2023.08.25.
アフナ・エザコンワ国連開発計画(UNDP)総裁補兼アフリカ局長による特別セミナーを開催(8/24)

8月24日(木)、大学院副専攻「国連・外交コース」特別セミナーとして、アフナ・エザコンワ国連開発計画(UNDP)総裁補 兼 アフリカ局長による講演会を、本学西宮上ケ原キャンパスにて開催しました。 テーマは、“#NextGen TICAD: African-Owned Development for Sustainable Future”と題し、本学学生、卒業生約30名が受講しました。

講演会に先駆け、神余隆博 国連・外交統括センター長、村田俊一教授がエザコンワ氏に歓迎の意を表し、短時間ではありましたが西宮上ケ原キャンパス内を散策されました。



エザコンワUNDP総裁補兼アフリカ局長はアフリカの46カ国にて年間12億米ドル規模の開発プログラムを実施する4000人以上の職員を率いておられます。(※文末のエザコンワ氏プロフィール参照)
TICAD(アフリカ開発会議)は、日本とアフリカ各国、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合(AU)委員会の共同開催会議で、今年設立30周年にあたります。エザコンワ氏は、UNDPと日本のパートナーシップを深めることを目的にこの度来日され、本学で講演いただきました。初めにTICADの1993年設立の経緯と、当時大学生であったご自身を振り返られ、アフリカ振興の機運が高まっていくことへの期待に満ちて関心を深めたと述べられました。

そしてアフリカ大陸の多様性、若年世代の層の厚さなどの特徴ある社会情勢から、統一性のあるプラットフォームの必要性が問われていると共に、常に様々な危機的状況に追われている現状を打破するには、他国からの援助から脱却し、自国の力で自立を目指すときであるとも説明されました。 エザコンワ氏は、「ウブントゥ(ubuntu)」(私はあなたと繋がっている)という普遍的な絆を意味する言葉を挙げながら、アフリカ諸国及び国際社会が直面する様々な課題に対し、若い世代による未来をポジティブに構築しようとする新たな潮流がアフリカ諸国に希望をもたらしていると強調されました。

続いて、本学大学院副専攻「国連・外交コース」及び学部副専攻「国連・外交プログラム」履修生や、大学院卒業生らによる質疑応答を行い、「若い世代が国際問題解決の議論へ参画することを促進するにはどのような活動が効果的か」、「山積する地球規模の課題に日々取り組まれる中で、どの様に優先順位を考えておられるか」、「限りあるリソースを最大限活用するにはどう対処しておられるのか」など、熱心な質問が寄せられ、エザコンワ氏は真摯に答えてくださいました。



最後にエザコンワ氏は「アフリカと日本は共通の問題をもっている。それは若い世代の問題意識の啓発であり、大学教育での取り組みもより一層求められている。皆さんには異文化への尊敬と相互理解を目指し、問題解決に取り組む人材になってくれることを期待する。パートナーシップこそが肝要です。」と結ばれました。
記念撮影後も、エザコンワ氏と、今回帯同されたUNDP職員の皆さまと交流させていただき、参加学生には、非常に励みになる貴重な機会となりました。
 


アフナ・エザコンワ 国連開発計画(UNDP)総裁補 兼 アフリカ局長 略歴
Ms. Ahunna Eziakonwa-Onochie Assistant Administrator and Director of the Regional Bureau for Africa, United Nations Development Programme (UNDP)
アフリカの46カ国にて年間12億米ドル規模の開発プログラムを実施する4000人以上の職員を率いておられます。 公平、包括性を推進することやアフリカのナレティブを再構築すること、若い起業家の動員とアフリカの人々の尊厳の推進に情熱を注いでおり、「アフリカの約束:アフリカにおけるUNDPの新戦略」では、アフリカ開発にOpportunity Lens可能性を捉える視点を取り入れています。また、アフリカの資金が その開発に使われるようアフリカ・インフルエンサー・フォー・ディベロップメント(AI4D)、アフリカ若手女性リーダーイニシアティブ、アフリカ ・イノベート・マガジン、アフリカ・ボーダーランド・センターを設立されました。新型コロナウイルス に対する社会経済的対応と復興のためにUNDPアフリカ局を率い、また、国連事務総長による地域レベルでの国連改革を担う国連アフリカ地域連携プラットフォームの共同議長を努めている。これまで10年に亘り、エチオピア、ウガンダ、レソトにおいて国連常駐調整官兼人道調整官を務め、国連人道問題調整事務所(OCHA)本部アフリカ担当部長として自然災害、緊急事態、復興への移行を率いた。国連以前は、市民社会団体のInitiatives of ChangeにてCreators of Peace-Women’s Initiativeの国際調整官として活動。米・コロンビア大学国際公共政策大学院にて国際関係学修士号取得、ハーバード大学ケネディースクール・エグゼクティブプログラム修了、ナイジェリア・ベニン大学にて教育学の学士号を取得。

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「国連・外交コース」は、主専攻の研究科(修士)に所属しながら副専攻として履修する国連・国際機関などの職員養成に特化したプログラムです。国連職員はもとより、外交分野や国際公共分野のリーダーなど、世界の様々な課題を解決するプロフェッショナルな人材を養成することを目的としています。

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