2022.11.22.
【新刊紹介】『学びが地球を創る ふつうの普通科高校の地域協働物語』(学事出版)

本学教育学部の武田先生が『学びが地球を創る ふつうの普通科高校の地域協働物語』(学事出版)を共著で出版されました。
武田先生が当書籍を紹介してくださいます。

私は、昨年度(2021年度)に本学教育学部に着任しました。着任前は、鳥取大学地域学部に勤務しておりました。本書は、私が前任校勤務時代より関わっている「兵庫県立村岡高等学校(以下、村岡高校と記します)」で近年実践されてきた、地域志向の教育活動についてまとめたものです。

村岡高校は兵庫県但馬地域を所在地とする、中山間地域の小さな普通科高校です。少子高齢化が進むなかで生徒数は減少の一途をたどり、その存続自体も危ぶまれていました。しかしながら、村岡高校は地域に必要だという思いを学校全体で共有し、地域社会と協働しながら新たな教育活動を模索し、展開してきました。

上記の実践では、それに関わる全ての方がキーパーソンです。本書では、高校教員はもちろん、卒業生や保護者、地域住民や地方行政など、多様な当事者が執筆している所に特徴があります。私も非常勤講師として村岡高校の「地域探求」の授業を受け持っておりましたので、その一部を紹介させて頂いております。

こどもも学校も地域も、それぞれが掛け替えのない存在として、ともに学び合う関係。それはまさに、但馬の著名な教育家、故東井義雄先生が提起された「村を育てる学力」につながるものだと思います。高校教育や地域教育、地域づくりに関心のある方など、いろいろな方々が本書を手に取ってくださると幸いです

『学びが地球を創る ふつうの普通科高校の地域協働物語』 (学事出版,2022年8月発行)山根俊喜・武田信吾・今井典夫・藤井正・筒井一伸 編著

・著者プロフィール

武田信吾(たけだ・しんご) 

関西学院大学教育学部教員。専門:美術教育学(造形活動における発達と学習,教育実践,教材開発の研究)。