2025.03.10.
豊下楢彦・元法学部教授が『読書アンケート 2024』で故栗林輝夫・元法学部宗教主事の著書『原子爆弾とキリスト教』を紹介
豊下楢彦・元法学部教授が『読書アンケート 2024 識者が選んだ、この一年の本』(みすず書房)で、故栗林輝夫・元法学部宗教主事の著書『原子爆弾とキリスト教: 広島・長崎は「しょうがない」か?』(日本基督教団出版局、2008年)を紹介しました。
『読書アンケート 2024 識者が選んだ、この一年の本』は152名の識者が新刊・既刊を問わず、2024年に読んだ本の中から印象深かったものを紹介するものです。
今回、豊下先生がとりあげた『原子爆弾とキリスト教: 広島・長崎は「しょうがない」か?』は、キリスト教国であるアメリカによる広島と長崎への原爆投下がキリスト教の立場から見て許される行為だったのか、という問いに立ち、原爆が使用された経緯、原爆投下直後の一般米国世論と米国キリスト教関係者の反応などについて、主にアメリカ側の資料を中心に問い直した貴重な著作です。
豊下先生は、栗林先生が「「解放の神学」をも背景に、「キリスト教帝国」としての米国を研究対象に据え、歴代政権の戦争政策の宗教的起源を抉り出すとともに、キリスト教が原爆投下をいかに捉えてきたかを追求された」と評価しています。
原爆投下から80年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)にノーベル平和賞が授与された今、ぜひ栗林先生の著作を手に取っていただければ幸いです。