学部長メッセージ

[ 編集者:社会学部・社会学研究科       2016年4月1日   更新  ]

社会学部長 難波功士

社会学って、何? それを学んで、何になるの?
社会学部の教職員や学生、さらには卒業生たちも、こうした質問をいくどとなく投げかけられてきました。
そもそも「社会」とは何でしょうか。さまざまな考え方がありえますが、とりあえずここでは「そこに人が複数存在し、互いにその存在を認識・意識しあっていれば、それはもう一つの社会である」としておきましょう。
小は一つの家族から、大は一つの国家や民族まで。日常的で緊密な友人や親族関係から、その場限りの群集まで。そして、フェイス・トゥ・フェイスで接する集団から、さまざまなメディアを介してつながりあう人間関係まで。さらには「国際社会」という言い方もあるくらいですから、人類全体も一つの社会と見なしうるでしょう。また人類の誕生以来、つねに何らかの社会があり続けてきたとも言えます。そうしたさまざまな社会の、さまざまな事象・現象を扱うのが社会学なわけですから、簡単に一口で説明できるものではありません。
そして、研究する対象がさまざまなのに加え、その研究方法もまた多種多様です。文献や資料を読み、思索する。史料を漁り、過去の時代にさかのぼる。現場・現地におもむき、多くの人の話を聞く。実験やアンケート調査などによって、数値データを蓄積し、分析する。いろんな研究方法があり、そのいくつかが組み合わされる場合も多々あります。
はじめは、そのあまりのはば広さに呆然としてしまうかもしれません。しかし、自分でテーマを選択し、研究のやり方を工夫できる余地の大きさが、社会学の魅力でもあったりします。
関西学院大学社会学部では、学習サポートの仕組みづくりやカリキュラムの改革などを通じて、学生一人一人が、自分自身のテーマを決め、自ら研究をよりよく進めていけるよう検討を続けてきました。そして2016年度からは、基礎から専門までの「4年間の間断なきゼミの履修」が実現され、6つの専攻分野――現代社会学、データ社会学、フィールド社会学、フィールド文化学、メディア・コミュニケーション学、社会心理学――が研究演習と連動して設定されるなど、卒業論文作成までのより綿密な支援の体制が整えられています。
自ら学び、調べ、考え、文章にまとめ、発表し、議論する。とまどうこと、悩むことも多いかもしれませんが、そうしたプロセスが、学生一人一人の「頭脳の基礎体力」の向上へとつながります。頭脳も、適度な負荷があってこそ、成長します。大学生活で身につけたもののうち、長い目でみてその後の人生で最も役に立つのは、この「頭脳の基礎体力」です。そして社会学というフィールドは、頭脳を鍛えるために最適な場所です。
社会から求められる鍛えられた頭脳は、社会(学)を学ぶことによって培われる。関西学院大学社会学部は、日々進化を続けています。