PICK UP! 法学部生  大西 耕平さん

[  2022年1月28日   更新  ]

経験は人を豊かにする。自身の学びを社会で生かすために

大西 耕平

【名 前】大西 耕平(オオニシ コウヘイ)
【出身校】兵庫県立尼崎小田高校
【人物紹介】
2019年度一般入試(全学日程)で法学部法律学科に入学。
学内での座学の講義だけではなく、模擬裁判演習やキャリアゼミをはじめ実践的なプログラムに精力的に参加。特に2年次に履修した国内フィールドワーク演習D(公共政策)では、地域の活性化・課題解決について取り組む。
法律研究部所属
趣味は、ドラマを見ること、空きコマに知るカフェ(ドリンク無料、かつ企業の方とフランクに交流できる学生用カフェ)で業界の豆知識をブラッシュアップ中。

関学法学部を選んだ理由

 綺麗な自然あふれるキャンパスに惹かれたのがまず一つの理由です。都会の中心にキャンパスがある大学より、近くに甲山があり、自然に囲まれた環境で学習できる関学が自分には合っていると感じていました。それに加えて、授業で学んだことを学内外問わず実践できる授業プログラムが多く設けられていることも魅力的でした。また法学部を志望したのは、目まぐるしく変化する世の中で、現在起こっている時事的なトピックと法との関係性や今後の法のあるべき姿に興味を持ったからです。

国内フィールドワーク演習D(公共政策)での学び

 様々な学内外プログラムに参加しましたが、最も影響をうけたプログラムは2年次に通年で参加した国内フィールドワーク演習D(法学部・経済学部合同)というプログラムです。兵庫県の丹波市柏原町にて学生が主体となって地域の魅力や課題を発見し、地域活性化や課題解決に向けた活動を行いました。
このプログラムに参加したきっかけは、祖母が過疎地域に住んでいて、これまで毎年帰省をしていましたが、帰省するたびに温泉がなくなったりスキー場が閉鎖されたり地域が衰退する様子を目の当たりにし衝撃をうけました。その経験から大学で自分でも地域の活性化に関わることのできる活動や授業は無いかを探していたところ、国内フィールドワーク演習Dという授業を見つけてこれだ!!と思い参加しました。
国内フィールドワーク演習Dでは、新型コロナウイルスの影響で、春学期は柏原町でのフィールドワークができませんでしたが、秋学期からは週末に地域に直接足を運ぶことが可能になり、自分の目で柏原町の魅力・地域の課題を見て聞いて感じることができました。自身が所属するチームでは、地域政策に関心のある関学生と柏原町の活性化に取り組まれている”(株)まちづくり柏原”、”丹波市商工会青年部”の皆さんと「KG×柏原オンライン交流会」を開催しました。交流会では、「柏原町が直面している課題」、「地域の観光資源の活用施策」、「より効果的なPR方法」をテーマに参加者同士で意見交換を行いました。参加した柏原の皆さんからは「柏原に住んだことのない学生さんのストレートな意見を聞けたことや改めて柏原の抱える課題を自覚することができた」といったご意見をいただきました。交流会を通じて新たな発見や刺激をもたらすことができたと思っています。

 このプログラムの面白いところは、現場を見ることで、より当事者に近い立場で関われる点だと思います。どうしても普段の授業で講義として習うだけだと“他人ゴト”に考えてしまう部分があります。しかしこのプログラムでは、実際にその地域を訪れて自分の目で現状を確かめる機会や課題解決に向けて何かしらのアクションを起こします。その結果、現在起きている問題に対してより“自分ゴト”として捉えることができ、関係する分野への興味が深まるので、普段の授業にもより力が入ると思います。「国内フィールドワーク演習D」を通して、どんな状況でもアクションを起こすことに大切さを学びました。2020年は新型コロナウイルス感染拡大で半年間現地での活動ができませんでしたが、「せっかくフィールドワークの授業を取っているのだから、何か地域に貢献できることがしたい」という想いが次第に強くなり、小さなことからでもやってみようと、地域の方と関学生をつなぐ「オンライン交流会」を企画。自分たちの想定以上に地域の皆さんの反響が大きく、2回目も開催して欲しいという声までいただくことができました。成功も時に失敗もあるでしょうが、一つアクションを起こすことで何か違う景色が見えてくるのではないかなと思います。
 

大西 耕平
大西 耕平
大西 耕平

法学部での学びから得たもの

 法学部で2年次に開講されている模擬裁判演習という授業を通じて、「誰よりも想いは熱く、でも頭は客観的かつ冷静に物事を俯瞰する力」が、以前より身についたのかなと思います。模擬裁判演習で私は裁判官役だったのですが、模擬公判において裁判官は、単に有罪、無罪を決めるだけではなく、有罪の場合には、実際の公判と同様に量刑まで決めます。私自身表情には出にくいのですが、実を言うとかなり熱くなりやすいタイプで、特にこの授業は約半年以上をかけて取り組んでいるので、時にどうしても感情移入しそうになる場面に巡りあいます。でもそこで単に感情といった主観面だけで判断してしまうと、裁判の結果が歪んでしまいます。この時に一歩冷静に物事を見ることできるかが試された瞬間だったと思います。このように一歩手前に引いて考えることは、模擬裁判演習だけでなく、あらゆる場面で求められることが多いので、その度にこの授業での経験を思い出すようにしています。この模擬裁判演習は、事件捜査から裁判で判決を出すまでのほぼ全ての刑事手続を再現するため、もちろん刑事手続についての知識が深まりますが、それだけでなく人間的にも成長できるので、関学の法学部で学びを得たい人にオススメの授業だと思います。

今後の抱負

 私は、自分の中で「30歳まではとにかくがむしゃらに挑戦し続ける」を掲げているので、やりたいと思ったことはもちろん、偶然の出会いも大切にしながら、できるだけ多くのことに取り組んで、人としての幅や価値観を広げたいと思っています。「MASTERY FOR SERVICE」の精神でどんな時でも一人一人に寄り添い、自分の培った経験やノウハウを社会に還元できる人間でありたいなと思っています。

学部選択に迷っているあるいは、法学部を目指す高校生にメッセージ

 人生の重要な選択肢を決めるにあたって、「人生の分岐点のほとんどは、偶然の出会いから」と言われています。だから勉強の息抜きも兼ねて、興味の有無にかかわらず色んな大学・学部を調べて、可能であれば実際にキャンパスに足を運んでほしいと思います。それを繰り返すことで自分にあった大学・学部を見つかる可能性が高まると思います。皆さんがどの大学・学部に行かれても、自分の進んだ道を信じて、一つでも多くのかけがえのない出会いや経験を通じて実りある大学生活を送られることを心より願っております。