[ 教育学部 ]教育科学コース

教育の本質を追究し、
さまざまな教育現場に貢献できる力を修得する

理論と実践の両面から教育学を捉え、「教育とは何か」「人間とは何か」という問いに対する思考を中心に研究

教育科学コース

教育の実際と理念を、学校・家庭・社会など広い視野から捉え直し、考察する方途を探ります

現代では、教育についての知識は拡大し、教育の技術は常に進歩を続けています。
ところが、いじめ、不登校、児童虐待、学力低下、教育格差、子どもの貧困などの問題は、減少するどころか、深刻さを増しています。
どうしてこのような逆説的な事態が生ずるのでしょうか。
教育科学コースでは、教育とは何だったのか、どのような教育が望ましいと考えてきたのか、自らに問いかけます。

カリキュラムの特徴

教育科学コースカリキュラム

教育科学は、教育についての理論を、教育の事実に基づいて検証し、既存の教育理論を批判しつつ、新たな理論を形成する過程そのものを研究します。本コースでは、教育とは何か、人間の成長・発達にはどのような意味があるのか、学校は子どもの成長を促進しているのか、どんな教員がよい教員かなど、教育の本質に関わる問題を扱います。具体的には、子ども理解(教育哲学、教育史、教育心理学)、人間の発達を支える教育的営為(教育方法学、特別支援教育)、教育を成り立たせている環境の実態(教育社会学、教育行政学、生涯教育)という3つの領域を中心に学びつつ、教育について考えます。

学びのポイント

●教育の本質や理論についての体系的深究
●時代のニーズに応じた教育・研究を展開
●教育活動に関わる優れた実践家を養成

Pick up 講義

教育科学入門
実践力の基盤となる人間形成理論および教育理論を科学的に考察・検証しながら、学校教育の現実的課題について具体的に学びます。
地域教育論
「地域の教育力」の役割に着目し、学校と地域社会が協働して子どもの成長を支える仕組みや教育活動について、講義やグループワークを通して学びます。
教育哲学
教育思想の歴史的遺産を手掛かりに、「人間と教育」がどのように見立てられ、その都度とらえ直されてきたのかについて、学びを深めます。
臨床心理学
不登校、ひきこもり等、青少年に関わるさまざまな問題を青少年の心の発達の歪みや挫折体験から生じるととらえ、問題の解明にあたるとともに、具体的な支援のあり方を探ります。

教員メッセージ

宮本 健市郎 教授

教育科学コースのねらいは、真実を求め続ける姿勢を培うこと。

現代社会に生きるみなさんはさまざまな情報を容易に入手できます。しかし、その情報をうのみにしてはいませんか。子どもと青年を理解するためには、教育学、心理学、社会学、歴史学等を学び、たくさんの情報から真実を見極めなければなりません。そうしてはじめて、多様な人間や社会のあり方が理解できるのです。私の研究テーマは、「隠れたカリキュラム」。学校教育の基本要素である空間と時間が、どのように人間形成に影響を与えているのか、歴史的、哲学的に探究しています。

濱元 伸彦 准教授

教育、子どもに関する諸問題について考えていきましょう

教育科学コースでは、複雑化する子どもを取り巻く課題について、社会科学のさまざまな方法やデータを駆使してそれらを理解し、解決策を考えていきます。また、学生が学校、地域など、教育の現場に関わることでより理解を深めるよう指導します。教育に対する考え方が多様化し、テクノロジーの進化が著しい今だからこそ、改めて人と人とのつながり、また学び合う仲間の重要性について対話し、ともに考え、教育の意義とは何かを希望をもって見つめていきたいと思っています。

在学生インタビュー

筒井 美帆 さん -大阪・生野高等学校出身-

子どもたちが将来の選択肢を増やせるようにサポートしたい

子どもたちの教育機会と家庭環境の関係について、疑問を持ちつつ過ごしてきました。大学では、教育はどうあるべきかということを肯定的かつ批判的に捉えてみたいと思い、教育科学コースを選択。入学後は隠岐島でのフィールドワーク、アメリカヘの留学、学外のボランティアなど、幅広く挑戦しています。他学部の授業も履修できるなど、やりたいことを実現でき、自分の可能性を広げられる環境があると思います。さまざまな経験やたくさんの方々とのつながりを通して、知見を深めています。みなさんもぜひ一歩踏み出す勇気を持ってチャレンジしてみてください!

卒業生インタビュー

大阪・茨木市立中学校勤務 -小池 梓菜 さん (2017年3月卒業)-

子どもたちの幸せを第一に願って教師を続ける

悩みを抱えている子どもを理解し、寄り添える人になりたいと思い、教師を志望しました。教育学部には同じ教員をめざす仲間も多く、現場で活かすことのできる学びがたくさんありました。現在は、中学校で3年生の担任をしつつ、英語を教えています。一人ひとりの成長や頑張りについて学級通信を通して発信することを大事にしています。それぞれの自分らしさを理解し合い、みんなが安心して過ごせるために、互いに受け止め合えるようなクラスづくりをめざしています。子どもたちから、お互いを大切にする優しさや温かさを感じるときは、とても嬉しく思います。

三菱電機株式会社勤務 -堀内 祐希 さん (2019年3月卒業)-

わかりやすく伝える学びが今の仕事に役立っています

大学の授業で環境問顆、少子高齢化など、社会の問題について学ぶ中、私はインフラを支える企業への就職を志望しました。現在は製造業の営業職として仕車をしています。お客様が抱える課題を、製品を通じて解決し、また、お客様のニーズを製品に反映するため、状況を整理し社内に的確に伝えることが重要です。大学では、生徒にわかりやすく正確に伝えるために、授業の組み立て方や、話し方を工夫する機会が多くありましたが、現在の仕事にその学びが役立っていることを感じています。人の温かさが感じられる聖和キャンパスで、多くの人と出会い、未来につながる道を見つけていただきたいと思います。