[ 文学部 ]学部長メッセージ

時代が変わっても
必要なものは何かを考える

文学部では、その英語表記“School of Humanities”が示す通り、文化、歴史、心理、文学、言語などの人文(科)学の研究を通して「人間とは何か」を探求しています。 文学部では文献・資料研究や実習など少人数教育を重視しており、特に一年生の人文演習、三年生・四年生の演習(いわゆるゼミ)においては、調査や研究発表、討論に積極的に参加することによって自らが考え、自らが行動する能力を高めます。学生は一つの専修に属して専門を深く極めることができますが、同時に副専攻などの制度を利用して他の専門分野を学び、柔軟な発想と幅広い教養を身につけることも可能です。複数のゼミを履修できる独自の制度を導入したのも、教員と学生、あるいは学生同士の濃密な交流を軸とした全人的陶冶を目指しているからです。

このような探求に基づき、問題を解決する能力だけでなく、解くべき問題を発見する能力を培います。必修として課している卒業論文では、いわば文学部での学びの総決算として、それまで培ってきた知識・技能を活用し、自らが見出した問題を存分に追究します。


文学部長 新関 芳生(にいぜき よしたか)

最近は「なんの役に立つのか?」と問われることが増えてきました。多くの場合、「それは儲かるのか?」と同義であったりもします。しかし、誰の何に役立つことが求められているのでしょうか?そもそも「役に立つ」とはどういうことなのでしょうか?などをしっかりと考えるのも、文学部のような基礎学問領域の重要な役目でしょう。今、学ぶべきことは、大学卒業後すぐに誰かのために使えるスキルではないでしょう。すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなることでもあります。時代が変わっても役に立ち続けられるために必要なものは何かを考えつつ、それらをしっかりと身につけてほしいと思います。
何よりも、自分の興味に従って存分に学び、頂を目指して歩むことが、学生の最大の特権であることを自覚しつつ、人間的な成長を遂げてほしいと心から望んでいます