[ 理学部 ]学部長メッセージ

高橋 功 (たかはし いさお) 教授

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北海道大学大学院理学研究科物理専攻博士課程修了。博士(理学)。
北海道大学理学部物理学科助手、名古屋大学工学部応用物理学科助手、関西学院大学理学部物理学科助教授、理工学部物理学科教授を経て、2021年から現職。専門は回折物理学、表面物理学。

知的好奇心を満たすと共に人類に貢献できる理学部にようこそ!

関西学院大学の理学部は神戸三田キャンパス五学部のひとつとして2021年4月に開設された若い学部です。しかしながら関西学院には1961年から2001年までの間、西宮上ヶ原キャンパスに関学唯一の理系学部としての理学部が存在していました。現在の理学部は理系学部の改組により再登場した理学部ということになります。旧理学部と現在の理学部を比較すると、旧理学部は物理学科と化学科の2学部体制(定員120人)であったのに対して、現在は数理科学科、物理・宇宙学科、化学科の3学部体制(定員180人)となり、学問分野の幅が広がりました。とはいえ、現在の理学部がカバーする教育・研究の領域は数学、物理学、化学というサイエンスの基礎分野であることに変わりはありません。

現在、関西学院大学では工学部、生命環境学部、建築学部と多彩なサイエンスが展開されています。そのような中でなぜ基礎分野に重きを置いた理学部が依然として存在するのでしょうか。私は少なくとも二つの理由があると思っています。第一の理由は、知的好奇心=不思議なものごとを明らかにしたい、という人類が本来持っている欲求を満たす場としての理学部が関西学院大学という学び舎に必要であるということ。第二の理由は、将来の大きな応用の芽となる基礎科学を育てて発信する場としての理学部をもつことにより社会貢献という大学の使命を果たす必要があるということです。

関西学院のスクール・モットーは“Mastery for Service(奉仕のための練達)”ですが、理学部のモットーは旧理学部時代のモットーと同一の 新約聖書ガラテヤの信徒への手紙 第5章13節にあります “愛によって互いに仕えなさい” です。学院のモットーと学部のモットーを総合することで私がここに挙げた関西学院大学理学部の存在理由がさらに方向性をもち洗練されていくような気がするのですが、いかがでしょうか。

数の世界がもつ底知れない無限の不思議を、自然界を貫く物理法則と宇宙の神秘を、物質とその変化が織りなすとてつもなく豊かな世界を共に学び愉しもうではありませんか。