【教授】森田雅也(モリタ マサヤ)

[ 編集者:文学部・文学研究科        2018年6月8日   更新  ]

研究テーマ:上方、西鶴、受容文芸学

 近世(江戸時代)の日本文芸を「受容文芸学」という学的立場から研究を行っています。特に西鶴を中心に上方の浮世草子・俳諧・歌舞伎・人形浄瑠璃等を研究課題としています。
 私は作品を分析するのに際し、当時の読者にどのように受容されたかを知ることを大切にしています。したがって、作品が形成された同時代の文芸環境・社会的背景をも含めた総合的な視野からの研究を行っています。
 研究対象においても、近世前期小説に限らず、近世文芸全体の体系化を目指して、近世後期小説はもちろん、近世の和歌、国字、漢詩、随筆等、幅広く考えています。又、近世日本文芸の中国文芸からの受容についても、興味をもっています。さらに最近は江戸時代を舞台とした歴史小説(藤沢周平、山本周五郎、司馬遼太郎等)も研究しています。
 近世の人々に、そして、現代の我々に愛される近世文芸の本質とは何か。この大きなテーマに挑んでいます。

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担当授業例
「日本芸能史」(2年生対象科目)

 日本におけるパフォーマンスや神話の時代から能・浄瑠璃・歌舞伎・落語など今の時代まで残る古典芸能の歴史について、映像などを交えて解説します。ゲストスピーカーとして実演者に語ってもらったり、希望者には劇場で鑑賞できるように案内したりしています。

「日本文学演習Ⅱ」(3年生対象科目)

 江戸時代における散文、韻文、芸能などの中から、受講生各自の興味によって自由にテーマを設定し、ゼミ形式で発表してもらいます。選んだ作品や作家のどこが面白いのか、短時間でゼミ生一同に理解してもらえることを目標とし、プレゼンテーションスキルをあげ、質疑応答でディベード能力をあげ、実社会でのコミュニケーション力の鍛錬に繋げて指導しています。また、そのテーマに関する先行研究などを深く調べることで学術的研究まで高め、4年生で作成する卒業論文につながるようにアドバイスしています。

卒業論文題目(一例)

『好色五人女』をめぐる恋愛物語
『西鶴諸国ばなし』における作者の意図について
『雨月物語』における女性像
能楽『清経』について
文楽にみる女たちの美しさ
「皿屋敷」物の変遷
『東海道四谷怪談』の構造
『奥の細道』における芭蕉と旅