2022.07.13.
武藤祥教授がフランスの公共放送に出演!— 安倍元首相逝去に関連して
法学部 武藤祥教授が、フランスの公共放送 France 24 のスペイン語放送に出演されました。
安倍晋三元首相の逝去に伴う影響について、30分以上にわたり特集された番組において、日本の政治学者としてスペイン語で解説、コメントされています。
※France 24はフランスの公共放送で、フランス語、英語、アラビア語、スペイン語で放送されています。
ーーーーー 番組中の武藤教授によるコメントの概要 ーーーーー
・安倍氏の遺したもの(レガシー)
ポジティヴなものとして、長期政権によって経済・外交政策において中長期的な視点に立った政策を実行し、特に国際社会において小さかった日本の首相の存在感を高めた。だが同時に、国会での絶対的多数と野党の脆弱さを背景とした強権的な政治手法には批判も多かった。
・国内外での政治的重要性
外交においては、日米同盟の強化を柱としていた、政治的には右派的であったが、特に中国との間で「戦略的互恵関係」を構築したことは、安部外交のプラグマティックな側面を示している。
・憲法改正について
今後、憲法改正に向けた議論は加速していくだろう。現時点で、憲法改正に賛成する人の割合は増えているが、それは安部氏の悲願だからという理由ではなく、日本をめぐる国際情勢(特にウクライナ危機以降)の激変によるものである。
・今回の事件について
今回の事件は悲しむべきことであり、戦後日本で、首相経験者のような影響力のある政治家が殺害されたことは初めてである。だが、現時点での報道によると、容疑者に特定のイデオロギー的傾向はなく、今回の事件を「政治テロリズム」と断定することはできない。日本のメディアでは「民主主義への挑戦」「言論の封殺」と表現されることが多いが、冷静な分析が必要である。