修了生の声

[ 編集者:大学院 司法研究科       2017年2月28日   更新  ]

関学ロースクールの公法系授業を通して行政の仕事の大切さに気付く。環境問題の課題を解決するために、新たな法制度の提案に取り組んでいます。

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略歴

2006年 4月 関西学院大学法科大学院(既修)入学
2008年 3月 関西学院大学法科大学院修了


~関学ロースクールでの学び・出会いが、公務員人生の礎となりました~

私は、兵庫県庁で働いており、『瀬戸内海の環境保全』に取り組んでいます。

水質汚濁防止法による排水規制、瀬戸内海環境保全特別措置法による施設の設置規制といった行政の取組等により、瀬戸内海の水質は大きく改善しました。

ところが今、瀬戸内海では、「漁獲量の減少」、海域中の栄養分が不足するために発生する「ノリの色落ち」、生物の生育の場となる「干潟・藻場の減少」等という新たな課題を抱え、これまでの法制度では対応できない状況にあります。

このことから、兵庫県をはじめ瀬戸内海関係の地方自治体は、瀬戸内海を『里海』として再生するために、国に対し、新たな法制度を提案しています。

この提案にあたっては、新たな法制度の根拠となる事実に科学的な裏付けがあるのか、瀬戸内海の現状・課題を解決するために、必要かつ効果的な方法となっているか等を十分に検証しなければなりません。

関学ロースクールの憲法や行政法などの科目をとおして、立法の根拠となる事実から法律の合憲性や条文の趣旨から適法性を考えるという姿勢を深く学ぶことができ、私が仕事をする上でとても役に立っています。また、関学ロースクールでは、教職員や学生とのつながりが強く、修了後も教授、法曹・公務員等になった仲間との交流が続いており、このつながりが、公私ともに広く活かされています。まさに関学ロースクールでの学び・出会いが、公務員人生の礎となりました。