2024.05.07.
松浦研究室参加のNASAロケット打ち上げ実験は成功。得られた観測データで宇宙背景放射の解明へ。

研究室にて観測機を調整する様子(2023年9月)

研究室にて観測機を調整する様子(2023年9月)

松浦周二研究室(物理・宇宙学科)のメンバーが参加しているNASAロケット実験CIBER-2は、日本時間5月6日(月) 13:32に打上げが成功しました。

ロケットに搭載された松浦研究室で作り上げた観測装置も翌日に無事回収。格納されたデータも取り出しに成功し、今後の宇宙背景放射の解明に活用が期待されます。



 

松浦周二教授のコメント

ロケット実験CIBER-2が成功しました!
この実験を関学生たちと実現することを目指して着任したのが2015年です。

ところが技術的な問題がいろいろあり望遠鏡が完成するまで3年もかかりました。
ようやく打上げができるところまできたと思ったら新型コロナの流行でNASA基地が閉鎖され、最初の打上げ実験はアメリカチームにまかせることになりましたが、人手と準備の不足のため良いデータは得られませんでした。
コロナ禍が下火になり関学チームも本格的にアメリカで動けるようになり、今度こそはと万全の状態で臨んだ2回目の打上げ実験は、皮肉なことにロケットの打上げ後の追尾に問題が発生し飛行中止措置がとられ、地上に落下した観測装置は無惨な姿になってしまいました。

それでも学生さんたちと元気づけあって進めたのが今回の三度目の打上げです。
こんな苦労もあって並々ならぬ覚悟で臨んだだけに、カウントダウンでは心臓がバクバクし、ゼロの瞬間閃光とともに夜空に飛び上がるロケットの姿を見ていろんな思いが溢れ出し、年甲斐もなく両拳を突き上げ大声で「きゃーっ」と叫んでいました(恥)。
アメリカの実験メンバーと抱き合って喜びをわかちあい、誰かれかまわず握手を求めました。

翌日はパラシュートで着地した観測装置をヘリコプターで回収して装置に格納したデータを取り出したところ、おどろくほど綺麗な赤外線画像がとれていました。
打上げにもまして実験に参加した学生さんたちの苦労が報われた瞬間です。今回参加した学生さんだけでなくこれまで計画に参加してくれたすべての卒業生や共同研究者の皆さんとこのよろこびをわかちあいたいです。


今後、この観測データを使って目標としていた宇宙背景放射の解明をめざします。
今度は科学成果で皆さんに朗報をお伝えしたいと思います。

ロケット実験を進めるにあたり、ご支援、ご声援ほんとうにありがとうございました。