2024.01.30.
山田笹来さん(法学部4年生)が刑事政策に関する懸賞論文で佳作を受賞

刑事政策などを専門にする安部祥太・法学部准教授が担当した「専門導入演習」(※)受講者の山田笹来さん(法学部4年生)が「令和5年度 刑事政策に関する懸賞論文」で佳作に入賞しました。佳作は、同懸賞論文の最高位である優秀賞に次ぐ唯一の入賞です。

「刑事政策に関する懸賞論文」は、一般財団法人日本刑事政策研究会と読売新聞社が主催。住みよい社会を作り上げるためには刑事政策思想の普及が特に重要であるとの観点から、毎年、日本の将来を担う大学生・大学院生を対象に、刑事政策に関するテーマを決めて論文を募集し、優れた論文に対して賞状及び賞金を贈呈しています。

令和5年度の論文題目は「犯罪被害者等のための施策の充実に向けた新たな取組について」。犯罪被害者等のための施策の背景や課題を踏まえ、その充実に向けた新たな取り組みについて、実現可能性のある具体的な施策を提案することが求められました。

山田さんの論文タイトルは「被虐待児童の権利保障と家族再統合に向けた集合住宅型施設の導入」。同稿は、被虐待児童の家族再統合プロセスにおいて、被害者支援が十分でなく、被害から回復する権利や元の生活に戻る権利、成長発達権、学習権などの「被虐待児童が有する権利」が侵害され得ることに注目し、家庭再統合過程において、集合住宅型の家庭再統合施設を設け、①医師の定期的な訪問診療およびカウンセラーによる定期的なカウンセリング、②児童福祉司による定期的な指導・面談、③学習指導員による学習補助、④一時保育、⑤施設スタッフの24時間の常駐による支援を行うことを提言しました。

指導した安部准教授は「執筆を決めた当初から、山田さんの中でアイディア・構想がまとまっていました。受賞論文の特色は、被虐待児童が『児童としての権利』と『被害者としての権利』の2つの権利を持つと指摘したことと、その保障と家族再統合の両立を目指したことです。展開した制度論は、権利論的視点で貫徹されているため、具体的な説得力を持たせることができたと思います」と評価しました。

山田さんは「このような素晴らしい賞をいただき驚きもありましたが、大変光栄で嬉しいです。論文を執筆する中で、『家族再統合の是非』や『被虐待児童が有する権利は何か』等のまだ答えが出ていない論点に対して、説得力を持たせて自分の考えを伝えることに苦労しました。今回懸賞論文を執筆したことで子どもの権利について関心を持ったため、卒業後は子どもに関連する仕事に就き、社会貢献していきたいと考えています」と話しました。

関西学院大学法学部では3〜4年次ゼミ(研究演習)だけでなく、基本演習や専門導入演習などの多様な演習科目を開講しています。学生は研究テーマや将来の目標などに応じて、幅広く履修することができます。

※2年次以上で履修し、1年次に身に付けた基礎的専門性をさらに発展させることで、法学・政治学の多種多様な学びへの一歩を踏み出す科目です。安部准教授が担当する専門導入演習のテーマは、刑事訴訟法、刑事政策、少年法です。