[ 法学部 ] 公務に特化した授業公共政策実践演習A 4

問題意識を抱く社会的課題を自らの提案で解決
具体的な政策を立案し、政策課題や政策形成過程への理解を深める

自治体職員出身の講師が自治体等における公共政策形成過程の実際を教える講座です。本講座では、受講生は自らが問題意識を有する社会的課題について解決法を考え、それを公共政策として事業化する実践的な手法、ノウハウを学びます。それにより、受講生の政策企画立案能力(問題解決能力・事業遂行能力)の向上をめざすことを目的にしています。
講座の前半は講義中心ですが、後半はワークショップ(参加型体験講座)形式で授業を進め、事業提案の作成を行う受講生一人ひとりにきめ細かくアドバイスしていきます。最終回の授業で受講生は個人もしくはグループで自らの事業提案の最終報告を行います。

授業の特長

こんな人におすすめ
・将来は公務員をめざしており、政策企画立案能力を実践的に養うとともに、幅広い政策分野の専門的知識を身に着けたい人
・将来、地域づくりや社会的課題の解決にかかわりたいと考えている人
どんな学びや成長ができる?
公共政策の基本知識を習得するとともに、データに基づく政策形成(EBPM)など、近年の政策づくりの動向を把握できるようになります。また、利害関係者間の調整など現実に政策の合意が形成される過程について理解が深まります。
さらに、事業提案を作成することで、これまで自らが培ってきた様々な知識、経験を総合的に活用する経験を得ることができます。
授業の雰囲気は?
本講座は、受講生の関心に応じて、柔軟に内容を見直していくことにしています。受講生とともにつくるオーダーメイド(特注)型の講座です。このため、受講生は授業で自らの関心、問題意識について明確に述べることが期待されています。最初は言葉少なかった受講生も、慣れるに従って、自らが関心を寄せる社会的課題について詳しく話せるようになります。
後半の事業提案作成段階では、受講生は毎回自らの提案を更新し授業で報告します。各提案の実現可能性を高めようと、教員と受講生全員でその内容について議論し、作成者に建設的(前向き)な助言を行います。この過程を経て各提案はより具体的で、説得力のある、わかりやすいものになっていきます。
担当教員が語る他にはない魅力
この講座では、受講生は自治体職員出身の講師の指導・助言のもと、自治体の予算編成過程において一般的に用いられている事業説明書の形式・様式に従って、事業提案書を作成します。
そのなかでは、事業の必要性、妥当性、効率性等についてデータ等を用いて論理的に説明するとともに、事業成果の数値目標を設定し具体的な予算額を積算・提示します。
すなわち、本講座は受講生に自治体における事業の企画立案、予算化の作業を実際的に体験してもらうことを最大の特色としています。このような学習経験は、外からはなかなか見えにくい公務員の仕事や自治体組織の仕組みをよく知る機会ともなります。
キーワード
公共政策、政策科学、政策評価、行政学、政治学、ガバナンス、新公共経営、地域経営、地域づくり、パートナーシップ、コミュニティ、地域自治、地方創生、住民参加
履修基準年度・担当教員
履修基準年度:3年生
担当教員(2025年度):今井 良広

授業計画

授業計画
第1回 ガイダンス:公共政策とは何か?
第2回 公共政策の決定過程
第3回

公共政策の設計、実施

第4回 公共政策の評価、改善
第5回 公共政策の分析手法(政策科学アプローチ)

第6回

公共政策と制度(新制度論)
第7回 公共政策とガバナンス(自治・共治)
第8回 公共政策と地域社会の課題
第9回

第9回~第13回はワークショップ(参加型体験講座)形式で開催

公共政策の課題・テーマ検討(調査・分析)

第10回 公共政策の目標設定(アウトカム)
第11回 公共政策の施策化、事業化(実施主体、実施手法)
第12回 公共政策の予算化(財源・支出)
第13回 公共政策の点検・検証(業績測定、プロセス評価)
第14回 政策提案の発表(個人・グループ)

ここまで読んだあなたへのメッセージ

すでにお気づきのように、この講座は知識の習得だけを目的としたものではありません。自ら課題を発見し、その解決に向け、授業などで学んだ知識やこれまで培った経験を総動員して、新たな事業を提案することがゴールになります。
つまり、頭のなかに知識を情報として入れるだけでなく、頭のなかの知識を組み合わせ、知恵として吐き出すことが大切になります。
このような主体的な学びに、最初は戸惑うかもしれませんが、ゴールに辿り着くとそれが自らに大きな達成感をもたらすものであることに気づくでしょう。ぜひ、本講座でその達成感を味わってください。皆さんの参加をお待ちしています。