放射線物性研究室

阪上 潔 (さかうえ きよし) 准教授

放射線物性研究室

研究分野:
固体物性、誘電体、放射線
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 放射線物性研究室では固体の構造や物性を調べて、それを生かしたデバイスにつなげる研究を進めています。

 最近まで、量子常誘電体と呼ばれる一群の物質に放射線(X線)や紫外線を照射し、誘電率の増大などの物性の変化調べています。量子常誘電体とは、チタン酸ストロンチウムやタンタル酸カリウムという限られた物質が10K前後の低温で示す性質のことですが、これらに電極を形成し低温でX線を照射し続けると誘電率という量が10倍程度に増大します.しかも,この性質は,一度X線の照射をやめて,時間をおいて再び照射すると,誘電率が照射をやめる直前の値から変化を始めるという,ある意味で状態が記憶されているのです.このような,奇妙な性質は,一部紫外線でも測定されていますが,まだ,そのメカニズムはよくわかっていません.
 また、最近この研究から派生して、半導体の表面に形成する電極を工夫し,そこに可視光や紫外線を照射した時の起電力なども測定し、電極としてどのような物質を電極に選ぶと起電力が大きくなるか、というような基礎的な研究を継続しています。これによって、半導体による素子の内部の構造が単純になるために、たとえば外部からの影響が強い環境においても故障することなく起電力を示し続ける素子の開発に繋がる可能性があります。

放射線物性研究室は、物理・宇宙学科の研究室ですから、「ものをどのように作るのか」ということを追い続けるのではなく、構造や物性を調べて、こうしたら新しいアイデアの装置がつくれるのではないかという基礎的な部分を大切に研究を進めたいと考えています。そのためには、できるだけ学生が自分で手を動かして試料を作製する、測定方法を考え、測定装置を組み、出た結果を自分で吟味し,問題の解決やあらたなアイデアへの足がかりとするというような流れをとすることが必要です。そのような流れを習得し、将来社会に出たときにも、そのような問題解決のプロセスや考え方が多方面で役に立つ人材を育成することにつながると考えています。