関西学院大学美学芸術学会 設立のお知らせ

関学美学会の設立

加藤 哲弘

 2020年2月11日、長らくの念願であった関西学院大学美学芸術学会(略称「関学美学会」)が設立されました。これまで美学研究室とその卒業生や関連研究者たちとの関係は、もちろんそれほど悪いものではありませんでした。しかし残念なことに、美学や芸術学に直接関わる機関や施設で活躍している卒業生と大学の教員や学生たちとの学術的な交流を公的に、そして持続的に保証するものはこれまでに何もありませんでした。また、いったん前期課程や後期課程を修了して研究室を離れた卒業生たちには、研究論文や専門的な内容の記事を執筆し公表する機会は、ほとんどないというのが実情でした。
 周囲を見渡せば、美学芸術学に関わる多くの大学の研究室が独自の学会組織を創設して、その機関誌をすでに刊行し始めています。また関学の文学研究科でも、いくつかの領域では独自の学会を組織して、学生たちの研究業績を「学協会誌」に掲載できるような配慮をしています。
 もちろんこれらの機関や研究室にはそれなりの事情があると思われます。わたしたちも自分たちなりの状況を踏まえて活動を展開する必要があるでしょう。これまで美学研究室では博士論文だけではなく修士論文についても公開発表会を開催してきました。2月11日の第1回関学美学会の会合も、この年度に提出された修士論文の発表会に際して張記念館で開催されたものです。したがって今後は、基本的にはこの形態を踏襲し、さらに発展させていくことになります。
 この2月の会合では、会の当面の運営にあたる役職が決まり、会則が承認されました。各役職を担当することが決まったのは、会長に加藤、副会長に河上、会計に桑原、庶務に小石と下原の各教員です。また、委員の追加、名誉会員の推薦準備、予算案、行事予定、ウェブによる会報発信などについても検討し、美学論究の早期刊行と執筆者について決定しました。
 当初の予定通りであれば、3月18日の卒業式や、5月4日に久しぶりに開催されることになっていた同窓会で、この新学会の内容について報告と説明を行い、制度の基盤を確かなものにしておくはずでした。しかし、ご存知のようにこれらの行事はすべて中止ないしは延期となりました。会則と美学論究の投稿規程や執筆/投稿要領もこのホームページに掲載しますが、率直に言ってまだ必ずしも検討が十分ではないところも残っています。今後にご案内する次回の総会では、ぜひこの点についても会員の皆様のご意見を頂戴したいと思います。入会を希望される方は、学会のメールアドレス(※)か、美学研究室まで、ご連絡をどうぞよろしくお願いいたします。

※ kwansei.aesthetics@gmail.com