2023.11.01.
島根・隠岐高校の生徒が離島の課題解決案を教育学部生に発表「隠岐ジオパーク研究発表会」

隠岐高校生による発表の様子

隠岐高校生による発表の様子

島根県立隠岐高等学校の2年生による「隠岐ジオパーク研究発表会」が10月12日(木)、西宮聖和キャンパスのラーニングコモンズ「リプラ」において開催され、教育学部生らが約30名参加しました。この発表会は、教育学部のハンズオン科目「教育課題探究実習(隠岐)」の一環に位置付けられています。

大学生との質疑応答の様子

大学生との質疑応答の様子

5チーム25名の隠岐高校生は、「Protect Oki from Marine Debris」「隠岐のお土産」「触れて学ぶおきごはん」「祭りの島 隠岐の島~祭・知・盛~」「記憶に残る 家族で繋がる 原始人体験」というテーマでプレゼンテーションを行いました。

「記憶に残る 家族で繋がる 原始人体験」というテーマで発表したチームは、隠岐には体験型観光が少ないという課題がある一方、質の良い黒曜石の産出地であり古い時代から人々の営みが続いてきたという点に着目し、原始人体験ができる観光アクティビティの企画開発を進めています。イノシシの骨を用いた釣り針作りや黒曜石を使った魚捌きの実験結果が報告され、アウトドア企業とのコラボレーションも視野に入れながら、単発イベントでは終わらない持続可能な体験型観光の実現を目指すという展望が示されました。

発表終了後、振り返りと意見交換の時間が設けられ、大学生からの意見やアドバイスに耳を傾ける隠岐高校生の姿がみられました。和やかな雰囲気の中、高校生と大学生の交流が深まりました。

午後は「大学ってどんなところ?」と題したトークセッションや西宮聖和キャンパスと西宮上ケ原キャンパスでのツアーを実施しました。隠岐高校生にとっては、大学での学びや活動について知り、キャンパスライフを体験する1日となりました。

  

この取り組みを担当する波江彰彦・教育学部准教授は「高校生が地域課題に向き合い真摯に探究している姿を見て大学生も大いに刺激を受けたと思う。関係人口という考え方が広がり、都市部から地方部へのかかわりは増えつつあるが、離島の高校生たちも積極的に都市部に住む私たちとつながってほしい。地域課題の解決に向けて今後もともに取り組んでいきたい」と話しました。

隠岐ジオパーク研究は、隠岐高校の生徒が「総合的な探究の時間」において取り組んでいる地域課題探究・解決型学習です。現場で課題を学び、教育者としての資質・能力を高めることを目的とした教育学部の「教育課題探究実習(隠岐)」と2019年度から交流があります。8月に実施した現地実習では教育学部生7名が隠岐高校を訪問し、授業見学や生徒たちとの交流を行いました。