2019.11.29.
学術講演会が開かれました

【演題】株価、利益および資本簿価の経済的関係と会計慣行

【講師】薄井彰氏(早稲田大学商学学術院教授、日本経済会計学会会長)

 11月29日、商学部主催の学術講演会が、B号館101号教室にて開かれました。講師は、薄井彰氏(早稲田大学商学学術院教授、日本経済会計学会会長)です。

 冒頭でビジネス教育の伝来や、日本の会計制度が設計された背景について話された後、金融経済学(Financial Economics)の資産価格理論(Asset Pricing Theory)の枠組みなどにもとづき、株価、利益および資本簿価の経済的関係を解説されました。

 代表的な会計理論モデルを用いながら、株価や企業価値は資本、利益、その他情報(暖簾といったもの)に関連しており、会計がマーケットの資産価格評価に深く関わっていることや、現在のマーケットがグッドニュースよりバッドニュースをより迅速に認識するという意味で保守主義的傾向が強いことを示した研究などを紹介しながら説明されました。

 学生からは「企業の価値や評価といった曖昧な分野を数値で表せるところが会計の面白いところだと思いました。」「会計情報が投資者たちの判断材料になり、マーケットに影響する点が面白い」という感想が寄せられ、会計学の面白さが伝わる講演でした。