立石 裕二准教授(1)

[ 編集者:社会学部・社会学研究科      2016年8月2日   更新 ]

身近な疑問への探究心から社会学の道へ

社会学との出会いについて教えてください。

子どものころから新しいことを思いついたり、何かを発見したりして人に話すのが大好きで、将来は研究者になりたいと考えていました。文系から理系まで、どんな分野がいいかを考えていく中で、社会学が自分には向いていると思いました。

様々な学問分野・領域がある中で「社会学」を選んだ理由は何ですか。

法学や経済学は、答えがある程度決まっている学問というイメージがあって、自分の中でピンとこないところがありました。それよりも、「理由は分からないけど、何故かこうなっている」といった身近な「不思議」「謎」を探究したい、という気持ちがありました。
また、私が通っていた大学では、3年になるときに専門分野を決める仕組みだったのですが、所属していた環境系のサークルで「割り箸と環境問題」というプロジェクトを担当していて、インタビューを通じて新しい事実を発見していくことの楽しさを感じていました。そのことが、最終的に社会学を選んだ決め手だったと思います。

環境系のサークルに入ったきっかけはありますか?

当時は、地球温暖化をはじめ地球環境問題が社会的に注目されるようになった時期でした。まだ新しい問題であり、世界中の誰にも答えが見えていない中で、立場の違いを超えて自由に話し合ったり、新しい仕組みを提案したりできる空気がありました。
もちろんサークル選びなので、その場にいる「人」を見て選んだ部分も正直ありますが、いま振り返ると、そういった雰囲気に面白さを感じた面もあったと思います。

現在の専門に至ったきっかけを教えてください。

私の専門は科学・技術の社会学です。高校までは理系で、家族にも理系が多いので、もともとコンピュータとか機械とか、科学技術には関心がありました。科学技術が進歩して世の中はどんどん良くなっていくのかと思ったら、かえって色々な問題を生み出す場合もある。最近では、車の自動運転がそうですよね。素晴らしいことかもしれないけれど、最終的にどこに行き着くのか、進める側の人たちもよくわかっていません。
また、かつての公害問題を見ても、科学者が原因を突き止めて、それですぐに問題が解決するわけではありません。問題だという人もいれば、問題でないという人もいて、意見が分かれているのが普通です。そのせいで対策が何年も遅れることもあります。こうした白か黒かがはっきりしない部分と、それに対する社会の向き合い方に興味を持ったのが、この分野を選んだきっかけだったと思います。

立石准教授のインタビューは(2)まで続きます!

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