[ 司法研究科 ]各界で活躍するOG・OBからのメッセージ

【検事】 岩橋 彩さん -福岡地方検察庁 勤務-

岩橋 彩さん
岩橋 彩さん

日常に潜む小さな事件から世間を騒がせる大きな事件まで、起訴・不起訴の決定権を持つのは私たち検察官です。被疑者、被告人の生い立ちや犯行に至る経緯は本当にさまざまで、初めて出会う人たちから話を聞いて裏付け捜査を行い、真相解明・適切な事件処理に努めています。

 

先生や先輩後輩との距離が近く、学習プログラムや施設が充実。
全てが整った環境で2年間集中して勉強できました。

私が検事を志したのは、犯罪者の更生に関心があったからです。検察官は被疑者、被告人と敵対する立場をイメージされるかもしれませんが、時には、有罪立証ができる事件でも社会でやり直させることが目の前の被 疑者の更生のためには適当と判断して不起 訴処分を選択することもあり、再犯防止のために何ができるかということも考える点では彼らに寄り添う存在でもあります。私はよく、取り調べの最後に「もう二度とこんなところに来ないでね」と被疑者に伝えます。一度した失敗を二度と繰り返さないように、してしまったことの重さを理解させることも私たちの仕事です。
 ロースクールに入学すると、課題等に追われ、分からない問題ばかりに出会い、思い悩む日が誰でも必ず来ます。心にとどめておいていただきたいのは、将来、他人の人生を左右する仕事をするのだから、今つらくても当たり前だということです。それほど重い責任のある仕事は、やりがいも大きいです。関学ロースクールは、充実した施設と常にアップデートされるさ まざまな学習プログラムが用意されています。 先生方は、勉強方法や勉強以外の悩みも親身に聞いてくださり、合格に導いてくれます。このように、関学ロースクールは最大限勉強に 集中できる環境が整っていますが、試験を受けるのは自分なのだから、合格のためには、自分自身も努力するということを忘れないでください。

【弁護士】 大森 楓さん -西村あさひ法律事務所 勤務-

大森 楓さん
大森 楓さん

大手法律事務所のファイナンス部門で、主に不動産の流動化や証券化に関する業務に従事。
ファンド、銀行等のクライアントに対して、各種契約書の作成、不動産の運用上生じる法的問題への助言等を行っています。

 

励まし合える仲間と親身な先生方に支えられ、司法試験まで駆け抜けることができました。

法曹になることを強く希望していたわけではなかったのですが、早期卒業制度、充実した奨学金制度、恵まれた学習環境であったことからロースクールに入学しました。学習を進めるにつれて、また、実務家教員の先生方の話を聞くにつれて、法曹の魅力に惹かれていきました。
 ロースクールでは、仲間や先生方との距離が近く、気軽に議論がしやすい環境でした。授業前後に生じた疑問を仲間と議論し、それでも解消しない疑問を先生方にぶつけ、共に疑問を解消していきました。現在は少し専門的な分野で執務していますが、ロースクールで得た思考方法は、その基本として生きてい ます。
 仕事でクライアントに「頼りになる」「また先生にお願いしたい」と言われることは大きなやりがいです。一筋縄ではいかない案件も多々ありますが、熱心に取り組み、クライアントに満足してもらえる結果を出せるよう、日々執務に取り組んでいます。
 私自身、ロースクールへの進学は人生の大きな選択の中の一つであり、少なからず悩みがありましたが、共に努力する仲間と親身な先生方に支えられ、充実したロースクール生活を送ることができました。関学ロースクールは、私にとって最適な学びの場だったと思っています。

【企業法務】 荒川 真理さん -弁護士・東京都内外資系企業 勤務-

荒川 真理さん
荒川 真理さん

グループ企業の法務を担う環境で、社会の実情を学ぶ日々。
案件から学ぶことは多く、興味は尽きません。

 

今の自分を支えているのはロースクールで仲の良い友人と一緒に学んだことです。

学部生時代に早期卒業や手厚い奨学金制度があることを知り、通い慣れた関西学院のロースクールに進むこと を決意。先生方の対応が細やかで、学習環境も整っていると感じた点も入学を決めたポイントです。
 少人数で取り組める土曜ゼミは、気心の知れた友人たちと自分の得意分野を教え合ったり、気になる部分を突っ 込んで聞けたり、一緒に楽しみながら学ぶことができました。一度目の試験では惜しくも合格点に届かなかったので、 二度目の試験に臨む際は、苦手な科目を克服する等の改善を試みました。そのために土曜ゼミの通信添削をフル活 用し、「書く力」を強化。卒業後の勉強は孤独でしたが先生や先輩方から暖かい励ましの言葉をいただき、無事試 験に合格することができました。
 修了後はすぐに法律事務所で勤務するよりも、まず社会の仕組みや企業法務の実務を勉強しておきたいと思っ たため、一般企業の法務部門で勤務することに。民法や商法、労働法などロースクールで学んだ知識を活かしなが ら奮闘する日々ですが、企業法務と一口に言っても扱う案件の幅は広く、例えば独禁法や知財法の知識が必要とな ることもあり、さらなる勉強に励んでいこうと思っています。海外取引も多いので、英語力の強化や国際取引に関する 知識を身につけることもこれからの課題です。将来的にはさまざまな法律の知識を活かしてさらに活躍したいと考え ています。

【公務員】 大矢 航平さん -兵庫県庁 勤務-

大矢 航平さん
大矢 航平さん

県税事務所で、法人事業税・県民税の課税・申告指導に従事。
適正・公平な課税のため、勉強の毎日です。

 

全力でサポートしてくださる先生方のいる環境。
だから、全力で勉強に取り組めます。

大学院で勉強を進める中で、弁護士以外にも法律の知識を生かす場はないかと思い、最初に思い付いたのが故郷である兵庫県内で働くことのできる県庁でした。
 ロースクールでは日々膨大な量の判例や条文に触れることになりますが、これらの勉強により、さまざまな問題に対し、一定の姿勢で取り組むことができるようになったのではないかと思っています。例えば、何事も定義やお互いに納得できる点を定めてから議論をスタートさせる姿勢、議論の目的は何なのかを明確に意識する姿勢、発言するときは根拠を明確に示す姿勢等です。これらの姿勢は、法曹以外の職業に就いた私にも大いに役立っています。その意味で、ロースクールで学んだことはあらゆる場面で活躍する武器になっていると感じます。
 弁護士等の法曹は、法律を使って不安・不満を抱えている方々のトラブルを解決する形で法律に関わっていくのに対し、公務員は法律を使って地域の方々にサービスを提供する形で法律に関わることになります。現職の県税事務所においても、県民の皆さまに正しく税のことを理解していただくため、地方税法および県税条例等の規定に従い、適正・公平な課税指導を行う形で法的サービスを提供しています。ロースクール進学を考えている皆さんにお伝えしたいのは意外かもしれませんが、法律を使って人の役に立てる仕事は弁護士等以外にも存在するということです。日々の勉強で疲れてしまうこともあると思いますが、法曹だけでなく、さまざまな可能性が自分にあると信じて頑張ってください。