授業内容(学部の授業紹介) [教育学部](2012年度以前入学者用)

[ 編集者:教育学部・教育学研究科       2017年10月19日   更新  ]

現在行っている1~3年生の授業の一部を紹介します。

教育学部共通の授業

キリスト教学

キリスト教学

世界の三分の一の人口がその価値観の基本とするキリスト教について、日本社会におけるその正しい理解は、プロテスタントキリスト教の受容から150年といわれる現在でもまだなされていません。この講義では、現代日本社会を踏まえてキリスト教が日本社会に対して持つ意味、内容、そして課題を紹介しつつ、受講生ひとりひとりが、キリスト教主義を理念とする関西学院大学に学ぶ学生にとって必須となる確かなキリスト教理解をもつことができることを目指します。

子どもと英語I

英語のコミュニケーションを指導する者は、ひとつひとつの単語を正確に発音し、自然な発話ができなければなりません。そのような指導者になれるよう、この授業において、単語を構成する音素、単語の音、センテンスの音とリズム、会話のイントネーションを練習し、習得します。同時に、状況にあった自然な会話を学び、コミュニケーション能力を養います。

情報処理基礎

情報処理基礎

コンピュータリテラシーと情報活用能力を養成することを目的とし、比較的使用頻度の高いワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトの基本的な操作方法を講義し、演習を行っています。また、インターネットを利用した効率的な情報収集の方法について解説し、情報発信のためのホームページ作成も行う予定です。

国際理解

国際理解

国際理解・国際交流・国際協力の基礎知識について講義します。その際、南アジア・バングラデシュを重点的に取り上げ、農村や都市における生活と産業および教育事情を例示することによって、開発途上国の地理・歴史・文化・宗教への理解を深めることを目指します。ストリート・チルドレンや労働力としての子どもの現状から、貧困の現実と原因について問い、さらに貧困問題の解決のための、政府開発援助・NGO(民間の国際協力団体)の活動・開発教育・政策提言・フェアトレードについて具体的事例に基づいて研究します。

ボランティア論

ボランティア論

担当教員は、1977年に障害児施設での食事介護をきっかけに、様々なボランティア活動に参加してきました。子ども会活動、高齢者施設でのお世話、在日外国人支援、アジアの子ども支援などを通じて、いろんな人と出会い、身の回りで起きている社会問題に関心を持つようになりました。こうした出会いから日本ユニセフ協会などボランティア団体で仕事をし、自らボランティア団体を設立・運営するという経験もしてきました。以上のような約30年間にわたる経験を語ることを通して、この講義では学生たちがボランティアとは何か?について考えるきっかけにしてもらいたい。とくに学校における障害児へのかかわりを意識して、考察していきます。またボランティアの思想、歴史、現状、動向、課題を示します。人間関係が孤立化する現代において、ボランティアは新しいコミュニティと生きる喜びを生み出す可能性を秘めています。学生がより広い視野からボランティアを考察し、身近で楽しいボランティア活動を始めるきっかけにしてもらいたい。

子どもと人権

人権に関わる概念や様々な人権問題に関する学習が目指すものを明確にする中で、人権尊重の理念を理解し体得させるとともに人間尊重の精神を培います。また、幼児・児童が人権に係る感覚や感性を十分に身につけるための人権教育のあり方を習得します。幼稚園・小学校教諭免許状及び保育士資格の必修科目です。

子ども文化論

大人文化に対する子ども文化は、子どもの成長段階でどのように形成され、子どもに影響し、大人文化とどう繋がるのか。子ども観の変遷、大人と子どもの境界の歴史的経過を検証します。また、自文化の子どもを深く理解するため、ネイティブアメリカン、バングラデシュ・韓国など海外の事例を取りあげて異文化の子どもとの比較検討を行います。あわせて、それぞれが経験してきた「子ども時代」を顧み、現代の消費・情報社会の中の子どもなど、子どもを取り巻く環境と社会について考えます。

