2018.09.06.
「関西学院世界市民明石塾」後半2日間を開講 (8/25~8/26)

関西学院大学は将来のグローバルリーダー育成を目的として、明石康・元国連事務次長を塾長に迎え高校生対象の「関西学院世界市民明石塾」を開講しました。
今年で3回目となる世界市民明石塾は、本学西宮上ケ原キャンパスにおいて8月の4日間(8月5日、6日、25日、26日)にわたるプログラム構成で、全国の高校から選抜された24名の高校生が参加しました。今年度は「Challenges for SDGs! ~Goal 1: No Poverty~」を全体テーマとし、持続可能な開発目標(SDGs)と貧困について学びました。後半の2日間に実施された内容についてご紹介します。

明石塾1

3日目となる8月25日午前中は日本語と英語による講義が行われました。総合政策学部の村田俊一教授は「貧困解消は可能か?!」をテーマに開発と人道支援の関係について解説。その後、実際の人道支援の現場で活躍する国際協力NGOジャパン・プラットフォームの月岡悠氏と澤井麻里氏からシリアやパレスチナ等での具体的な活動事例を交えて、人道支援の流れや人道支援を受ける側の権利についてスカイプを通じてプレゼンテーションがありました。
続いて、マッケンジー・クラグストン教授による英語のレクチャー「Peace and Poverty」が実施されました。外交の観点から、貧困と紛争の関係、世界の貧困の現状等の様々なデータをもとに講義が進められました。

明石塾2

午後からは、「貧困は紛争の原因か」というテーマにもとづき日本語と英語によるディベートに取り組みました。事前資料や課題、さらに世界市民明石塾での学びをもとに、参加者は肯定派・否定派に分かれて、チームの中で意見を交わしながら主張の組み立て準備を行い、本番では、様々な視点から貧困と紛争を考察し、白熱した議論が繰り広げられました。ディベートのファシリテーションを行った国連・外交統括センター長・神余隆博教授とクラグストン教授による講評では、着眼点の良さや短時間で意見をまとめたことへの評価とともに、より活発な議論のためのアドバイスがありました。

明石塾2

最終日となる8月26日は世界市民明石塾「貧困削減と平和に関する青年の声明 (Statement of youth on poverty reduction and peace)」の作成を行いました。4つのグループに分かれて声明文案を作成し、その後、全体会合として各グループの案を一つの声明文へまとめ上げる作業を行いました。このプロセスは国連等の国際社会における合意形成のプロセスを体感することも一つの目的としています。ファシリテーターの神余教授と久木田純教授のリードのもと、参加者は活発な議論を展開し、言葉の一つひとつを慎重に選びながら声明文を完成させていきました。皆で作り上げた声明文は全員一致で採択され、採択後には、参加者一人ひとりが署名を行いました。

明石塾7

明石塾2日目PM

セッションに引き続き行われた閉塾式では、修了証書の授与に続き、塾長の明石康・元国連事務次長より参加者への激励の言葉をビデオメッセージで頂きました。メッセージの中で明石塾長は、「言語などの様々なスキルを身に付け、日本の枠を越えて国際的な活動や国連での仕事等に挑戦してほしい。国際的に働くことは簡単なことではないが、力をつけて前進してほしい」とアドバイスされました。参加者は、明石塾長からの熱のこもったメッセージに真剣に耳を傾けていました。

明石塾6

修了式後は懇親会が開かれました。お茶やお菓子とともにリラックスした雰囲気の中、4日間の世界市民明石塾を振り返り、参加者全員が感想を述べました。「良い仲間と出会えて良かった」や「自分の目標がみつかった」、「同世代の参加者から刺激をもらった」など前向きな発表が相次ぎました。参加者に加え、4日間に渡り世界市民明石塾に協力してくれた関西学院大学の学生サポーターからも「ここで出会った仲間は財産。ぜひ交流をずっと続けてほしい。」というメッセージがありました。これからもお互いに切磋琢磨し、世界市民明石塾で学んだことが、今後、参加者のみなさんがグローバルリーダーとして羽ばたくための一助となることを願っています。