研究プロジェクト

南極テラヘルツ望遠鏡

物理・宇宙学科では南極天文学研究室と電波天文学研究室が中心となり、筑波大学や国立極地研究所などと協同で南極の高原地帯に10メートル級の高精度テラヘルツ電波望遠鏡を設置して、遠い宇宙の銀河と巨大ブラックホール誕生の謎を追うプロジェクトを推進しています。
地上最高の天文観測環境にある南極は電波天文学上最後のフロンティアです。プロジェクトの第一段階として昭和基地より1000キロメートル内陸にある新ドームふじ基地に30センチメートルテラヘルツ望遠鏡を設置して天の川銀河における恒星誕生の母体である高密度ガスの掃天観測を行う計画が進行中です。

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「ロケット実験CIBER-2」

銀河が生まれるはるか前、宇宙ではビッグバンにより最初の元素が創られ、原始ガス雲は光ることなく冷えてゆき暗黒の時代が訪れました。しかし、やがて原始ガス雲が寄り集まり宇宙で最初の天体が生まれるやいなや暗闇を切り裂く強力な閃光を放ち宇宙に夜明けが訪れたと考えられています。
赤外線天文学研究室では宇宙最初の光を捉えることを目指し、「赤外線」の「宇宙背景放射」を観測するプロジェクトを進めています。地球大気は赤外線を強く発したり吸収したりするので、宇宙最初の微かな赤外線を捉えるには大気圏外へ出る必要があります。私たちは米国の仲間たちとNASAの観測ロケットに望遠鏡を積んで大気圏外に打ち上げて赤外線の宇宙背景放射を観測するプロジェクトCIBER-2(Cosmic Infrared Background ExpeRiment 2)に着手しました。オールアルミの口径30cm望遠鏡は-200℃まで冷却され、打ち上げの衝撃や振動にも耐える特殊な構造を持っています。この望遠鏡はこれまでに関学で大学院生や学部生が主力となって開発した後、米国で現地の研究者や学生らと実験を重ねました。最終的にNASAの基地へ輸送しロケットに組込んだ後、打上げに向けて必要なテストをパスしました。打上げ後はパラシュートで降下した観測装置を回収し改良を加えて何度か繰り返し打上げを行ないます。
2020年度もロケットを打上げて、上空300 kmから宇宙初期の光を捉える予定です。
CIBER-2をさらに発展させるため、惑星探査機に赤外線望遠鏡を載せて人工衛星よりも遠い宇宙空間へ飛び出して宇宙背景放射を観測する計画も進めています。
CIBER-2プロジェクトの詳しい内容は松浦研究室Webサイトをご覧ください。

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X線天文衛星XRISM

提供:JAXA

宇宙には、小さいけれど強い重力場を持つブラックホール、満月ほどに広がった高温プラズマ雲・超新星残骸、宇宙最大スケールの天体・銀河団、など様々なスケールで明るく輝くX線天体があります。これら宇宙X線を観測するためには、望遠鏡を大気圏外に持っていかなければいけません。
現在、日本で7番目のX線天文衛星として、 XRISM(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission )の開発を進めています。XRISMは、JAXA、NASA, ESAを中心に国内外40の大学・研究機関が参画する、大型国際プロジェクトで、超精密にエネルギーを測る分光計と広い波長帯域を広い視野で撮像するカメラが搭載されます。
X線天文学研究室は、XRISMにプロジェクトメンバーとして参画しています。打ち上げまでは、搭載装置のうち、広視野カメラの開発を担当し、機器の試験、センサーの校正実験を行って製作・開発に携わり、打ち上げ後の観測データを目にする日を心待ちにしています。そして、銀河団がちょうど良いバランスで集まっていられる仕組みに潜む重力の構造、元素がいつどこでどのように作られ、今地球にあるような多様な形になったかという元素のレシピ、ブラックホール近くの歪んだ時空と物質を吸い込み放出する仕組み、という大きな謎に迫ります。


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