在、過去など)や相(進行形、完了形など)といった動詞の解釈に関連のある現象を中心に研究しています。

これらの現象が否定、量化、取り立てなどとどのように関わるのかも同時に研究しています。また、世界の言語を分類する類型論にも興味があり、英語や日本語だけでなくドイツ語、ロシア語、ヘブライ語などの比較研究を行っています。

20世紀アメリカ文学、フィッツジェラルド、資本主義Research keywords

坂根 隆広 准教授

20世紀アメリカ文学が専門分野です。特に、『グレート・ギャツビー』で有名なF・スコット・フィッツジェラルドの作品を、喪失、貨幣、商品、身体、ジェンダーといったテーマに焦点を当てながら研究しています。また、アメリカ小説についても研究しています。

アメリカ文学作品を読みつつ、小説というジャンルに関する理論についても参照することで、そもそも「小説」とは何なのか、なぜ私たちは小説を読むのか、小説というジャンルはどのように誕生し変化してきたのか、という問いについても継続的に考察しています。

母語獲得、言語心理学、生成文法理論Research keywords

杉崎 鉱司 教授

ヒトは、どのようにして母語を身につけるのか?現代言語理論は、母語知識の獲得は、模倣と大人による訂正によるものではなく、生まれつき与えられている内的メカニズム(遺伝的要因)と生後取り込まれる言語情報(環境的要因)が有機的に絡み合って達成される現象であると仮定されています。

私の研究では、この仮説の妥当性を、主に英語・日本語の獲得過程を調査・分析することによって検証し、母語獲得を支える内的メカニズムの性質を明らかにすることに取り組んでいます。

イギリス詩、初期近代、女性詩人、聖書Research keywords

竹山 友子 教授

研究対象はイギリス詩全般。特に初期近代の女性詩人による翻訳詩・翻案詩・創作詩における聖書や原典の書き換えを研究しています。当時の女性達が宗教や社会の枠組みで定められた規範に抗いながら、自らの考えを巧みに詩作に込めた状況を明らかにしていきます。

現在は、詩編翻訳を中心とした聖書の書き換えを、当時出版されたプロテスタントによる英訳聖書および聖書の解説本等との比較によって、書き換えの手法から翻訳作品に秘められた意図を探る研究をしています。また、フィリップ・シドニーやシェイクスピアの詩における感情表現の方法についての研究も進めています。

アメリカ文学、身体性、ロボットResearch keywords

新関 芳生 教授

アメリカ文学のテクストの中で身体の機能を解明することで、アメリカにおける身体観、さらにはアメリカという国家そのものを包括的にとらえ直すことが研究目標です。研究対象は文学作品、映画、絵画、彫刻、写真から、マンガ、アニメーションにも及びます。

これらの表現媒体の中に表れる、病気や身体の機能不全に着目し分析を行うことが、研究の基本的な視点となりますが、最近ではアンドロイドを通して、逆に生身の人間の身体と意識を読み直すという試みを行っています。こうした研究によって、身体を、文学、文化、テクノロジー、政治、認知科学などにおいて記述することが可能になると考えています。

米国文学、エドガー・アラン・ポー、批評理論Research keywords

西山 けい子 教授

19世紀前半に活躍したアメリカの作家エドガー・アラン・ポーの作品を研究しています。ポーはゴシック小説や探偵小説、SF 小説、都市小説などさまざまなジャンルの作品を書いていますが、特に関心があるのは、意識の限界体験や恐怖や分身のテーマです。

また、子ども時代の記憶にみられるような、自己と他者の境界がなくなってしまう溶解体験や、言葉を越えた他者との出会いの体験なども同種の枠組みでとらえています。小説や映画におけるそれらの表現に接近するため、現代批評理論における精神分析や哲学の知見をとり入れています。

アメリカ文学、カリブ海文学、現代文学Research keywords

橋本 安央 教授

19世紀のアメリカ小説、とりわけ『白鯨』でその名を知られるハーマン・メルヴィルを、父と子の主題を関心の中心においています。政治的、文化的な意味でのイギリスからの独立後、南北戦争という国家分裂の危機に直面しつつあったメルヴィルの文学には、比喩的な意味と具体的な意味で父子関係における葛藤が描き出されており、それを両面から探ります。

加えて時代的、文化的に多様な作品を読むことで、家族の主題をできるかぎり普遍的に、そして個別的に考えるよう心がけています。したがって、英語圏の同時代小説を幅広く読むことにも力をいれており、そうした現代小説の翻訳出版にも取り組んでいます。

言語、英語史、意味変化Research keywords

山本 圭子 教授

英単語のloveとbelieveは、歴史を遡れば、一つの単語でした。現代英語でこの二語は全く形が違っているだけに意外な印象があるかもしれませんが、これは長い史的言語研究の成果のほんの一部に過ぎません。言語史は意外性の宝庫です。一見互いに関係なさそうな事柄が単一の源だったといった言語の変化の仕組みが明らかになります。

古い時代の英語の文法は現代英語からは想像もつかないような意外な姿をしています。日本語の現代語と古語の違いよりも遥かに大きな差があります。「なぜ、どのようにして」現代の姿まで辿り着いたのか。この問に答えることが研究の目的です。

イギリス小説、ジョイス、世界大戦Research keywords

横内 一雄 教授

私は20世紀前半のイギリス小説を中心に、主に二つのテーマについて研究しています。第一に、この時期を代表するアイルランド人作家ジェイムズ・ジョイスの研究です。これまでは『フィネガンズ・ウェイク』の解読に力を注いできましたが、より広い視野で捉える模索しています。

第二に、両世界大戦前後におけるイギリス作家の研究です。特に、この時期に本国を離れて異郷を描いた作家の体験と文学の関係やどのように戦後意識が形成されていったかなどに関心があります。なかでもイギリスに生まれてカナダに移住した作家マルカム・ラウリーの全業績を再評価したいと考えています。

授業紹介

アメリカ文学史
17世紀から19世紀後半まで、特にアメリカン・ルネッサンスとも呼ばれる19世紀中期以降のアメリカ文学を中心に解説します。別の作品を取り上げながら、その背景にある社会や文化との関連性も考察していきます。