[ 法学部 ]学部長メッセージ

法学部長 伊勢田 道仁

関西学院大学 法学部長 伊勢田 道仁

 もう40年以上も前になりますが、私が大学生の頃には、法学部といえば「つぶしのきく学部」というのが一般的な評価でした。とくにこれといった目標がなくても、入って卒業すれば就職はなんとかなる、というくらいの意味です。しかし、最近では学部の種類が増えていますから「つぶしのきく学部」は他にもありそうですね。むしろ現在の法学部は、日本版ロースクールなどの影響で「弁護士、検事、裁判官(法曹)を目指す人がいく学部」というイメージが強いのかも知れません。実際、関西学院大学法学部の教育カリキュラムはかつてとは比べものにならないほど目標志向型になりました(詳しくは こちら をご覧ください)。5つのコースのうち、特修コースの中には法曹分野があって、将来の法曹をめざす学生達が所属しています。
 とはいえ、数の上では卒業生の大多数は公務員または一般企業に就職していきます(最近の状況は こちら をご覧ください)。この点で、法学部のイメージにはギャップがあるといわざるを得ません。法曹にあこがれて入学したのに、実際に法曹になる人はごく一部に過ぎない。そうすると、多くの学生達は中途半端で卒業することになるのでしょうか?いやそれは違う、と私は確信しています。法学部では、法律と政治を学ぶことを通じて、視野を広げ、公平で合理的な思考をする能力を身につけることができます。それは、たとえ法曹にならなくても人生に役立つからです。

 たとえば、公務員や一般企業に就職しても、面倒な紛争は日々生じます。そのとき、法律や政治を学んだ人は、そうでない人に比べて、対応の仕方に一日の長があります。かりに自身では対応できなくても、問題点を整理して専門家につなげることによって比較的容易に解決に導くこともできるのです。このように、法学部で得た知識や技術は、複雑な利益対立状況の下でも、皆さんがよりよい未来を切り開いていくための大きな力となり得ます。法曹の道に進むことは、努力してそのような力を増強した結果なのです。
 もちろん、自らの力で未来を切り開いていくためには、知識や技術のみでは十分ではなく、同時に高潔な人格を形成することも必要でしょう。その点、関西学院大学法学部は、キリスト教主義の教えを基礎として、長い歴史・伝統と、ソーシャル・アプローチという理念をもち(詳しくは こちら をご覧ください)、そして、全国に誇れる美しいキャンパスと熱心な教員・優秀な事務スタッフを有しています。このような恵まれた場所で学生時代を過ごすことは、深い人格と教養を身につけるために理想的な環境であるといえます。
 皆さんも、ぜひ、関西学院大学法学部で私たちと一緒に未来を切り開く力を身につけてみませんか。心よりお待ちしております。