2020.01.09.
学術講演会が開かれました

【演題】セイバーメトリクスの科学入門:試合の背後にある統計理論

【講師】Eiki Satake 氏(エマーソンカレッジ 教養学部・学際研究 統計学正教授)

 1月9日(木)の3限に、商学部主催の学術講演会が、B号館 101号教室にて開かれました。講師は、Eiki Satake 氏(エマーソンカレッジ 教養学部・学際研究 統計学正教授)です。

 Satake 氏は、関西学院中学部、高等部をご卒業後に、渡米され、カリフォルニア大学バークレイ校で学士号(純粋 数学)を、コロンビア大学で修士号(応用統計学および計量心理学)を、さらにスタンフォード大学にて修士号(計量 生物学)を取得され、コロンビア大学で博士号(応用統計学)を取得されています。

 これまでに, Statistical methods and reasoning for the clinical sciences: Evidence-based practice, 2014, Plural Publishing Company など統計学に関する 10 冊以上の著書を出版されており、``Beyond p values and hypothesis testing: Using the minimum Bayes factor to teach statistical inference in undergraduate introductory statistics courses'', Journal of Education and Learning, Vol. 6, No. 4, 2017 などベイズ統計と統計教育に関する多くの学術論文を発表されています。

 本講演では、セイバーメトリクスと呼ばれる野球におけるデータ分析についてお話いただきました。セイバーメトリクスは統計学の手法をもとに野球を分析する手法で、2000年代の初めにオークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMが低予算で勝てるチーム作りのために利用して有名になったものです。今回の講演でSatake先生は打者に関する分析についてお話くださいました。具体的には1900年代はじめごろからのデータからホームランや打率などの数字が現代までどのように変化したかについての分析でした。また、統計学は、分析結果を説明するまでが統計学であると強調され、その変化はボールによるものなのか、ルールによるものなのか、投手によるものなのか、原因はどこにあるのかについても詳しく説明してくださいました。統計学基礎の授業で学ぶ内容が実際にどのように利用されているか、イチロー選手などの具体例とともに説明され、なれない英語に不安を覚えた学生たちもしっかりと理解をしているようでした。数人の学生は英語を用いた質疑応答も行い、アカデミックで有意義な講演会でありました。また、ご自身が応援されているチームとの思い出を語られたところでは会場が笑いに包まれることもあり、終始和やかに講演会は終了しました。