[ 司法研究科 ]授業紹介

1年生の授業(基礎力養成期)

1年生では、法律基本科目として憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の各科目を基礎からしっかりと学びます。
これらの科目は法律学習の根幹をなす重要な科目です。
今後の法律学習の成果を決定づけるといっても過言ではないこれらの科目を集中的に学習することで、不動の基礎学力を養成します。

1年生の授業風景

法律基本科目群の目標

実定法の基本的な知識の修得を目的としています。各実定法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)の基本的な知識を修得します。
1クラス20名前後で実施しています。

基礎法学・隣接科目群の目標

幅広い教養と豊かな人間性を養います。本学の建学の精神を体現するほか、国際的視野を持った法曹の養成を目指します。

特別演習科目群の目標

法律学を初めて学ぶ学生のために少人数ゼミによる導入教育を行います。
六法の読み方をはじめ、法律学習の基本から丁寧に指導することで、ロースクールでの高度な学習に挫折することのないよう、きめ細かくサポートします。

2年生の授業(基礎力充実期)

2年生では、1年生で学んだ憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の知識を定着、発展させるために基礎的な事例を研究する演習形式の授業を行います。
法律基本科目のうち会社法・行政法は基礎づくりから始め、引き続き基礎的な事例研究まで行います。
法務スペシャリストとなるための実務基礎科目も始まり、これまで学んできた理論を現実の法律問題に適用する基礎的な訓練を行います。

img_2年生の授業

法律基本科目群の目標

各実定法の演習科目を必修科目とし、重要論点を双方向のケースメソッドなどで学修することにより、当該法律についての理解をより深めることを目標とします。
なお、会社法・行政法については春学期において基本的な知識を修得することから始めます。

実務基礎科目群の目標

ロースクール教育の柱の一つである「実務教育の導入部分」を担い、1年生で修得した基本的知識をもとに現実と触れ合う科目を幅広く設置し確実な実務基礎の修得を図ります。
ローヤリング、民事裁判実務、刑事裁判実務などにより実務的感覚を体得します。

展開・先端科目群の目標

法曹としてどのようなフィールドに進むのかを発見したり、すでに関心のある専門領域を持っている者の基礎的教育を目的としています。
〈企業法務科目〉〈国際関係科目〉〈現代社会と法関係科目〉〈政策法務科目〉の四つの領域を設けていますが、それらに配置された科目は網羅的であり、現代の各領域における問題点を取り扱います。

3年生の授業(発展的学習期)

3年生では、実定法についての理解を深めるだけではなく、各実定法が複雑に絡み合った高度な事例を研究することで応用力を養います。
実務科目についてもさらに高度な内容へと進み、理論と実践の融合によって理解を深めます。
展開・先端科目でも様々な授業を提供し、司法試験選択科目に備えるとともに、将来実務家として活躍できるよう幅広い能力を養います。

3年生の授業

法律基本科目群の目標

各実定法については高度な事例を用いて演習形式で学修を行うことで、発展的な学力を養成します。
また、個別法の枠を超えた総合的な学修も行い、単純に実定法を適用するだけでは解決できないような複雑な法的諸問題に対処できる能力を養うことを目的としています

実務基礎科目群の目標

2年生に引き続き現実と触れ合う科目を幅広く設置し確実な実務基礎の修得を図ります。
法曹としての責任感・倫理観を涵養する専門職責任(法曹倫理)のほか、より実践的な実務科目としてクリニック、模擬裁判などを配置し、実務的感覚を体得します。

展開・先端科目群の目標

より将来の志望を意識した選択履修が中心となり、いずれかの領域に傾斜した履修となります。

特別演習科目群(特別演習)の目標

特定の領域について、思考力、論理力、表現力などを養成することを目的として、少人数ゼミを行います。

模擬依頼者(SC)を活用したシミュレーション教育~ 理論と実務の架橋~

現実の法曹界も認めるクオリティの高い実務教育法

弁護士会からの要請を受け、弁護士向け研修会にも本学scを派遣しています。

自分が弁護士になった姿を想像してください。

あなたの依頼人は直面しているトラブルに困り果て、悩みぬいた末にあなたに助けを求めてきています。あなたが放つ一言は相手に「安心を与える」こともあれば相手を「不安に感じさせ」たり「傷つかせ」たりもします。

それほど弁護士の一言は依頼人に対してとてつもない力を持っているからこそ、弁護士には高いコミュニケーション能力が必要なのです。

関西学院大学ロースクールでは将来法曹実務家を目指す学生が学ぶ専門職大学院として、事件を法的に見るだけにとどまらず、その背後にある人間関係や人生の重みを受け止め、紛争を真摯に解決できる心温かい“よき仕事”を実践する法曹を養成することを目的として、全国的にも大変めずらしい、市民ボランティアの方方による模擬依頼者(SC=Simulated Client)を活用した独創的かつ先進的なシミュレーション教育を行っています。

実務基礎科目の授業に模擬依頼者として参加していただき、弁護士役のあなたの対応の「よかった点」や「改善点」を一般市民の感覚でフィードバックしてもらえることは、学生だけの役割分担では得難い貴重な財産となっています。

このSCを活用したシミュレーション教育方法は、文部科学省採択事業として選定されました。また、近隣の弁護士会からも視察に来られたほか、弁護士会実施の研修会にSC役として派遣を要請されるほど高い注目を集めている取組で、まさしく関西学院大学ロースクールの特徴的な教育方法と言えます。

授業改善の取組

ロースクールにおける授業方式は、講義、演習、実習のいずれか、またはその組み合わせとなります。特に法律基本科目においては、双方向的、多方向的で密度の高い授業を展開するため、準備学習を大前提とした授業です。

学生による授業評価

学期の最終授業時に、全授業科目を対象に学生による授業評価アンケートを実施しています。アンケート結果は、本学授業担当者および学生に公表しています。アンケート結果を分析し課題を把握することにより、授業内容及び授業方法の改善など、教育の質的向上をはかるための取り組みに結びつけています。

また、各学期の中間時点でもアンケートを行っており、それを授業担当者にフィードバックすることで、後半の授業運営に役立てる取り組みを行っています。

教員相互の授業参観・研究授業

授業運営の改善に役立てるため、一定の期間を設けて教員が相互に授業参観を行い、その後、意見交換を行う機会を設けています。また、本学内部で学生の評価が高い教員の授業を研究授業として見学し、意見交換を行う試みも行っています。加えて、外部講師による講演会等も実施しています。

意見箱の設置

学生が日頃持つ意見・要望を聴取し、本学運営に役立てるため「意見箱」を設置しています。提出された意見・要望等については、その内容により適宜検討し、対応しています。