メディアと子ども

メディアと子ども

現代人はメディアを介して情報を入手するだけでなく、価値観や関心領域もメディアから大きな影響を受けています。とりわけ、子どもの場合は、昨今のインターネットのように、メディアの人間形成や人間関係に及ぼす影響が、さまざまな面で話題となっています。他方、教育におけるメディアの活用は、NIEに代表されるように、教育方法を豊かにする上で期待されています。こうした視点から、教育とメディアに関わるさまざまな課題を取り上げ、教育におけるメディアの活用について具体的に考察します。

基礎演習

基礎演習

大学という学問の場への案内となる科目であり、教育学部における学びの世界への導入をはかります。受講者の教育に対する多様な関心のあり方を重視しながら、〔1〕学術的な文章を読み理解する、〔2〕論理的に考え文章で表現する、〔3〕考えをまとめ意見として発表する、〔4〕図書館を利用して必要な情報を得る、などのことを学びます。

発達心理学

発達心理学

幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程についての知識を習得し、障害のある子どもの発達及び学習の過程についても学ぶことを目標とします。発達心理学の理論や研究を学び、ライフサイクルの中での人間の成長と各発達期の特徴及び学習の過程について知ります。子どもの生活や活動の中での教師・保育者による一人ひとりに応じた適切な発達援助のあり方を学びます。

多文化共生教育

多文化共生教育

国籍、文化、言語などの違いを越え、互いを尊重する「多文化共生」のための教育を創造し実践する教育従事者の資質を養います。学習の基本的視座として次の3つが挙げられます。①急増する在日外国籍児や日本語を母語としない異なる文化背景をもつ子どもたちの学習環境の保障(エンパワメント支援)②「多様性を受け入れる感性=人権感覚」をはぐくむ活動(多様性への共感・理解・異文化への理解)③多文化共生社会の主体としての市民を育成する教育(市民としてつながる態度と技術)

児童文学

日本の児童文学の歩みを、日本の近代文学の流れのなかで捉えることを目的とします。明治時代から昭和にかけて、児童文学の主要作品を分析し、その特質と魅力を探るとともに、近代日本文学史における児童文学の位置づけと意義を明らかにしたい。また、明治時代に、欧米より伝来し、日本の教育のみならず近代的児童観にも影響を及ぼしたキリスト教信仰ないしキリスト教精神を視野に入れて、それらが児童文学に果たした役割と意味を考えます。

子どもと図書館

「活字離れ」など子どもをめぐる読書状況を明らかにします。それをもとに子どもと読書に関する課題を整理し、子どもの読書における図書館の役割について考えます。取り上げる図書館は、公共図書館、学校図書館はもとより、園文庫や地域文庫・家庭文庫までに及びます。具体的な課題の提示とともに、実際のサービスのあり方にも触れます。さらに、「子どもの読書活動の推進に関する法律」や「子どもの読書活動推進計画」の動向にも触れ、総合的に子どもの読書と図書館について学習することを目的とします。

食育論

国民の「食」をめぐる環境が変化し様々な課題があります。食育はそれらの解決につながると期待されている教育のひとつです。栄養バランスの改善, 正しい食習慣の形成、農畜水産物や食品に対する正しい理解、地域の優れた食文化の継承等を実践することで、「人間力」を向上させることが食育の最終目標です。本授業は、人が食べものに向き合う姿勢の基本を「食べものを食べることは他の生き物の命をいただいていること」に置きながら、食育の要素を理論的に捉え、食育を展開する力につなげることを目標としています。諸君は将来の食育推進者の一人です。食育は子どもだけに必要とされているのではありません。食育を国民の資質の育成の一つとして捉えると、生涯を通して精進していくものです。将来、保育者や教師あるいは親となるであろう諸君にとって、本授業が自分自身の食生活を見直す機会となり、食育推進者の一人としての自覚が芽生えることを期待しています。

障害者と教育

子どもの発達障害について事例や実態に触れながら理解を深めるとともに、保育・教育現場や家庭での対応の仕方と支援のあり方について検討します。具体的には、発達障害の概念、発達障害の種類(知的障害、広汎性発達障害、学習障害、ADHD等)と診断、脳と心身機能の発達、発達障害児の心理、保育・教育施設や社会生活での諸問題について理解を深め、発達障害児への係わり方と教育・支援等について学びます。