[ 文学部 ]西洋史学専修EUROPEAN AND AMERICAN HISTORY

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メッセージ

未来を見据えて西洋史学を学ぶ

歴史を学ぶことの意味を考えたことがありますか? 多くの歴史家はこう語っています。「今この瞬間に生きている私たちが自らの今を知り、次の時代=未来を形作るために過去との対話が必要なのだ」と。過去についての知識と理解は、現在と未来に向けられたまなざしを確かなものにしていきます。

では、自国ではなく海のかなたの歴史を知ることにどんな意味があるのでしょうか。かつて、ヨーロッパとアメリカは世界でもっとも進んだ文明であり、進歩の模範だったため西洋史を学ぶ意義がありました。しかし、すでにヨーロッパを模範とする時代は過ぎ去りました。それなのに、なぜ西洋史なのか。

「グローバル化」が歴史の世界でも大きな意味を持っているように感じます。「自国史」「他国史」という区分は、意義を減じつつあるようです。むしろ、世界の多様な歴史を自分たちにも連なる一つの事柄として理解しようとする態度が強まっています。古代エジプトから現代ヨーロッパ・アメリカにつながる西洋史という直線的な像は、ダイナミックな変容のなかにあります。これまでの私たち、今日から明日へと人間の歩みをつなぐこと、西洋史を学ぶ楽しさはそういうところにあるのだと思います。

教員紹介

イギリスを中心とする西欧近世・近代史、社会、経済史Research keywords

坂本 優一郎 教授

近世・近代のイギリス社会史・経済史を中心に研究しています。とくに関心を寄せているのは、お金と社会との関係です。当時、最も多額の資金が必要とされたのは、国家による戦争という行為です。戦費を必要とした国家がいかに社会にいる人びとから資金を調達し、歴史をどのように動かしていったのか。「投資社会」という概念を手掛かりに研究を進めています。

「投資社会」の実態に迫るために、政治史・社会史・文化史・経済史の手法を総動員することで、人びとが国家を信用し、さまざまな組織体が発行する「証券」へ自己の資金を投じてゆく「投資社会」の歴史的な展開が明らかにされるはずです。

ビザンツ帝国、リキア遺跡調査、テマ制Research keywords

中谷 功治 教授

ビザンツ帝国、別名東ローマ帝国の歴史を専門に研究しています。とくに7世紀に地中海世界にイスラームが進出した後の政治や社会が中心です。当時小アジアを中心に防衛を担当したテマ軍団は、しばしば反乱を起こして皇帝位を奪い取りました。国家を守るはずのテマ軍団が反乱の担い手でもあるとはどういうことなのか。危機の時期にあって、テマが果たした役割を多面的に理解する必要があります。

1991~2002年、小アジア南東部リキア地方(トルコ)の初期キリスト教遺跡(聖ニコラオス=サンタクロース関連)の発掘調査に参加しました。2012年から同じリキア地方の別の遺跡の調査に参加して、これまでの知見と経験を生かしたいと思っています。

ロシア近現代史、バルト地域、比較教育社会史Research keywords

橋本 伸也 教授

現在取り組んでいる研究テーマは4つ。1つめは、ロシア帝国を含むヨーロッパ近代大学史に関する比較社会史的研究。2つめは、ロシア帝国支配地域における民族知識人の形成と大学網の発展に関する研究。3つめは、「子ども」の保護・養育と遺棄をめぐる学際的比較史研究。そして4つめは、ロシア連邦カリーニングラード州を含むバルト海沿岸地域にかかわる「歴史と記憶をめぐる政治」の研究です。

1~3は、比較史的観点からロシア帝国を含むヨーロッパの教育構造の社会文化史的検討を進めることに主眼をおいています。また、冷戦体制終結後の現代世界で激化している「歴史と記憶をめぐる政治」についても関心を抱いて研究を進めています。

授業紹介

西洋史学特論
1990年に計画され、その後10年以上続いた「リキア地方ビザンティン遺跡調査団」による初期キリスト教遺跡の調査や発掘について全過程を紹介しています。海外における遺跡調査の意義や問題点について考察します。